OpticBook3800買ったよ

 ブックスキャナーPlustek OpticBook3800を買った。
 書籍をスキャンする際、多くの場合は本自体を裁断してScanSnapでスキャンするという方法が主流だと思うが、本を傷つけることに抵抗を感じる人が少なくないため非破壊スキャナなんていうものがそれなりに注目されている。その際、問題となるのが喉の部分をどうするか、ということである。
 以前紹介したScanSnap SV600は30cmくらい上からカメラで走査してページ表面を読み取り、しかる後、手動で歪みを補正するというもの。歪みの補正というのがなかなか面倒な上、イマイチ綺麗に決まらないということで問題は多い。それでも、便利は便利なので結構お世話になっている。
 今回購入したのは下の写真のようにスキャナの端っこの方まで読み取り面が存在するので、ノドの中央付近まで読むことができ、見開きになっているような絵でもなければ読み取ることができそうな代物である。

 結構期待していたのだけど、色々と問題がある機械だということが分かった。

 取り敢えず、テキトーに手元にあった教科書をスキャンすると次のようになる。

 見ての通り、端っこが切れている。
 これを頑張ってしっかりと押し付けてスキャンすると、次のように少し奥まで読める。

 OpticBook 3800の公式サイト(魚拓)ではブック エッジ(6mm)と書いてあるけど、量子化学入門のノドの広さは定規で測ってみたところ22mmあった。ということは頑張っても2cmくらい読めない部分ができるということ。
 参考までに、この本を開いて机においたのが次の写真である。

 とりわけノドの部分が詰まっている本ではないことは分かってもらえると思う。なお、横に置いた阿Q正伝・狂人日記はサイズ比較のために文庫本を置いた。
 こんなわけで、少し頑張らないと喉のついでに切れてしまう。
 この程度の問題なら製品写真を見ただけで想定できるのだが、この製品にはもっと別の重大な問題がある。

スキャンが遅い
 スキャン速度7秒となっているのだけど、スキャンの準備に3分くらいかかるので、実質3分だと思って良い。
 EP-806ABのときもそうだったんだけど、製品仕様にこういったっ部分も表記してほしいものである。

他のスキャナが使えなくなる
 これまでに何種類かスキャナの紹介をしてきたように複数のスキャナを使い分けているのだけど、OpticBook3800のドライバをインストールしたところ、メインで使っているEPSON EP-806ABのスキャナが使えなくなった。周辺機器の競合とか今時起こるのかと驚いた。ドライバの再インストールとか試してみたのだけど、直らない。

 スキャンするときは上の図のように何種類か機器が表示される。何故Walkmanが選択肢に入ってるのかちょっとわからないのだけど、上から3番目と6番目がEP-806ABに対応している。この内、普段使っている上から3番目の方が全く使えなくなってしまった。仕方なしに6番目の方を使っているけど、不便で仕方がない。

解像度が悪い
 装置の仕様上は一応1200dpiが最大解像度となっているけど、焦点があっていないためピンぼけが酷い。
 いつも通り1万円札をスキャンしたのを各種スキャナで撮ったのと比較する。下の1万円札の赤い四角で囲った部分を高解像度でスキャンした。

OpticBook3800

SV600

LiDE40

EP-806AB

MSC20

 スキャン画像の綺麗さだけで比較するとEP-806AB > LiDE40 > OpticBook3800 > SV600 > MSC20という順になる。
 同じフラットベット型でありながら、15年前のLiDE40よりも遥かに劣るスキャン性能である。マウス型スキャナMSC20は性能の面で論外だと思ったのだけど、OpticBook3800と比較して見ると丙丁つけがたい結果となっていたので比較として載せた。
 スキャナの読み取り方式にはCCDとCISという2つのタイプがあって、CCDは本体が大きくなるがガラス面からの距離が少々変わっても綺麗に読め、CISはガラス面から離れると読みづらくなるという性質があるらしい。OpticBook3800はCCD方式であるが、見ての通り全然駄目である。読み取り面から離すと良くなるのかな。
 なお、EP-806ABは紙幣をスキャンしようとすると保護機能が働いてスキャンを中止してしまうけど、ほかのスキャナでは問題なく読み取れる。

 非常に画期的なコンセプトの商品だと思って入手したけど肝心のスキャナとしての性能が低すぎて使えないことが分かってとても残念である。
 それほどサイズの小さくない文字を撮るのなら使えなくもないのでたまに活躍する機会もあるのだけど、矢張りどうしようもないポンコツであることに変わりはない。
 本製品の後継なのか、OpticBook4800というヘリ部分の幅が2mmの製品があるので、買うならこちらのほうが良かったなあと思ったが、画質が悪いという評価があるため問題点は改善されていないみたいなのでどっちも要らないや、となる。

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チェルニー30番18 演奏解説

 チェルニー30番18を録音した。解説を書かないといけないなと思いつついつの間にやら1ヶ月が経っていた。その間に19番も完成間近となってしまった。
 それはそうと、世界樹の迷宮の録音を試みているときに気付いたのだけど、2月くらいからこちら録音の際に音量のレベルを間違っていて、5.7db小さいボリュームで録音していたので音量を直して改めて上げた。幸いなのか、チェルニー30番しか録音したのがなかったため、ファイルを作り直すにはそれほど困難はなかった。

 いつも通り、楽譜は全音版を使う。例によって、演奏する上で特に注意するべきことは楽譜の解説に書いてあるので、その部分は割愛し、もっと瑣末なメカニカルな部分を始め低レベルな解説をする。
 18番はかなり難しい部類に入る。というのも、チェルニー30番の平均レベルの曲を大きく超える技術的な難所が2箇所ある。後ほど説明するが、13~15小節と17~20小節である。この2箇所がなければチェルニー30番としては平均以下のレベルであり、弾きやすい良ナンバーとなったのに。

 室井摩耶子チェルニーってつまらないの?でこの曲は手厚く説明しているけど、多分チェルニー30番をとっくにクリアしていてもっと芸術的な演奏を目指したい人に向けての説明であり、僕みたいな下手っぴにはあんまり役に立たなかった。情緒的な説明に終止しており、僕の目指す物理的な体の動きなんかに関するものとは表現方法が違いすぎるためである。
 ただ、前半部分1~8小節の左手の解説は良い。「最初は全音符で全休符でしょ。次は4分音符、そして4分休符、次は8分音符で8分休符、どんどん短くなっています。だから軽くなっていく」この左手の軽重に強弱の指示が合っているのでこのイメージはうまく嵌まる。

1小節

 右手は上りのスケールが苦手である。何故かというと、下りスケールは1指の上に他の指をかぶせる形であり、上りは他の指の下に1指をくぐらせる動きなので、それぞれの指の移動できるスペースが上りの方が狭く自由度が下がるためである。
 出だしでは最初のEsの2指の下にあらかじめ1指をくぐらせた状態で弾き始める。その後の指くぐりでは、事前に1指をMP関節[1]から曲げて3指、あるいは4指の下に潜り込ませておくと、タイムロスが減り少し弾きやすくなる。ついでに、そのまま脱力して弾ければなおよろしい。

12~13小節左手

 12小節のBを4指で取って離鍵後、左手をこのポジションから動かさないこと。13小節の始めの左手で同じ音を取るため、動かしてしまうとどこに押すべきキーがあるのかを探さなければならなくなる。

