はてなブログに移ります

     この戯言のページをはてなダイアリーからはてなブログに移ることにしました。
     このページ自体は消すつもりはないのではてながサービスを続けている間は残りますし、それぞれのページに必要に応じてリンクするので、それほど大きく変更することでもないと思います。
     今後共よろしくお願いします。

    新しいページはこちら

複数のダイスを振ったときの確率

 以前、複数のダイスを振ったときの出目の合計が任意の値となる確率というタイトルで同じ内容のものを上げたことがあるけど、この時は少し迂遠なやり方で計算していた。結果を求めるのに経験に頼っており、証明する余裕はなかった。
 今回は、筋道立てて結果を求めることが出来たので、ここで披露する。しかし、何でこれまでこの方法を思いつかなかったのか不思議だ。

 複数のダイスを振って特定の目が出る確率を求めるのだが、例によってnDhという表記をする。TRPGを遊ぶ方はご存知の通り、nはダイスを振る数、hはダイスの面の数を表す。今回は6面ダイスしか検討しないので、nD6となる。ちなみに6面ダイスのことをサイコロと呼ぶ。
 当然だが、ダイスを投げたとき、それぞれの目の出る事象は同様に確からしいとする。
 なお、以降nD6を振ったときにmが出る確率を{ P_{ n, m } }と表記する。

 考え方としては、ダイスを1つずつ振り足していくというものに近い。
 1D6を振ったときの確率は1~6までの出目が均等に1/6となる。ここに1つ振りたしたときの新たに降っただダイスの出目も1~6まで均等に1/6となる。1回目に1の目が出たときには2~7までが均等に1/6の確率で出るし、1回目に6の目が出た時は7~12までが均等に1/6の確率で出る。
 結果として次の表のようになる。

1回目 2回目 確率
-5 - 0/36
-4 - 0/36
-3 - 0/36
-2 - 0/36
-1 - 0/36
0 - 0/36
1 1 1/36
1 2 1/36
1 3 1/36
1 4 1/36
1 5 1/36
1 6 1/36
2 1 1/36
2 2 1/36
2 3 1/36
2 4 1/36
2 5 1/36
2 6 1/36
3 1 1/36
3 2 1/36
3 3 1/36
3 4 1/36
3 5 1/36
3 6 1/36
4 1 1/36
4 2 1/36
4 3 1/36
4 4 1/36
4 5 1/36
4 6 1/36
5 1 1/36
5 2 1/36
5 3 1/36
5 4 1/36
5 5 1/36
5 6 1/36
6 1 1/36
6 2 1/36
6 3 1/36
6 4 1/36
6 5 1/36
6 6 1/36
7 - 0/36
8 - 0/36
9 - 0/36
10 - 0/36
11 - 0/36

 通常1~6までしか書かないのだけど、必要があったので-5~11の範囲で書いた。
 この表を見ると、例えば7が出るのは(1,6), (2,5), (3,4), (4,3), (5,2), (6,1)の6通りで、それぞれの確率は{ \frac{1}{6} \times \frac{1}{6} }となるので、合計は{ \frac{6}{36} = \frac{1}{6} }となる。
 また、8が出るのは(2,6), (3,5), (4,4), (5,3), (6,2)の5通り、ではなく(1,7), (2,6), (3,5), (4,4), (5,3), (6,2)の6通りである。それぞれの確率は{ 0, \frac{1}{6}, \frac{1}{6}, \frac{1}{6}, \frac{1}{6}, \frac{1}{6} = \frac{5}{36} }となる。この確率0になる部分を取り入れるというのがポイントである。
 すると2D6の出目がmとなるときの確率は
{ \displaystyle P_{ 2, m } = ( P_{1,m-1} + P_{1,m-2} + P_{1,m-3} + P_{1,m-4} + P_{1,m-5} + P_{1,m-6} ) \times \frac{1}{6} }
と表すことができる。
 当然だけど、1D6を振ったときに1~6以外の目が出る確率は0なので、
{ \displaystyle \begin{eqnarray} P_{ 1, m } = \begin{cases} \frac{1}{6} \quad ( 1 \leqq m \leqq 6 ) \\ 0 \quad ( m \lt 1, 6 \lt m ) \end{cases} \end{eqnarray} }
である。
 上の{ P_{ 2, m } }を2D6のときだけではなくnD6の場合に一般化すると次の式が得られる。
{ \displaystyle P_{ n, m } = \frac{1}{6} \left( P_{n-1,m-1} + P_{n-1,m-2} + P_{n-1,m-3} + P_{n-1,m-4} + P_{n-1,m-5} + P_{n-1,m-6} \right) \\ \displaystyle \qquad = \frac{1}{6} \sum_{a=1}^{6} P_{n-1, m-a} }
 以上より、2次元の数列として確率を表記することができるのだけど、とてもじゃないけどこの数列の一般項を求められる気がしない。
 前の項を複数参照する上に2次元になっているという辺り、フィボナッチ数列の一般項を求めるよりも難しいんじゃないかと思われる。数学ガールフィボナッチ数列の一般項を求めようという試みの時点でお手上げだった僕の数学力ではどうにもならない。
 一応n=20まで計算したので、その結果をグラフにすると次のようになる。

