自然科学
通常、色というのは物質が吸収する以外の波長成分が反射されて見える光だが、構造色というのは光の波長近辺の周期構造から特定の波長の光だけを反射することで色を示している。構造由来であり、見る角度によって周期が変わるので、独特な輝きを持っている。 …
分散液の液中に含まれる塩を除去するのには透析という手法がよく取られる。世間一般では人工透析という言葉で知られているが、原理は濾過と同じで一定以上のサイズの粒子が通らないフィルターで塩や微小粒子を除去する。この透析膜を糸状の細いチューブにし…
ちょっと前にD&Dに集まったときにコロナ対策と称して除菌スプレーが準備してあった。「Ag」って書いてあったから銀を使っているのかと思って商品解説を読んでみたら、怪しさ大爆発でよくこんなのを買ったなと感心してしまった。 ekopro日本製ノンアルコール除…
シリカのゲル化に関して、シリコンアルコキシドの酸触媒での加水分解・脱水縮合の反応機構について調べた。 シリカについて勉強したければTHE CHEMISTRY OF SILICAが鉄板だと聞いて少し繙いてみた。シリカについては相当詳しく書いているようだが、アルコキ…
最近、ガソリン車をなくそうという政治的な動きがあるようで、英国では2030年までにガソリン車とディーゼル車の新車販売を禁止するということらしい[1]。外国のことなので勝手にしろと思っていたら、日本もそれに追従するとか言い出した[2]。技術的に可能な…
疎水性の粉を水に混ぜようとしても、当然ながら分散しない。そして、粉の比重が水よりも相当に大きかったとしても浮いてくる。ただし、大きな塊になると沈む。 これは何故かというと、粉の疎水性表面は水と馴染まないが空気とは馴染むので粉が周囲に空気を纏…
先日、酢酸を使ってpHを調整しようと考えたのだけど、酢酸の濃度とpHってどうやって計算で求めたんだっけ、とかなり基本的なところで躓いた。そんで、ネットで調べれば濃度とpHの関係性のグラフくらい見つかるだろうと思ってググったのだけど、見つからない…
宇田川榕菴の舎密開宗を読んだ。田中実による現代語訳だけど。 舎密開宗というのは天保8年(1837年)から弘化4年(1847年)にかけて発行された日本最初の化学書で、だいたい中学高校で習うような内容が書かれている。D・ウィリアム・ヘンリーによるChemie, voor, b…
以前、IRスペクトルの計算値をエクセルでチャートとして出力したときに、実測値と比べて全然あってないというエントリーを上げたけど、改めて見比べてみるとそう悪くない気がしてきた。 IRスペクトルは吸収ピークがたくさんあって完全に解釈するのは容易なこ…
先日、ポリエチレングリコール400(InternetArchive)(PEG)にコロイダルシリカを分散させたのだが、100℃から温度を下げていくにしたがって色が変わっていった。 基本的に構造色を持つ液なのだが、温度の低下に伴って少しくすんだ色→無色透明→透き通った構造色…
発電床というものがある。上を歩くことで発電する仕組みの床である。PZTのような圧電素子を並べて、その上を歩くことで歩行に要するエネルギーの一部を電力に変換するという装置である。 PZTは鉛を使っており、人体に有害との指摘から代替品を求められており…
三角グラフというのは、3成分をパーセンテージで表して、三角形の枠に嵌め込んでグラフ化したもの。 3成分の正三角形内部の点から各辺への垂線の長さで表現する方式と、正三角形の各辺を軸としてベクトルの合計とする方式がある。 今回は後者の方法で説明す…
論文に限った話ではないのだけど、ネットで拾ったり書籍からスキャンしたりしたグラフがあってデータを解析したいときに、このグラフのデータがあれば凄く便利なのに、と思うときが多々ある。 プログラムが得意な人なら自分でプログラムを組んでしまうのでし…
1年くらい前にコロイド分散液の濃度と密度の関係について説明した。 ・コロイド分散液の濃度と密度 分散液の密度をd、溶媒(分散媒)の密度をDL(g/cm3)、粒子の密度をDs(g/cm3)、粒子の濃度をC(wt%)とすると、 となる。というものである。 今回は、温度によっ…
前回、Gaussianをネタにしたので、ついでにこれを書いておきたくなった。 GaussianではIRとかVis-UVとかNMRとかいったスペクトルをシミュレートする機能がある。そこで得られたスペクトルというのは実測するのとは大分違った形で表記される。今回はIRを例に…