13~15小節

 例の難所である。
 ☆トリル部分は13,15小節では4545で演奏するように指示されている。14小節については何も書いていないので3535で演奏すると良い。この部分を全部4545でクリアしようとすると疲労で最後まで続かないので、ちょうどよい。
 こういう動きの悪い指を早く動かすには離鍵を意識することが効果的である。離鍵に使う筋肉は日常生活では殆ど使うことがないので極めて弱い反面、この筋肉を鍛えることによって劇的に筋力が上がる。
 しかし、そんな小細工をしたところでそう弾けるものでもない。さらに、楽譜の解説文にも「あまり無理をすると指を痛めますから、疲れたらやめること。」と書いてある。チェルニーさんよ、指を痛めるような練習曲を書くんじゃない。
 解説文には「多少の困難はあっても、指使いは指示されているとおりに弾くこと。」とある。指を痛めるってのは多少の困難なんていうレベルを遥かに超えてますよね。そんなわけで、指を痛めるくらいならチェルニーの指示に逆らって勝手な指使いにしたほうが余程良い。
 結局、カッコで示された指使いに加えて、14小節後半では譜例に示したようにGを1指で取ることにした。チェルニー先生の言葉に逆らうのは本当に心苦しいのだけど、指を痛めるわけにはいかないので涙をのんで指使いを変更した。

16~17小節左手

 12~13小節と同じように、離鍵した後にポジションを移動させないこと。
 16小節でDを3指で取り、17小節の始めEsを3指で始める。すぐ隣のキーなので手元を見なくてもキーに触れることはできる。

17~20小節

 難所その2。
 ◎指くぐりの位置について。右手はBが4指でEが3指、左手はAが4指でEが3指となる。
 ※18小節後半から20小節の最後まで左右で3度(10度)ずつズレた音程を維持する。  この速度で左右の音をぴったり合わせるのはなかなかできるものではない。ショパン先生はパッセージを速く演奏することで多少粒が揃っていなくても聴けるものになるって言ってた[2]けど、ユニゾンのように同時に弾くべき音が重なっていないと、そのズレは非常に目立つ。実際のところ、指定のテンポで弾くのがやっとの場合は音の粒ぞろいまで手が回らないので当然揃わない。
 この曲は4分音符で138bpmなので、1秒間に9.2回16分音符を打鍵することになる。1打鍵当たり0.1087秒である。打鍵が0.01秒ずれるだけで10%タイミングがずれたことになる。整えようという気がなくなるような時間感覚である。なお、1打鍵当たり0.1087秒がどれくらいかというと、ショパンコンチェルト1番第3楽章の496~515小節[3]1打鍵当たり0.096秒ベートーベンのピアノソナタ32番第1楽章24~28小節[4]1打鍵当たり0.119秒なので、この間くらいの速度となる。ユニゾンで似たような速度の部分を探したのだけど、これらはペダルを使うことを前提としているので速度さえ出せればチェルニー30番ほど難しくはなかったりする。ペダルなしでのユニゾンだとフランソワのショパン前奏曲14番が1打鍵当たり0.118秒となっている。ちゃんと弾くにはこれだけの技術がいるらしい。
 そんな訳で、チェルニー30番を練習しているようなレベルの人がこだわるようなことではなく、テキトーに済ましてしまって、どうしてもというのならもっとうまくなってから試みたら良いと思う。時間の無駄である。
 なお、そんなレベルでなく左右の手が合わなさすぎる場合は、どちらかの手(大抵は左手)が遅れていることが多い。遅れる箇所を特定して片手ずつ練習して目標の速度になるようにする。

24小節右手

 2音目のGについて。
 ここに至るまで右手は下降スケールであり、肘を外に向けた弾きやすい形になっているはずである。そのままの姿勢ではこのGは黒鍵の隙間で弾かなくてはならない。そうしないために上体を左に移動し、鍵盤の手前側で弾けるようにすると同時に手の向きをまっすぐに戻す。

参考文献
[1]岳本 恭治, ピアノ脱力奏法ガイドブック 1 <理論と練習方法>, サーベル社(2015)
[2]ジャン=ジャック エーゲルディンゲル, 弟子から見たショパン―そのピアノ教育法と演奏美学, 音楽之友社(2005)
[3]小林秀雄, ショパン ピアノ協奏曲第1番 ホ短調, 全音(1976)
[4]園田 高弘, ベートーベンピアノソナタ 第32番 ハ短調 作品111, 春秋社(2001)

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第14回 教育WG 議事録(文部科学省ヒアリング)

 ここ2ヶ月くらい、マスコミ各社が掌を返したように讃えまくる文部科学省事務次官の前川喜平さんに関して、平成17年7画つ12日の議事録が出てきて話題になっている。
 天下り斡旋がバレて馘首された当時は叩かれまくっていたけど、アベ叩きに使えるとなった途端聖人のごとくもてはやす始末でマスコミの節操のなさは脊髄反射レベルにまで高まっている。多分、また官邸のリークとか言い出すんだろうと思う。
 議事録は規制改革・民間開放推進会議のサイトにおいてある。
 第14回 教育WG 議事録(文部科学省ヒアリング)(ミラー)
 この議事録、データがスキャンしたPDFでコピペができないので、扱いやすいようにテキストデータに書き下ろしてみた。

第14回 教育WG 議事録(文部科学省ヒアリング)


1. 日時:平成17年7月12日(火) 13:30~15:00
2. 場所:永田町合同庁舎1階共用第1会議室
3. 議題:「教員免許・採用制度について」、「学校選択制について」
4. 出席:○規制改革・民間開放推進会議
        草刈主査、白石委員、安念専門員、福井専門委員
      ○文部科学省
        初等中等教育局初等中等教育企画課長            前川 喜平氏
        初等中等教育局教職員課長                    戸渡 速志氏
        初等中等教育局視学官                       勝野 頼彦氏
        初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室長  塩見 みづ枝氏
5. 議事概要