 取り敢えず、前回ほど苦労せずに結果が得られるようになったということで進歩はあったと思う。同様にして6面ダイス以外の場合も求めることができる。

 さて、上ではnD6の場合の確率だが、これをnDhに敷衍しよう。
 とはいっても、上の式で6のところをhに変えるだけなので特に面倒はない。
 まず、1Dのときの確率を定義しておかないと数列を作れないので、次の初期条件を与えておく。
{ \displaystyle \begin{eqnarray} P_{ 1, m } = \begin{cases} \frac{1}{h} \quad ( 1 \leqq m \leqq h ) \\ 0 \quad ( m \lt 1, h \lt m ) \end{cases} \end{eqnarray} }
 2D以上は次のようになる。
{ \displaystyle P_{ n, m } = \frac{1}{h} \left( P_{n-1,m-1} + P_{n-1,m-2} + \cdots + P_{n-1,m-h} \right) \\ \displaystyle \qquad = \frac{1}{h} \sum_{a=1}^{h} P_{n-1, m-a} }
となる。



おまけ
 上の数列ではどうしてもTRPGを遊んでいるときに確率の見立てを効かせるのに効率が悪い。確率一覧表とかエクセルを持ち歩いていればどうということもないのだけど、やはりその場で簡便に計算できないものかと思う。正しい解に拘らず近似値で計算できないかなと考えた。
 前回、少しだけ言及したけど、振るサイコロの数を増やしていくと正規分布に収束するんじゃないかと予測される。そんなわけで、数列の一般項を求めずに、最初から正規分布を見て計算したら良いのではないかなと思った。
 正規分布は次の式で表される。
{ \displaystyle f(x) = \frac{1}{\sqrt{2\pi\sigma^{2}}}\exp\left( -\frac{(x- \mu )^{2}}{2\sigma^{2}} \right) }
 σ2が分散、μが平均を表す。つまり、この2つの値が分かればその正規分布を描くことができる。
 n個のサイコロを振ったときの平均は3.5nであることは今更説明する必要はないと思う。
 分散は{ \frac{35}{12} n }となるのだけど、これは証明していない。上で求めた確率分布表でこの値になっているのでそのまま持ってくる。頑張って解いてみれば証明できるかもしれないけど、面倒なのでやらない。なお、6面ダイス以外を考える場合はこの部分について改めて検討しなければいけない。
 以上より、nD6に相当する正規分布の方程式は次のようになる。
{\displaystyle f(x) = \frac{1}{\sqrt{\pi\frac{35}{6} n}}\exp\left( -\frac{(x- 3.5n )^{2}}{\frac{35}{6}n} \right) \times 100 }
 百分率で確率を表すため、最後に×100を付記した。扱いやすいように簡略化しようと思う。
{ \displaystyle f(x) = \frac{1}{\sqrt{\pi\frac{35}{6} n}}\exp\left( -\frac{(x- 3.5n )^{2}}{\frac{35}{6}n} \right) \times 100 }
{ \displaystyle \qquad = \frac{1}{\sqrt{\frac{35}{6} \pi n}} \exp \left( - \frac{x^2-7nx+12.25n^2}{\frac{35}{6}n} \right) \times 100 }
{ \displaystyle \qquad = \frac{1}{\sqrt{\frac{35}{6} \pi n}} \exp \left( -\frac{6}{35n} x^2+ \frac{6\cdot 7n}{35n} x - \frac{6 \cdot 12.25n^2}{35n} \right) \times 100 }
{ \displaystyle \qquad = \frac{1}{\sqrt{\frac{35}{6} \pi n}} \frac{\exp\left(\frac{6}{5}x\right)}{\exp\left(\frac{6}{35n}x^2\right) \cdot \exp\left(\frac{73.5}{35}n\right)} \times 100 }
{ \displaystyle \qquad = \frac{1}{\sqrt{\frac{35}{6} \pi n} \cdot \exp\left(\frac{73.5}{35}n\right) } \frac{\exp\left(\frac{6}{5}x\right)}{\exp\left(\frac{6}{35n}x^2\right)} \times 100 }
{ \displaystyle \qquad = \frac{1}{\sqrt{\frac{35}{6} \pi n} \cdot \exp\left(\frac{73.5}{35}n\right) } \exp\left(\frac{6}{5}x - \frac{6}{35n}x^2\right) \times 100 \\ \displaystyle \qquad = \frac{1}{\sqrt{\frac{35}{6} \pi n} \cdot \exp\left(\frac{73.5}{35}n\right) } \exp\left(\frac{6}{5}x\left(-\frac{x}{7n}+1\right)\right) \times 100 }
 出来るだけxを孤立させ、他を定数として扱えるようにしてみた。少しはハンドリングが良くなるんじゃないかと期待したのだけど、むしろより複雑になってる気もする。結局、徒に数式を捏ねくり回しただけで、何かグダグダである。
 取り敢えずn=1~20について計算してみた。以下がその結果のグラフ。