化学探偵Mr.キュリー6にトーリタキセルA(Toritaxel A)という架空の物質が出てきた。 以下、ネタバレがあるので、これから読もうという人はその点、了承の上で読んでほしい。 ミステリーの本質部分は報告された構造が間違っていたということ。その中で、計算…
肺から最大2万2000ベクレル 5人搬送 内部被ばく検査へ(魚拓) 大洗というとガルパンで書いておきたい話があるんだけど、それとは別に先日の日本原子力研究機構での事故について。22000ベクレルってのがどの程度のものなのか考えてみた。 必要な情報は以…
20091202のニュースの再掲です。 埋葬する死体を処理するのにアルカリで溶かしてしまうという方法を考えたそうです。 日本では死体は埋葬前に焼却することが法律で義務付けられていたと思うので、日本でこの方法が取られることはなさそうです。 Mittwoch 2. …
液中に粒子が分散しているスラリーについて、液の密度(比重)と濃度には相関関係があってどちらかが分かればもう一方も分かるようになっている。ただし、粒子が多孔質だったりスポンジ状だったりで粒子内に液が入ってくるようなものの場合はうまくいかない可…
実験とか製造とかの場でしばしば加熱という操作をすることがある。加熱中や加熱後には必ず冷却という操作が必要になってくる。 冷却という操作は分子の世界では何が起こっているかというと、原子・分子の運動エネルギーを外部に放出するということである。こ…
学校ではあんまりグラフの描き方を系統立てて教えるということがない所為もあるのかもしれないけど、読みづらいグラフが世の中に氾濫している。 グラフなんて小学校の算数だったか社会だったかで円グラフ、棒グラフ、折れ線グラフ、帯グラフなんかをどういう…
チェルニー30番の14番を録音・公開した。 テンポの早いタイプの解説は9番以来となる。テンポの速いタイプとはいっても4分音符で80bpmなので、もっと速い曲はいくらでもある。それでも速いことに変わりはなく、自分で弾いておきながらもヤケクソ感が強い。 い…
尿素樹脂というプラスチックがある。ユリア樹脂ともいうのだけど、化学の教科書には食器、雑貨類、瓶の栓、接着剤なんかが用途として挙げられている。給食の食器に使われているのを見たことのある人は多いと思う。 同じアミノ樹脂の仲間でメラミン樹脂という…
昨年の暮れ頃からチェルニー30番を指定のテンポで弾いてみるという苦行を始めたのだけど、11番を練習しているときに漸く気付いたというか、思い出したことがある。「脱力しないと速度を出せない」ということ。それまでは脱力を意識せずにテキトーに指を動か…
20130706にプリンタを新調したが色々と気に入らない点があるという話を書いたのだけど、実はあれから程なくして再度プリンタを新調した。 EPSONのEP-806ABという複合機なんだけど、凄まじく使い勝手が悪い。プリンタは年々性能が劣化している。 複合機にした…
ラボワイパーという商品がある。キムワイプの仲間みたいなもので、サイズが大きい。メーカーが違うので、対抗企業という感じ。 キムワイプは実験室でお馴染みの実験台を拭いたり、ピペットとか撹拌子とかを実験台に物を置くときに直接実験台に接触させないよ…
ナス型フラスコというフラスコがある。短縮してナスフラとか呼ぶのだけど、ロータリーエバポレーターで減圧濃縮するのに都合の良い形状をしている。 エバポレーターで濃縮する際に、フラスコを回転させることによってフラスコ壁面に薄い液膜を形成させるため…
元素の色といっても、もちろん実際に原子に色が付いているわけではない。Chem3Dでは元素ごとに色が設定してあるので、どういう対応になっているのかと気になったので調べてみた。 Chem3Dのヘルプに対応一覧表とかがのってるのかと思って探してみたが見つから…
ロケットニュースより、プールでオシッコをすると「化学兵器に使用される有害物質が発生する」との研究結果(魚拓)という記事があがっている。 内容は以下の通り。 子供の頃、プールで泳いでいる時にトイレに行くのが面倒で、そのまま水の中で用を足したこと…
反原発の方々がいろんなデータを出してくれるのは良いのだけど、怪しげなイデオロギーに凝り固まっていてまともな思考ができなくなっている方も多くおり、慎重に読まなければならない。 東洋経済オンラインから上がっている記事で福島原発周辺で「動植物異常…