○草刈主査 お待たせしました。それでは、ただいまから教育ワーキンググループということで文科省さんからのヒアリング、あるいはまたこちらからの意見も言わせていただくということで意見交換もさせていただきたいと思います。
 それで、あらかじめそちらに1枚紙を用意して差し上げていると思いますので、これに沿って御説明をそちらからまずいただいて、その上でいろいろな意見をこちらからも言わせていただいてディスカッション、あるいは意見交換をさせていただきたいと思います。恐縮ですけれども、20分程度でまずそちらからご発言を頂戴できればとおもいます。では、お願いします。
○戸渡教職員課長 それでは、最初に私、教職員課の戸渡と申しますが、私の方からヒアリング依頼項目の1番から4番までについてご説明させていただきたいと思います。
 お手元に資料を配布させていただいておりますが、まず第1点目の教員養成・免許制度が教員としての適格性をどのように保証しているのかという点についてご説明の資料として、平成9年ですけれども、養成審議会答申という資料の抜粋を配布させていただいておりますので、そちらもごらんにただければと思います。
 この教員養成審議会の第1次答申におきましては、養成段階というものにつきまして、資料をめくっていただきますと最初のページになりますけれども、養成段階は先行する学問分野にかかる教科内容の履修とともに、教員免許制度上、履修が必要とされている授業科目の単位習得、こういったものを通じて教科指導、生徒指導等に関するいわゆる教員として求められる最小限必要な資質能力を身に付けさせる過程とされているわけでございます。そういう基礎的なものを身に付けた方の中から、採用段階においてはより優れた資質能力を有するものを任命権者が選考する。その上で現職研修ということで研修を行い、資質能力のさらなる向上を図っていくということが基本的な考え方とされているわけでございます。
 それで、現行の免許制度においては教員としての適格性に関する科目としていろいろな科目が設けられている部分がございます。例えば、教職とは何かという点について深く考えさせることを狙いとする教職の意義及び教員の役割と言ったような科目の履修であるとか、幼児、児童、生徒に対して適切に理解する能力を身に付けさせるよう、幼児、児童、生徒の発達及び学習の課程の科目の履修、こういったものを義務付けておるわけでございます。教員養成を行います大学においては、これらの科目の履修を通じて適格性を含む教員としての最小限必要な資質能力を身に付けさせることが求められているということでございます。
 具体的に養成段階で特に教示、指導すべき内容の範囲という部分については資料の3ページ、4ページの部分に「教職への志向と一体感の形成」、「教職に必要な知識及び技能の形成」の部分、それから「教科等に関する専門的知識及び技能の形成」という3つの領域で構成されるということで、現在の考え方を整理しておるわけでございます。
 一方、適格性の確保という部分についてでございますけれども、現行の教員免許制度におきましては教員免許というのは学士の学位等の基礎資格を有して、大学の教職課程で所要の単位を習得すれば教員免許状が授与されるという仕組みにご案内の通りなっておるわけでございます。
 教職課程の履修を通じて教員としての適格性が養成されるということで、必要な単位等を定めておるわけでございますけれども、では最終的に個人の中で教員としての適格性がきちんと形成されたということを最終段階で全体として判定するような仕組みは現在設けられていないという部分があるわけでございます。このため、教員免許状の授与を受けようとする者の中には、いろいろ勉強はしたけれども、適格性に欠けるような者も少なからずいるといったようなことが指摘をされている部分がある。
 こういうことを踏まえまして、現在中央教育審議会で教員としての適格性というものを全体として判断した上で、問題ないという場合に免許状を授与するということ、このことを例えば学士課程、大学の中の最後の部分でやるといったようなことを含めて今、検討が行われている状況にあるということでございます。私どももその検討の結果を踏まえて、必要な免許制度の改革を図っていきたいと考えているところでございます。
 2点目でございますけれども、条件付任用期間を経て本採用に至る制度の仕組みとその実態等についての部分でございます。ここの部分につきまして、1枚紙で「条件附採用機関制度について」という資料をお手元に配布させていただいております。ご案内のとおり、公立学校の教諭等の採用につきましても、現行制度においてすべて条件付きであるということになってございまして、採用後、1年後、良好な成績で勤務したときに初めて正式採用になるという仕組みでございます。これは、採用の後において実務を通じて確実な能力の実証を得るための措置ということで適用されておるわけでございます。
 条件付採用期間を経て正式採用にならなかった者の状況を下に表を準備させていただいておりますけれども、平成15年度においては条件付採用期間中に免職または退職となったものが111名、この内条件付採用期間を満了して任命権者が正式採用としなかった。これは依願退職とか懲戒処分等ではない形で正式採用としなかったというものが1名、依願退職という形で去られたという方が107名という形になっているわけでございます。
 私ども文部科学省におきましては、各都道府県、市に対しては制度の趣旨の徹底ということで以下のようなことを申し上げております。
 1つは、新規採用者というのは教員採用選考において一定の能力の実証を得ているわけであるけれども、実務に携わった時点で職務に耐え得る能力に欠けていることが初めて明らかになる場合もある。この実務についての能力の実証というものを行うために、条件付採用制度というものが設けられている。このことを十分に踏まえて、条件付採用期間中の勤務成績の評定の内容、手続きの評価システムの研究を行うということなどによって、この制度の適切な運用、それから教員の適格性の確保に努めていただきたいという旨、この制度の趣旨の徹底ということで申し上げているということでございます。以上が、2点目についての御説明でございます。
 3点目でございますけれども、特別免許状制度による免許状授与の仕組みといった点についての部分でございます。特別免許状制度についてもお手元に1枚資料を配布してございます。もう既にご案内の部分は多いかと思いますけれども、特別免許状制度は社会において専門的な知識、経験、技能等を身に付けて、社会的信望があり、教職に対する熱意と識見を有する社会人を学校現場に迎え入れて、学校教育の多様化及び活性化を図っていただくということをねらいとして昭和63年に創設されたものでございます。
 従来もご指摘があったところでございますけれども、件数の少ないのではないかというご案内がございました。従来、件数は少なかったわけでございますけれども、制度改善等を行いました平成15年以降大幅に伸びているということで、平成15年が47件、平成16年が49件という形になってございます。
 この免許状の授与でございますけれども、制度の趣旨を踏まえまして特別免許状については任命権者、雇用者の推薦に基づいて都道府県の教育委員会が行います教育職員検定に合格をした場合に授与をするという形になってございます。
 この教育職員検定でございますけれども、合否決定に際しましては学校教育に関する学識経験者等で構成される者の意見を聞くということに制度上、なっているわけでございます。
 それから、この特別免許状でございますけれども、各小中高における全教科、特別形諸学校における特殊な教科について授与されるという形になってございます。免許状は教諭の免許状でございますので、特別免許状の授与を受けて教諭に任用されれば、その職務内容については他の教諭と変るところはないということでございます。
 それから、今後のあり方という点でございます。授与件数が平成15年度で47、16で49件ということになっているわけでございますけれども、優れた知識、経験、技術を有する社会人の方に学校現場に入っていただくということ、これについては十分意義のあることであるということで私どもも進めておるところでございます。具体的には、特別免許状の活用という点について、御案内かと思いますけれども、平成14年に免許法を改正しまして、従来学士の学位を授与要件にしていた部分を撤廃をする。それから、民間企業から教員になろうとする方の身分の安定を図るために有効期限を撤廃すると言ったような制度変更をしております。
 今後とも、私どもとしては都道府県における活用が進むように、いろいろ活用事例の作成、配布等を通じて必要な情報提供、これは今までも行ってきたわけですけれども、今後ともそういったことを通じまして特別免許状の授与の促進について図ってまいりたいと考えているところでございます。
 それから、特別免許状制度の他に大学で教員養成教育を受けていない社会人等を教員として登用するための仕組み、その運用の実態という点に関連いたしまして、特別非常勤講師制度という制度がございますのでご紹介させていただきたいと思います。お手元に資料も配布させていただいております。