 n=1, 2はイマイチ合致していない感じがするけど、n=3以降は近似として悪くない。
 どの正確な確率と正規分布でどの程度違いがあるか、それぞれの差分に絶対値を付ける形で比較してみた。

 n=1は論外だし、n=2の場合は普通に確率を覚えているので必要ないと思う。
 n=3のとき、誤差が最大で0.8%、n=4では0.4%。十分小さいと見ていいんじゃないかと思う。
 誤差の合計は、n=3のとき5.92%、n=4のとき4.11%。悪くないと思う。
 カイ二乗検定ではn=2以上で5%の有意水準を満たしているので、正規分布による近似で何ら問題はない。ついでにカイ二乗検定について説明したいところだけど、正規分布を利用した数値についてカイ二乗検定を行うとものすごく混乱するのでここでは説明しない。
 それから、exp(x)の計算が大変そうなので、マクローリン展開で計算しやすい形にできないかと思ったのだけど、余計難しくなったので、おとなしく正規分布の式と、平均:3.5n、分散:{ \frac{35}{12}n }を覚えた方が楽だということがわかった。
 使い方としては、例えばビーストバインドトリニティで人間性回復判定の際「10D6を振って25以上なら成功!」というときに確率を見積もって、振るダイスの数を倍にするかどうかを選択する参考にしたりする。
 本来であれば、上の式を定積分して面積を求めることができればそのまま公式としてしまう事ができるのだけど、何か上手くいかなかったので、泥臭く足し算しなければならなくなった。
 10D6を振って24以下で失敗ということなので、n=10のとき{ \sum_{k=10}^{24} f(k) }が失敗する確率である。従って、
{ \displaystyle \sum_{k=10}^{24} f(k) = \sum_{k=10}^{24} \frac{1}{\sqrt{\frac{350}{6} \pi }} \exp \left( - \frac{(k-35)^2}{\frac{350}{6}} \right) \times 100 \\ \displaystyle \qquad = \frac{1}{\sqrt{\frac{350}{6} \pi }} \left\{ \exp \left( - \frac{(10-35)^2}{\frac{350}{6}} \right) + \exp \left( - \frac{(11-35)^2}{\frac{350}{6}} \right) + \exp \left( - \frac{(12-35)^2}{\frac{350}{6}} \right) + \cdots + \exp \left( - \frac{(24-35)^2}{\frac{350}{6}} \right) \right\} \times 100 \\ \displaystyle \qquad = \frac{1}{\sqrt{\frac{350}{6} \pi }} \left\{ \exp \left(-\frac{6}{350} \cdot 25^2 \right) + \exp \left(-\frac{6}{350} \cdot 24^2 \right) + \exp \left(-\frac{6}{350} \cdot 23^2 \right) + \cdots + \exp \left(-\frac{6}{350} \cdot 11^2 \right) \right\} \times 100 \\ \displaystyle \qquad = 2.5766 } という感じで、2.5766%という結果が得られる。ちなみに、正確な確率は2.5247%なので誤差は0.0519と極めて小さい。
 このようにして、たくさんダイスを振るときにも確率を見積もることができるのである。あー便利便利。
 ちなみに10D6を振った結果が次の写真である。