 特別免許状の制度以外に地域の人材あるいは多様な専門分野の社会人を学校現場に迎え入れるということで学校の活性化を図ろうということで、教員免許状を有しない非常勤講師というものを登用して教科領域の一部を担任させることができる制度として昭和63年にこの制度を創設してございます。平成10年には免許法を改正いたしまして、対象となる強化の拡大、手続きの簡素化というものを図ってございます。
 特別免許状については、正規の教諭として任用するということを可能とするものでございますが、この特別非常勤制度というのは免許状主義の例外ということで、教科領域の一部に係る事項の教示と言ったものが免許状を有することなく教壇に立つ事ができるようにしたものでございます。
 授与の仕組みでございますけれども、これについては教科内容の一層の充実と学校に新たな発想を持つ人材を多く迎え入れるということで、平成10年に免許法改正をいたしまして、手続きの簡素化ということで従来の方式から平成10年に免許授与権者への届出ということで、届出できるということで許可から届出に制度変更を行ったということでございます。この特別非常勤講師制度についても引き続き一層活用されるように都道府県教育委員会等にも働きかけていきたい、事例の紹介等を行っていきたいと考えているところでございます。
 5点目は、前川課長の方から申し上げます。
○前川企画課長 引き続き、5点目についてご説明申し上げます。学校選択制についてです。
 学校選択制という言葉は、これ自体は法令上の言葉ではございません。就学すべき小学校、あるいは中学校を指定するということは各市町村の教育委員会の事務とされているわけでございますけれども、これは一市町村の中に小学校あるいは中学校が2校以上ある場合に就学すべき学校の指定ということが行われるわけであります。
 その際に、これまでの慣行といたしまして、学校の指定が恣意的に行われたり、いたずらに不公平感を与えたりすることのないように、あらかじめ地域の実情や地理的条件を踏まえて、各学校に通学区域を設定し、これに基づいて就学すべき学校を指定する。これが一般的な方法でございました。
 この通学区域というものも、法令上の定めがあるものではございません。これを設定するかどうかを含めて、市町村教育委員会の判断とされてきたもののでございます。それd,えいわゆる学校選択制と言われるものは、就学すべき学校を指定するにあたってあらかじめ保護者の意見を聴取して、それを尊重しつつ指定するという方式を指すものでございます。これは、就学すべき学校を指定する前に保護者の意向を確認するというものですけれども、その他に就学すべき学校を指定した後に保護者の意向に沿ってその変更を認めるというような方式もございます。
 また、市町村をまたがって通学区域以外の学校への就学を認めるというケースがございます。これは区域が就学と言われているものでございますけれども、これは関係市町村間の協議といったものを踏まえて、隣接する他の市町村の学校への就学を認めるというものでございます。
 この学校選択制などの実施状況につきましては、昨年の11月1日現在の状況を調査した私どもの調査がございまして、これを資料に付けてございます。市町村ごとに調べたものでございますが、まず学校選択制というものが成り立つ前提として小学校あるいは中学校が同一市町村内に2校以上存在しなければ選択制というものは起こり得ないわけでございますが、昨年11月1日の調査の時点で自治体の数、小中学校を設置する設置義務を課されております市町村の数が3,051ございました。現在は更に減っておりますけれども、この時点で3,051ありました。そのうち、2校以上の小学校のあるものが2,576自治体、また2校以上の中学校を置く自治体というのは1,448自治体でございまして、この学校選択制の実施状況を見るに当たっては、小学校であれば2,576、中学校であれば1,448という数が既にあるわけでございます。
 それから、学校選択制というものをどう定義するかということでございますが、先程申し上げたようにこれは法令上の言葉ではございませんけれども、就学すべき学校の指定の際に予め保護者の意見を聴取するという方式のことを指しております。その際に、これも便宜的にAからFまで類型に分けておりますが、自由選択制というのは当該市町村内のすべての学校のうちから希望する学校への就学を認めようというものです。
 ブロック選択性というのは、当該市町村内をブロックに分けて、そのブロック内の希望する学校への就学を認めようとする。
 特認校制は、従来の通学区域を残したままで特定の学校について通学区域に関係なくどこからでも就学を認めようというものです。
 特定地域選択制は、従来の通学区域を残したままで特定の地域に居住するものについて学校選択を認める。
 このように、便宜的に類型分けをしております。その他のものはFとしてくくってございます。
 そのほか、中学校の指定について、これは先程申し上げたように一たん就学指定をされた後に保護者の意向によって他の学校への指定に変更するというようなものでございます。いろいろその理由というものはございますけれども、これも便宜的にABCその他という形で就学指定の変更の理由について類型化しております。
 その具体の数を見てまいりますと、2ページでございますが、まず学校選択制について小学校について見ますと、2,576自治体のうち何らかの形での学校選択制を導入しているものは227自治体でございまして、全体の8.8%でございます。また、今後の実施を検討しているというものが150自治体、5.8%あったわけでございます。類型別の数については、この棒グラフの右側にございます。
 都道府県ごとに見た場合の市町村の数を3ページの上のグラフに示してございます。全く市町村で実施しているところがないという件もいくつかあるわけでございます。
 これまで導入時期について時系列的に見た場合の推移が下の棒グラフでございます。年々学校選択制を導入する市町村が増えているという状況が見て取れます。
 4ページは中学校について同じように見たものでございまして、1,448自治体のうち学校選択制を導入しているものは161自治体、11.1%、今後の実施を検討しているものが138自治体、9.5%でございます。
 同様に、4ページは都道府県ごとの市町村の数を表した棒グラフでございます。また、これまでの導入時期についての推移を見たものが下の棒グラフでございます。
 6ページは、就学校の指定についての状況を調べたものでございます。小学校について、一たん就学すべき学校の指定をした後で、それを変更するという事例があったか、なかったかということを調べたものでございますが、2,576自治体のうちそういう事例があったものが1,091自治体である。自由については、家庭の事情、いじめ、不登校等が一番多いということでございます。
 中学校について、同じように中学校の指定の変更が行われたケースは1,448自治体のうち688自治体であるということでございまして、やはり変更の自由としては家庭の事情、いじめ、不登校というものが一番多いという状況になっておるわけでございます。以上でございます。
○草刈主査 どうも御説明をいただきましてありがとうございました。
 それでは、こちら側から質問等、あるいはご意見等がありましたらどんど糠がいたいと思います。
 まず簡単な質問ですが、特別非常勤講師制度の説明を戸渡さんからいただきたいんですけれども、この待遇というのはどういうことになるんですか。
○戸渡教職員課長 給与ということですか。
○草刈主査 給料、処遇というか、待遇ですが、つまり他の先生方と同じなのか。それとも、何らかの特別な制度的なものがあるのかということです。
○戸渡教職員課長 これは非常勤講師としての給与という位置づけになるので、常勤の方の給与体系とは違います。非常勤講師手当という形出て合ってが出るということです。
○草刈主査 いわゆるそういうジャンルがあって、それを適用するということになるんですね。その差というのは相当あるんですか。そうでもないですか。ケース・バイ・ケースですか。
○戸渡教職員課長 非常勤講師でもやってこられる方によって、例えば非常に有名な方にきてもらってやっていただくというときには高いレベルの講師手当等を準備している場合も自治体によってはあります。
○草刈主査 それは割りとケース・バイケースということですか。
○戸渡教職員課長 全部が全部一律でないと行かぬということはなくて、自治体の手当によるということでございます。
○草刈主査 それから特別免許の場合ですけれども、これは他の先生方との給与とか処遇の差というのはあるんですか。
○戸渡教職員課長 特別免許状だからどうなるこうなるということは一切ございません。つまり、特別免許状を得た方の知識、経験とか、それまでの経歴をどういう風に評価して最初の給与格付けをするかという部分はあるかと思いますけれども、特別免許状だからどうだということはありません。
○草刈主査 わかりました。要するに、一定の先生の処遇の制度があります。その中のどこかに位置づけるということになるんですね。
 どうぞ、皆さん自由に発言してください。
○福井専門委員 1番の教員として的確性なんですけれども、特に養成段階での適格性の判断と、それから免許付与の段階の適格性判断のそれぞれについて、どういう基準で具体的にどうやって判断しているのかということについて教えて頂けますか。
○戸渡教職員課長 養成段階と授与の段階でと言いますか、免許状の授与要件といたしましては、例えば大学、一種免許状であれば学士号の取得というものが基礎資格としてあるわけです。それプラス所定の単位ということで、いわゆる教職に関する科目なん単位、教科に関する科目なん単位、あるいは教科または教職に関する科目を何単位という指定が法律上ありますので、その課程認定を受けた所定の単位を習得したという証明を出すことによって免許状が授与されるということです。
○福井専門委員 基本的には、学業に関する単位取得なわけですね。
○戸渡教職員課長 そうです。
○福井専門委員 そうすると、学業における単位取得が教員としての適格性とどう関係するのかということですけれども。
○戸渡教職員課長 そこの部分はまさにこちらの資料の3ページ目を見ていただきたいと思います。先程も少し申し上げた部分は教職についての科目ということで、実際に今、大学において免許状を取るために必要な科目として、教職の意義とか教職の役割に関する科目の履修といったようなものを求めているわけです。ですから、そこの中で基本的に教員としての適格性を養成していく上で必要な知識を習得していただくというのが基本的構造になっているわけですが、それ以外にもいろいろな科目を全体を通じて養成していただく。
 したがって、ここの「教職への思考と一体感の形成」という参考図のところにも書いてございますけれども、教員としての役割、あるいはその一体感の形成といった意欲とか適正の考察といったことは、教職課程全体の履修を通じて繰り返し行われる必要がある。
 したがって、その単位習得ということと合わせて、その単位習得についての履修計画指導だとか、教職員についての理解を深めるための指導というものが正規の単位習得という課程以外のところにおいても採用として行われて全体として形成されている。そこを前提として、要件としては単位習得のみを課している形になっているということでございます。
○福井専門委員 この教職課程というのは、要するに教員免許に必要な単位を習得する過程における教職課程ということですか。教員養成学部以外も含めてのことですね。
 そうすると、要するに養成課程における教職課程の学業のプロセスと、結果的に取得する単位の両方だという御趣旨ですね。そこの効果の実際の測定をやられたり、あるいはそういうデータなりはお持ちですか。
○戸渡教職員課長 効果測定とか、実際のデータというものはないです。
○福井専門委員 これについては批判的な見解もよく聞くのです。例えば教員養成学部もそうですが、採用前の教員養成教育とか、あるいは教員免許で要求されている単位習得が実際に教師になってから役に立ったのかどうかということを現職の教師の方などにも我々はお話を伺う機会が多いんですが、全く役に立たなかったとか、立っていないという方が少なからずいらっしゃるものです。そういう見解についてはどう思われますか。
○戸渡教職員課長 どういう方に聞かれたかにもよると思いますが、役に立っていると答えている方もいるわけで、全く役に立たなかったという方は一体どうやって教職としての専門性とか、教科指導の知識というものを身につけられたのかと思いますけれども、それは自分が思っているほど役に立たなかったということなのかもしれないです。
○福井専門委員 多分、悉皆的に調査しないとわからないのです。役に立っていないという人もいるし、役に立ったという人もいるし、またそれはどういう観点、どういう場面によって違うと思うんですけれども、教員養成のあり方なり、免許のあり方を考えるときには、免許が既にいわば一定の形の前提のもとで運用されてきている長い歴史があるわけですから、そういった歴史の中で具体的にどういう効果を誰に対して持っているのか。あるいは、実際に免許を付与された方がその免許を受ける過程で、まさに教職課程と単位認定によってどういう教員としての資質が身についたのかということについて、ある程度統計的手法で持って検定できるような形で調査しないと、なかなか具体的なことは言えないと思うんですけれども、そういうことをやっていただくことはできますか。○戸渡教職員課長 それは、やるということか、こういう過程において身に付けられてきているということで、むしろ身に付いていない人が一部にいることが問題だということは指摘されているわけですけれども、多くの人については、それは身に付いてきちんとその学校教育現場において教育活動が展開できているということですから、本人がどこまでの水準を求めていたかということ以外に、最小限必要とされる資質能力の形成ということについては今のシステムの中で行われているということは大部分で言えると思います。
○福井専門委員 教員としての資質が身に付いたほうが、現場の経験なり、本人の採用後の切磋琢磨によるものなのか、あるいは採用前に受けた教育なり、免許の養成プロセスによるものなのかということについて確かめないといけないわけです。我々が現に聞いている方は、教員としても、あるいは管理職としても功なり名を遂げられた、いわば社会的に見てもが校内評価で見てもかなり立派な方々で、その方々から複数お話を聞いておりますけれども、こういった教員養成システムとか、免許の付与自体に意義があったということについて前向きの評価をする方がほとんどいらっしゃらないものですから、かなり重く我々は受け止めているわけです。
 それについては、一般的にそう思うとか、あるいは身に付いているはずで、身に付いていない人のほうがおかしいというよりは、やはり具体的な検証をしていただかないと、今の養成制度とか免許制度をどう改めるべきかというときに正確な議論ができないと思うのです。これは御検討いただきたいと思います。
○戸渡教職員課長 我々としては、免許制度において最小限必要な資質能力というのは十分身についている。むしろこういおう教員養成課程が必要であるということを聞いているのであって、中にそうでない方がいるところは問題だ。
 それで、先生がお聞きになった功なり名を遂げた方というのは、つまりう養成課程というのは最小限必要な資質能力であって、それが教育活動を展開していく上で十分であるなどということを我々は言っているわけではないんです。教育現場に立って子どもたちと接する上で、子どもたちが被害を受けない最小限必要な資質能力を養成する。それは現職研修の中で、より成長していっていただくということであって、功なり名を遂げた方というのも現職研修の中で、より十分な成果を上げてきている方であって、養成段階だけで十分ではないということは私は言っておられるんだと思います。
○福井専門委員 ですから、他の条件を一定にして調べていただかないとわからないわけです。具体的には、特別非常勤講師制度とか特別免許状制度の別の項目でも随分実績が出ているわけですね。こういう方について言えば、現在の免許制度、通常の免許制度に当たる教育なり、教職課程は受けていないわけですけれども、こういった方々が何か事前にそれを受けていないことによってそうでない方と違った特質なり、あるいは劣った特質を持っているのかどうか。こういうことも調べようと思えば簡単に調べられるわけですね。そういうことを我々は検討していただきたいと思っているわけです。
○戸渡教職員課長 特別免許状を授与される方というのは、その長年の知識、経験、技術の集積等によってそういった知識、技術等を持っておられるということっと、人物が優れていることによって教員として採用するに適しているということを任命権者、授与件者が判断した人に対して授与されているわけですから、特別免許状を持っている方は教員としてやっていくことはできるという方、そういう方も例外的にいる場合に、この免許状授与制度というものがあるということですから、一般的に多くの教員を採用、養成していくときにどういうシステムがより効果的なシステムであり、専門性を身に付けていただけるのかというシステムの設計という点について言えば、大学における教員の養成というものが先進国においても共通して行われている教員養成システムであると。
○福井専門委員 少なくとも我々は日本の教育制度を議論しているわけです。日本に現に行われている養成制度や免許制度の効果測定について、実証的で科学的なものを我々は寡聞にして一度も見聞きしたことがございませんので、それは文科省の責任できちんと調べていただくべきものだと思います。
 次の質問ですが……。
○前川企画課長 ちょっとお待ち下さい。もし今の教員免許制度に意味がないとか、必要がないとおっしゃるのであれば、そちらの理由を挙げていただきたいと思います。
○安念専門委員 全然違います。必要があるかないかを議論するデータがないということなんです。
○前川企画課長 それを福井先生に出していただきたい。