 こうして人として返ってこれなくなり、洞窟に引き籠って宅配の肉饅を喰べる週休8日自宅警備員(邪神)に進化したそうな。めでたしめでたし。

 いつものように今回計算に使ったエクセルのシートを上げておく。
 nD6の確率
 それにしてもはてなブログは表のセルの間がやたらと広いのはどうにかならないものかな。

関連エントリー
 20140531 複数のダイスを振ったときの出目の合計が任意の値となる確率

はてなブログに移りました

 これまではてなダイアリーで記事を書いてきたのだけど、はてなブログに移ることにした。
 はてなブログではMathJaxを利用できるらしいので、これまでよりも気の利いた数式を表記できるかと思ったため。はてなダイアリーでは色々頑張ったけど、どうにもならないので画像を貼り付けるくらいしかやりようがなかった。それと、はてな本体がはてなダイアリーからはてなブログへの移行を推奨しているような雰囲気で、はてなダイアリーの機能を強化していこうという意思を感じないためである。環境の変化は面倒だけど、こんなことで抵抗しても仕方がないのではてなブログに移った。
 そんなわけで、今後は数式も書き放題となる。
   { \displaystyle \int \exp(x^2) dx }
 こんな感じで。

 あと、AAの使い勝手はこんな感じ。

                _{_、   }:}
          _,〟 '" ̄: : : : :”`…≪゙
         rf圭圭圭圭圭圭圭圭№〟`: 、
        刈圭圭圭圭圭圭圭::;〟--ミ№`:、
        /  ′   : : : : : : `y′0 0 V圭li\
         {   、 ___、_: : :{ ______ }圭圭li\
           〉弋{ ̄\|\_〉_≧'.tjjjjjjjリ,ヶ、圭|亥′
          V上_  ,≦-ォ=ォ`yヘニニイ_: : :Y´
            朮j    {しワ〝 ′  /l:l:l\_ソ
            /√ '   `´ J,′  ,'ヽ:l:l:l:l:|
        / :{u , -- 、  ,′  ,' ノ:l:l:l:l:|  世界樹Ⅲに私達もだせ!
          / :i:\丶_ノ /    斤:l:l:l:l:l:l:|  
       ,:′:i:l:l:| `iー/   /:l:l:l:l:l:l:l:l:l:| キャラ一新なんて許さんぞ!
       ,′::l:l:l从:l:l:l/    /三三ミ:、:l:l:l小  
       ,′: :l:l/,>'",′  ///:i:l:l:l:l:l:l:l:l:l:l:l:小. 
      { : :::/ハ/,'   ,' ̄: ;れ¨ ̄¨ミVl:l:l:lハ
       〉  ::|:/  {   1、: : \,〟-=:ミVl:l:l:lト、 
     f′ : f゙: ̄ ̄ '.  |li\: : :\   _Vl:l:lト、i
    人 :i N0: : :○: '.  |l:l:l:l:i\ : :×~: ::l:l:l:l:l:l| リ
        刈: : : : : : :::::'. 〉:l:l:l:l:l:i:\_/\:l:l:lノ
      ,′: : : : : : :::::V::l:l:l:l:l:l:i:/× ::l:l:l:`く
      ,0 : : : ○: : : ::::::::l:l:l:l:// ::l:l:l:l:l:l:/
      ,′ : : : : : : : : ::::::/{'゙× ::l:l:l:l:l:l:/
      ,′.: : : : : : :./二| / ::l:l:l:l:l:l/
     ,0: : : : ○.: : :〉' , -K  ::l:l:l:l:l:/
    ,': : : : : : : : : : し' , -x.\:l:l:∠/
    ,′ : : : : : : : : : し' / /ー×=イ|
   ,(): : : : :○ : : : : ::::::`´:l:l:l:l:l:l:l:l小.
  ,' : : : : : : : : : : : __:l:l:l:l:l:l:l:l:l:l:小