○安念専門委員 そんなことができるわけがないでしょう。それはあなた方の責任ですよ。
○福井専門委員 文科省は教育に責任を持つ中央官庁です。教育について自らやっていることについて論証していただくのはあなた方の責任であって、我々は説明を伺う権利がある。
○前川企画課長 疑問を提示されているのであれば、疑問を提示するだけの理由を出していただかなければ我々は答えられません。
○安念専門委員 エビデンスがないものをはじめから信じるなどというのはばかげたことでしょう。
○福井専門委員 もともと証拠もないことを中央官庁としてやっておられるんだったら、それ自体由々しき事態ですよ。
○前川企画課長 違います。そこに疑問を呈しておられるますね。その疑問の根拠を出してくださいということです。
○安念専門委員 エビデンスがない以上、疑問を呈するのは当たり前で、エビデンスがないんですから。
○福井専門委員 あなた方が証拠がないことをやっておられる事自体を我々は問うているわけです。だから、政策を実現するにはそれに基づく根拠がほしいということです。
○前川企画課長 それだけの疑問を呈するのであれば、その疑問の……。
○安念専門委員 エビデンスがないのに疑問を持たない人がどこにいるんですか。エビデンスがないものに対して疑問を持つのは当たり前でしょう。サイエンティフィックに考えたら当たり前です。
○福井専門委員 施策をやっているのはあなた方です。勘違いしないでいただきたい。
○戸渡教職員課長 それは違うんです。
○前川企画課長 その疑問を持つだけの理由をちゃんと示していただかないとわからないじゃないですか。
○福井専門委員 責任をもってやるのは文科省です。我々はそれが効果があるのか、規制改革に値するのかを見るべき立場です。御自身がちゃんと証拠も持たずにやっておられるんだったら、それ自体を問題視すべきです。
○前川企画課長 不十分な根拠で言いがかりをつけているとしか思えません。
○安念専門委員 エビデンスがないということを私どもは申し上げているんです。
○福井専門委員 そういうヤクザの言葉遣いみたいなことはやめていただきたい。言い掛かりではないですよ。責任をもってやるべき官庁から自らの施策の根拠を示すのは、国民に対しても責務でしょう。
○前川企画課長 それだけの疑問をおっしゃるのであれば……。
○福井専門委員 疑問ではないのです。あなた方がやっていることについて自らの根拠も実証的に示さないでよく政策をやっていられますねと申し上げているのです。
○戸渡教職員課長 実証的な根拠ということであれば、世界各国が大学における教員養成というものが教員を養成していく上で重要であると、それが実証的に行われているわけです。
○福井専門委員 世界各国でも結構です。要するに、免許制度や養成制度のデータや効果をいただきたいということです。
○戸渡教職員課長 ですから、そこが根拠がないではないかとおっしゃるのであれば、こうこうこういう理由、こういうデータが根拠がないことを示しているということをまずお示しいただかないといけないのではないですか。
○福井専門委員 違います。要するに、自らやられる政策について、我々は疑問を言っているわけではなくとにかくやっておられるのにデータも持たずに、効果の測定もせずに、それを正しいと言って、それについて根拠を問われたら、お前たちが示せと開き直るような、そういう中央官庁の職員のあり方そのものを問うているのです。全くおかしいと思います。自らやっていることについて国民にデータについても示せない、あるいは証拠についても示せない。そちらがやれ。そんなばかな官庁はほかで聞いたことがない。恥ずかしいと思っていただきたい。
○前川企画課長 疑問をおっしゃるからには、疑問の根拠をおっしゃってください。
○福井専門委員 疑問ではないのです。あなた方は正しいと思ってやっているんでしょう。
○安念専門委員 効果があるというエビデンスを示してくださいと申し上げているわけです。
○福井専門委員 そうです。自らやっている以上、それは重要で効果があると思っているはずだから、それを示していただきたいということです。
○前川企画課長 それはいかなる制度に対しても同じことが言えます。
○安念専門委員 そんなことはないです。では、あなたは抗がん剤について、ただ単になめたら元気になったと言われて飲みますか。エビデンスを示してやるわけでしょう。教育だって税金を使っているんだからエビデンスを示してください。
○福井専門委員 自分が責任をもってやっていることについてデータを示せない、そちらが示せはないですよ。そんなばかなことを言ってもらっては困ります。文部行政の責任者でしょう。だったら、自らこういう根拠に基づいてやっています、こういう理論がありますということを示すの責務です。
○前川企画課長 現行制度に対して疑問を提示される以上は……。
○福井専門委員 疑問を提示しているのではありません。あなた方が運用していることの根拠を聞いているんです。
○安念専門委員 効果を実証してくださいと言っているんです。
○前川企画課長 では、疑問を持っておられないわけですね。
○安念専門委員 データがない以上、効果があるともないとも言えないから、データを示してくださいと申し上げているわけです。
○福井専門委員 やっている以上は、それが正しいこと、あるいは妥当なことだという前提のもとでやっておられるんでしょう。だったら、その根拠を知りたいということです。
○前川企画課長 現行制度のもとでどういう問題が生じているとお考えなんですか。
○福井専門委員 問題以前に、あなた方が実際に何に基づいてやっているのかということを聞いているわけです。
○前川企画課長 それは何のためにお聞きになっているのですか。
○福井専門委員 詭弁で応答するのはやめていただきたい。我々は効果を検証したいのです。それだけです。
○安念専門委員 効果がないならば止めていただくという提案をするし、効果があるならばますます良くするという提案をさせて頂くだけの話です。
○福井専門委員 次の論点です。時間がないので、こちらの方で進行させていただきます。教員特例法に定められる条件付任用期間ということですが、この1年間の評価と、それから具体的な手続きについて現在どのように行われているの教えていただけますか。
○白石委員 それに関連して追加質問をいいですか。ここの条件付採用期間制度のところで、良好な成績で遂行したときに正式に採用になると書いていただいていますが、この良好な成績を示す何かガイドラインみたいなものはお作りでございますか。今の福井先生のご質問と合わせてお答えいただければと思います。
○前川企画課長 条件付採用期間の問題についてですが、これはひとえにそれぞれの任命権者に委ねられている問題でございます。この法律で書いている以上のことはそれぞれの任命権者の判断でやっていただくということでございますので、私ども任命権者でない立場でああしろこうしろという立場にはないと思います。
○福井専門委員 ああしろこうしろではなくて、今おっしゃったことは実態について把握も一切していないという意味ですか。制度を作ったのは御自身でしょう。その後自身が作った制度がどう運用されているのか、一切承知していなくていいんですか。
○白石委員 それはつくりっ放しということですか。
○前川企画課長 実態はここの数字で示されているとおりです。
○福井専門委員 具体的にどのような手続きでだれが評価をしているんですかということです。
○安念専門委員 あなた方が権限を持っていないのはわかります。ですから、権限者はどういう基準でその権限を行使しているのかということは当然ご存知ですよね。
○前川企画課長 それぞれの都道府県の中でこういう議論をされるんだったら、これは有効な問題だと思います。これはこの各都道府県の教育委員会が任命権を持っているわけでございますから。
○安念専門委員 ですから、私どもは事実をお伺いしたい。つまり、各都道府県がどういう基準でその採用するなり、採用しないなりという基準をつくっておられるのかという事実をどう承知しておられるかということです。皆さんに権限があるかどうかを議論しているのではありません。
○戸渡教職員課長 都道府県の権限でやっているわけですから、都道府県がその中において適切な判断基準でやっているということで、何故それを我々が知って……。
○福井専門委員 具体的にどのような権限講師をしているのか、それが適切かどうかも我々はわからないわけですから、実際に運用されている都道府県の運用は適切かもしれないし、場合によっては適切でないところもあるかもしれない。
 だけど、この制度、まさにこの条件付任用期間制度がきちんと運用されているかどうかを事実として知らないでいて、制度、政策について議論はできないのです。だから、権限がどこにあるのかの問題ではなくて、事実として一体何が行われているのかということについてちゃんと調べていただかないと困ります。
○草刈主査 質問を少し変えますが、今、初等中等教育分科会の教員免許制度ワーキンググループというもので議論されていますね。その中で、いわゆる教員免許の授与の仕組みという中で暫定的な免許という言葉が出てきて、それが一つの考え方として明確に出ているというのはご承知のとおりですが、これと今、御説明いただいた1年のお話との関連というのは同質のものだと考えていいですか。