 ちょっと行間が空いてる気がしたので詰めたら、今度は通常の文が読みづらくなったのでAA専用にスタイルシートを入れた。



20190211追記
 はてなダイアリーサービス終了に伴い、はてなダイアリーへのリンクははてなブログに飛ばされる仕様となりました。
 したがって、上のリンクは当ブログへと繋がっております。

高牟神社行ってきたよ

     名古屋市千種区にある高牟神社に行った。この神社に行こうという目的があったわけではなく、すぐ近くでコンサートがあったのだが、開始までに少し時間があったので付近を散策していたら見つけたのだ。
     生憎の雨で(というか台風接近中でこのあと電車が止まった)満足に写真が撮れていないが、折角なので載せておこうと思う。どういうわけか本殿の写真を取るのを忘れていた。高牟神社はそこそこメジャーな神社なので、他にも写真をアップしているサイトが多くあるので、どうしても本殿の写真を見たいという方は他のサイトを当たっていただいたら良いと思う。

     高牟神社は物部守屋由来の神社だそうで、「牟」という字が「鉾」を表すということで物部氏の武器庫が由来になっているとか。

    牛の神使



    古井の霊水


    高牟龍神社と北野天神社

     古井の霊水の隣にある。

    元古井伝説地

    元古井伝説地
     昔、この辺りは常世の草香島と呼ばれ、あちこちから清泉が湧き出ていたところで、後に井となり、元古井の地名の起こりとなったといわれ、その跡が今も神社の境内に残っている。
     また、この付近一帯は、尾張物部氏の集落の一角であったといい、村人たちの武器や農具を収めた倉が、後に高牟神社になったといわれている。
     名古屋市教育委員会


    メインの大鳥居


    東側の鳥居


    頌徳碑


     頌徳碑
     宮司石黒黒藏三翁
      神社本庁講師 森茂雄書

     翁は明治7年2月24日生れ 資性温厚にして 明治41年3月14日請われて実兄小島和泉(権太夫)のあとを受け 高牟神社社司兼務物部神社社掌を拝命す
     「神明奉仕は清掃から」と云う翁の社頭清掃奉仕は夜明前の暗いうちから一人黙々と一日も休むことなく続き 或人は清々しい後ろ姿を拝みたくなるようなお方だと尊敬申し上げ まことに無言の教化を実行した神主さんでした 翁の無私無欲唯々神明奉仕に献身精進の真心が氏子崇敬者の敬神再建の熱意を促し 大正15年10月13日本殿社務所其他社殿の造営となり面目を一新し 昭和15年10月県社昇格記念事業と本殿拝殿の新改造営 閑院宮殿下御宿泊所の中村家別邸を斉舘として特に寄進移築となり社頭の整備発展す 昭和27年7月戦災した本殿祭文殿も再建 遷宮祭を奉仕し 翌昭和28年2月4日立春八十歳を天寿として50年近い神明奉仕を閉ず
     指内戦災神社でいち早く復興し 屈指の産土神社と繁栄し これも翁の遺徳 功績のお蔭と敬仰 追慕の情深きを覚ゆ 翁の輝かしき神明奉仕の一代も常に内助の功の誉れ高き
     石黒みつ婦人(明治13年7月13日生 昭和44年3月4日帰幽)が夫君の心を心として誠心誠意の件婦の労を尽くし力あったことを付記す 茲に氏子相議り永くその功を讃へ徳を仰ぎこの碑を建つ
     昭和60年2月4日
      高牟神社専務総代 代表 石田錠太郎
      神宮評議員 家田照子