○戸渡教職員課長 そこは、直接の関連はないと考えていただいたほうが思います。つまり、教員の免許制度の中における暫定免許とか、あるいはその中での一定の勤務というのは非常勤で勤務していても別に構わないわけで、とにかく実践を見て判断しましょうという考え方かどうかということですので。
○草刈主査 ちょっと誤解のないように申し上げておくけれども、お二方の先生方が言っておられることで私もそうなんですが、1年とか、そういう暫定的な経過措置、経過観察を経て、それできちんとそこでその人の適性をもう一度判断をして採否を決めるということについては大変必要なことだと我々も思っているんです。
 でも、問題は誰がそれを判断するのかという判断される方の問題、判定者といえばいいのか、そういう問題があります。それで、任命権者、つまり教育委員会がそれを決めるということ自体、我々としては非常に問題ではないかと思っているということを申し上げておきます。
 というのは、教育委員会というのは今、私の聞いている限りでは、現場の校長先生が個々の人たちを判断して、この人はいいとか悪いとか決めるということに建前はなっています。しかし、さっきの数字にあるように、自分でお辞めになった、あるいは肩たたきの数字がさっきの中に入っているのかどうか知りませんが、とにかくそんなにたくさんおられないということで、数の問題もさることながら、ヒアリングを随分私達がやった結果わかったことですけれども、学校の先生というのは波風を立てたくないということもあるし、自分がもらったものにバッテンをつけるのは非常に嫌だから、できるだけどんどん通してしまう。
 それで、結局教育委員会に上がっていっても、その人たちは現場を知らないから校長先生の言うとおりにしてしまうということになるわけで、そこの判定をするほうがもっとユーザーサイドというか、父兄とか地域とか、あるいは周りの先生方、そういう人たちに多面的な判断をさせるということが非常に大事ではないか。
 例えば、企業でも判定とか評価をするわけですが、普通は上司が評価をします。私は部長のところにネコ鈴評価制度という、下から評価させる制度を作ったのです。ネコに鈴をつけるのは怖いけど守秘義務厳守を条件にやってみたのですけれども、上司の評価とは全然逆の評価をする人がものすごく多いのです。
 つまり、校長先生が判断するということが正しいかどうかというのは極めて疑問があるので、そこのところは今ああだこうだという議論はしませんけれども、我々としてはそこは多面的な評価をするのが一番正しいやり方ではないかと思っておりますということだけちょっと申し上げておきます。
○白石委員 素朴な疑問なのですが、サルにも分かるような説明をしていただきたいのですが、現在の教員養成免許制度の中には一部の不届きな先生もいるんですけれども、教師としての資質を備えた十分なものであるというご判断ですね。
 それで、この条件付採用期間制度というのも半年ないし1年を置いてその人の資質を見極めて正式に教員として採用する。これで十分だとお考えになるのであれば、どうしてそれにプラスオンして免許更新制度とか、さらなる能力向上のための専門職大学院ということが出てくるのでしょうか。どうもいまお出しになっている4つのところのつながりが見えないのですけれども。
○戸渡教職員課長 それは最初に申し上げたとおり、そういうことで基本的の多くの先生について最小限必要な資質能力を形成している。ただ、一部の方について的確性にかけるようなものが少なからずいるということも指摘をされていることは申し上げたとおりです。
○戸渡教職員課長 そういったものがなぜ生じるかというのは、やはり適格性について全体として見る仕組みがないからではないですか。
 それなら、初任者研修という部分、条件付採用期間という部分についても、実際に最小限必要な資質能力というものは身に付けていても、いろいろな学校の現場の実態というのは子どもたちによる。そういう子どもたちと相手をしながら、採用後において実務という形で、実務を通じて確実にその能力の実証を示していけるという人、職務に耐え得る能力に欠けているということは実務に携わって初めて明らかになってくるという方がいるわけです。
 実際に子どもに関わっていくわけですから、子どもの被害者を出さないというためにはあらゆる部分においてそういう適格性をその方については免許という部分もございますし、任用という形でのいろいろな分限制度だとか、そういうものも適切に運用していく必要があるし、1年間の条件付採用期間という中でまずは実務に携わる能力がないと判断されたら退場いただくという制度も必要だと。
○福井専門委員 実際に分限するというものはものすごく大変だから、この1年の条件付任用期間というのはかなり重要な意味を持っているわけです。この中で実際に、まさに今いみじくもおっしゃったように、免許の段階ではわからないけれども、実際に子どもと接してみたらわかるという資質はいっぱいあるわけです。この1年の間に一体誰がどういう手続で評価して、校長先生意外に例えば保護者とか生徒とか、同僚とか、あるいは事務職員とかもいるかもしれない。誰がどういうふうに関わって、条件付任用期間を経てこの人は本採用に値すると判断されているのかについて、具体的なことはもう少し知りたいのです。それは把握していただいた方がいいと思うのです。
○前川企画課長 これは、要するに制度上、分限化されている問題ですので、各公立小中学校の場合、都道府県教育委員会が任命権者でございますが、任命権者である各都道府県の教育委員会が勤務評定について一定の計画をつくる。これもその各都道府県教育委員会にゆだねられていることでございます。
 その中で、保護者や児童生徒の意向といったものをどういう形でくみ取るか。これは私どもが一律にこうしろ、ああしろということではなくて既に制度的に分権化されているものでございますから、各都道府県の教育委員会の判断で適切な仕組みをつくっていただく。これに尽きるわけでございまして、これをやっていただいている結果として正式採用とならなかった教諭の数も増えてきている。
 私どもは、この条件付採用期間というものを活用して、指導力に問題のある教員については適切な措置をとるように、これは一般的な指導はしてきておりますけれども、具体的にああしろこうしろというところまではいっておりません。
○福井専門委員 全く議論がかみ合わないし、むちゃくちゃなことをおっしゃるのでもう一回整理します。
 分権化されているかどうかと、実際にその現場で何が行われているかどうかとは別問題です。しかも、指導云々という以前に、実際に条件付任用期間の制度があって、その制度の所管官庁が文科省であるにも関わらず、分権化したからそこで何が行われていようと知ったことではないと言うに近いような発言は慎んでいただきたい。そんなことを言う役所はどこにもない。分権されているかどうかということと、教育行政の末端で現に何が行われていて、それに対して国民がどのような評価をしているのか。あるいは、規制という観点から見てそれが不適切な発言だと思いますから、やめていただきたい。
○前川企画課長 条件付採用期間の制度というのは非常に有効な制度だと思っております。これは各都道府県教育委員会、各任命権者ごとに効果的に活用すべきものだと思っております。
○福井専門委員 あなたは具体的にその現場をどういうふうに認識しているのですか。どこでどういうふうな運用でやっているのか、1つでもいいから言ってごらんなさい。
○前川企画課長 私どもはその制度の直接的な運用にあたってはおりませんので。
○福井専門委員 だったら、どうして適切に運用されていると断言できるのですか。
○前川企画課長 適切に運用していただきたいと指導していると言っております。
○安念専門委員 でも、あなたはさっき指導しておられないと言ったじゃないですか。
○白石委員 それと、思い出したのですが、前回ディスカッションをさせていただいたときに、今は各都道府県で不適格教員を再教育するときにどれだけ教育が有効であったか、どれくらいの人たちが戻ったかどうかについてデータをお出しいただきたいというふうに前川さんにお願いしたはずなんですが、それも出ていませんね。
○前川企画課長 指導力不足教員の問題ですか。
○白石委員 その話で、どれだけ現場の話がわかっている云々ということで思い出したのですが、現行制度の教育カリキュラム、再教育の制度がどれだけ教師の能力を向上させる再教育をするに値するものかどうかというデータをお出しいただきたいというふうにお願いしていたのですが、それも今日までいただいていません。聞いていただけるというふうにお約束していただいたのですが。
○前川企画課長 各都道府県における指導力不足教員の研修プログラムの内容についてですね。
○白石委員 それと、どれぐらいそれで現場に戻れたかどうか。だめだったものはどれぐらいいるかというデータも出していただきたいというふうにお願いしたのですが。