    千本鳥居じゃないけど、ちっこい鳥居がたくさん並んでる


     土地がないのか、とても窮屈である。

    関連エントリー
     20160620 明治川神社行ってきたよ

チェルニー30番12 演奏解説

     チェルニー30番の12番を録音・公開した。
     チェルニー30番の他の曲みたいにもの凄くテンポが速いというわけではないので、それほど苦労なく弾けるんじゃないかなと思っていたのだけど、同音連打を普通のパッセージと同じ速度で弾こうなんて考えるもんじゃない。結局相当な苦労を強いられたし、結構ミスタッチがある。指定の指使いは疾うに諦めた。
     いつも通り、楽譜は全音版を使う。例によって、演奏する上で特に注意するべきことは楽譜の解説に書いてあるので、その部分は割愛し、もっと瑣末なメカニカルな部分を始め低レベルな解説をする。
     当初、出来るだけ手元を見ずに、楽譜を見ながら弾くようにしていたのだけど、引きこむうちに殆ど暗譜してしまった。最終的に楽譜を見ながら弾く部分は20~28小節だけとなってしまった。とはいえ、当初の目論見の名残で、手元を注視するべき部分にはこのように*印を記してある。

    テンポについて
     テンポは4分音符76bpsと、チェルニー30番にしてはあんまり早くない。しかし、1分間に76×6=456回の速度で同音連打しなければならない。1秒間に7.6回に相当する速度であり、ほぼアップライトの機械的な限界である。つまり、アップライトでこの速度を出すのは不可能と考えて良い。とはいえ、アップライトでもダブルエスケープメント的な動きのできる楽器もあるので、出来ないわけではない。このこの同音連打速度はシューベルトの魔王の152bpsとまったく同じである。僕がシューベルトの魔王を弾いたときはアップライトだったのだけど、多分相当テンポを落としてたんだと思う。
     チェルニー30番自体、指定のテンポで弾くことは勧められないけど、この12番はアップライトでは無理だから止めるべきだと思う。
     テンポを維持することがすごく重要であり、例えばテンポを速くすると同音連打の機械的・肉体的な速度限界を迎えてミスタッチすることになる。しかし、演奏している時の精神状態で自分が感じる時間の経つ速さが変わってくるので、仕方なしにメトロノームを使って正確な速度を意識して弾いてみたけど、結果はあんまり変わんなかった。

    同音連打の弾き方
     同音連打の演奏法は先日、ピアノ演奏の脱力についてというエントリーで説明したのだけど、キーを手前側に引っ掻くようにして打鍵する演奏方を勧める。離鍵した時にキーの戻る速度が速いほど次にキーを押す準備が速くできるので同音連打も速くなる。従って、打鍵後速やかにキーの上から指をどける、手前に引っ掻く奏法が有効である。

    14~15小節右手

     ☆43の同音連打について、4→3で弾こうとすると3指が4指の動きにつられて少し早いタイミングで動いてしまうので3指が動くべき時まで静止しているよう注意すること。特に15小節で黒鍵を叩くときは打鍵のストロークが短いため顕著に起こる。

    16~19小節

     ※16小節後半右手。4,5指に力が入らず指がふにゃふにゃで正しいタイミングに必要な力で打鍵できない。指が曲がった状態で十分な力を込めずに打鍵しようとするとキーの打鍵抵抗に負けて指が撓ることで、エネルギーのロスと打鍵タイミングの遅延が起こる。筋トレして指の力を付けろっていう話だけど、初めから指を伸ばした状態で指の動きだけで弾こうとするのではなく、鍵盤に手を押しこむようにして打鍵すると上手く弾ける。
     16小節後半~19小節前半左手。演奏中に正しい指使いがどうだったか迷う。小節ごとに一番上の音が2→1→2→1となっていることを意識するとよい。この並びは24小節まで続く。

    20~23小節

     ※20小節左手。もう少し弾きやすい指使いがあるのだけど、22小節と同じ音なので混乱しないように同じ指使いで演奏することにした。
     ☆20~23小節右手。同音連打するとき、2→1よりも1→2の方が速く弾ける。2→1の場合は2指を離鍵するとき指をまっすぐ上に上げないといけないが、1→2で1指を離鍵するには指先を手前に移動してキーの上からどければよいためである。だからここで敢えて2→1としたチェルニーは間違っている。そんなことを言い出すと、そもそも第1小節からして同音連打は321よりも123の方が適しているとなる。実際そうしたほうが離鍵しやすい。

    28小節右手

     ◎フォルテでの同音連打。手前に引っ掻く打鍵でフォルテの同音連打は難しい。ここではシューベルトの魔王みたいに気合を入れて指を上下しなければならない。指の上下だけでは連打速度が足りないので手も上下させる。手首より上は動かさずに、手首を柔らかくして手を上下する。

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