○前川企画課長 それはサンプリングでよろしいですか。全部ですと60自治体ぐらいございますけれども。
○白石委員 それはおまかせしますが、できるだけ詳細なものをいただきたいというふうにそのときにお約束したのですが。
○前川企画課長 ちょっと記憶に無いんですけれども、申し訳ございません。それでしたら、また改めて用意させていただきます。
○福井専門委員 それから、次は特別免許状なのですが、教育職員検定という都道府県教委が行う検定試験と学識経験者等への意見聴取ですが、これは例えばでいいのですが、具体的にどういう賢帝なり意見聴取の内容であるのかということについて、もう少し詳しく教えて頂けますか。
○戸渡教職員課長 具体的にどういう意見聴取かというのは、その構成メンバーとか、そういう趣旨でございますか。
○福井専門委員 例えばそういうことでもいいですし、それから検定の中身に括弧書きで人物、学力、実務、身体とありますね。それぞれごとにどういう試験問題が出ているのかとか、どういう検定を行ったのかという実績について詳細に知りたいのですが。
○戸渡教職員課長 これは、まさに各免許授与権者のところで人物、学力、実務、身体の4つの観点で行っていただければいいわけで、そこに特定のと言うか、ほかの学識経験者を入れるということで、そこについては学校教育に関し学識経験を有する者の意見を聞くということでやっておりますけれども。
○福井専門委員 もう少し具体的に云うと、検定ではペーパーテストはやるのですか。やるところもあるとか、あるいは一切やってないとか、何か分かっていますか。
○戸渡教職員課長 例えば、論文を書いてもらうとか、実務経験について自分はどういうことをやってきたかというようなことを書いて出してもらうとか、そういうことをやっているところはありますけれども、必ずそれはやらなければいかぬというわけでもないです。
○福井専門委員 もともと採用試験にあるような一般教養試験とか、あるいは何とか教育法に関する知識を問うとか、そういう意味での学力考査はないのですか。
○戸渡教職員課長 そういういことではなくて、これはそもそも制度の趣旨設定ということを踏まえて、人物、学力、実務及び身体ということで、この学力という部分は大学でどういうことを勉強しましたかというようなことを聞いているということではないです。
○福井専門委員 わかりました。それで、実際にこの推薦があって拒否された事例というのは何割とか何%あるとかはわかりますか。
○戸渡教職員課長 具体的に推薦があって拒否されたとか、免許状が出なかったという例は聞いたことはないです。
○福井専門委員 推薦されたものは100%免許が出ているということですか。
○戸渡教職員課長 要するに、採用されるということを前提としてというか、採用される人に出すということですから、そこは実際上、その任用をするほうが任用します、この人を任用したいという場合に特別免許状というのは出されるということが…。
○福井専門委員 これは後ほどでもいいのですが、市立と国公立とか、あるいは小中高別とか、もう少し細かい内訳を後ほど教えていただけますか。
○白石委員 それから、特別非常勤講師制度については期間が何年と決まっているのですか。1年更新なのでしょうか。いろいろなパターンがあるのですか。
 非常勤は1年ですか。それで、更新制度はOKなんですか。3年勤めるとか。
○戸渡教職員課長 同じ方を何年間やってもそれは別に構いませんで、そういう制限というのはないわけですけれども、非常勤講師ですから基本的に1年以内での雇用を繰り返していくということになるかと思います。
○白石委員 最長何年というふうな限定はないわけですね。
○戸渡教職員課長 そういうものはないです。
○白石委員 これは、学校教育の多様化と一言で言うと非常にわかりにくいのですが、学校現場がこうした多彩な人材を求めているということですね。現行の先生たちでこういう内容を教えられなくなってきているということですか。
 それであるならば、1年と散発的にせず、例えば宮大工の棟梁などというのは5年か10年教えていただいてそういう人材を地域で育成するとか、何か現場のニーズと、そこでの散発的な、例えば1年、2年、3年という更新の仕方がどうもニーズとそのシステムとに私は乖離があるような気がしてしようがないのです。学校現場が現有の先生たちで教えられないところを求めているからそれを非常勤講師でと。では、非常勤講師はどれくらい長くそこにいられるのかといったときは、1年で更新していく仕組みなわけでしょう。何のためにこれをやっているのかというゴールが明らかでないですよね。
○戸渡教職員課長 今、先生からご指摘のあったような、例えば宮大工さんにずっと学校教育の中で教えていただきたいということであれば、特別免許状を授与する形で雇用されているという形になるんですね。
 ところが、特別非常勤講師制度ともうしますのは教員免許状等を有していない人、そういう方であってもそのまま直接学校現場で教育に携わることができる。ただ、それは免許状授与主義の例外的な部分になりますので、全領域を教諭という資格でできるということはできなくて、領域の一部等について担当していただくという形になりますので、学校教育において行われる部分をこの特別非常勤の講師の方がある教科について全部担当できるという制度では基本的にないということが前提です。
○白石委員 では、これは学校長の判断でこういう人材がほしいと言って、その時々に思い付きで入れるということですか。
○戸渡教職員課長 思いつきということはないと思いますけれども、それはそこの中での学校教育の展開において、例えば音楽のところについてこの部分は和楽器ということであれば自分たちの学校の近くにいるそれが得意な方に来て指導をしてもらおうということ等ができる。そういう意味で、いろいろな地域におられる人材を活用しやすい制度だということです。
○白石委員 何か狙いがはっきりしないですね。
○安念専門委員 特別非常勤講師制度について伺いたいのですが、これは全教科担当できるのですね。一般の免許を持った、通常のここに書いておられる小学校、中学校、高等学校、特殊教育書学校における全教科だから、算数とか国語というごく普通の教科をごく普通に教えることも可能だという作りにはなっているわけですか。
○戸渡教職員課長 例えば、高校ならば高校の領域の一部を担当するということは可能です。下にも書いてございます通り、国語について言えば劇団の職員の方が朗読という部分をやるときにそこを担当してやられるとか、そういうことは可能ですけれども、どの教科がだめとか、そういう制限はないということです。
○安念専門委員 下の方の主な事例というのは、我々素人の感覚から言うとどちらかと言うと特殊技能っぽい事例が多いのですが、まさにこういうものなのですか。それとも、数的には普通の教科を普通に教えておられる、例えば高校では数学とか日本史とか、そういうものを教えておられるというのはむしろ数的には少ないという御認識でいらっしゃるわけでしょうか。
○戸渡教職員課長 2万件全部を個別具体的にそういうものがないかと言われるとちょっとわかりませんけれども、これは地域の人材で多様な専門分野の方に来てもらうことで、特別に学校教員の持っている知識、技術では大体できないような部分をやはり子どもたちに見せる、接するという機会を与えるということですから、学校の教員ができることについてわざわざ呼んでくるという形には通常はならないわけです。
○福井専門委員 特別免許状の方に戻りますが、さっきお願いした小中高別とか、国公私立別とかの内訳は是非お願いしたいのですが、特に直近年度の16年度については下の主な事例にあるような前職がどういう方であったのかということと、どの科目に採用されたのかということ、それから具体的な検定のやり方ですね。論文を書かせたとか、あるいはこういう考査をやったとか、あるいは学識経験者等への意見聴取で具体的にはこういうことを審査してもらったとか、そういう中身についてもう少し詳細な情報を後ほどいただきたいのですが。
○戸渡教職員課長 県でどうやっているかというのは県が決めているのは人物、学力、実務、身体について判定を行うということと、判定に際して学識経験者等への意見聴取をすることを求めているということだけですので。
○福井専門委員 実際に論文を書かせたとか、論文だけでやったところが何件かあるとか、あるいは論文に加えて例えば何か実技をやったとかですね。
○戸渡教職員課長 それはわからないです。それは任せているので。
○福井専門委員 勿論そんなに細かくなくて結構なのですが、具体的な49名の内訳と、何か検定なり、意見聴取で特記事項があるならば、それについて後ほど教えていただきたいのですけれども。
○戸渡教職員課長 全般的に例として分かるか、あるいは一般的にこういうことが行われているというようなことがどこまで整理できるかということです。
○福井専門委員 可能な範囲で結構ですから、お願いします。
○草刈主査 またもとに戻りますけれども、非常に私は大事な問題だと思っているのですが、いわゆる1年の任期付採用というもので、いただいた条件付採用期間制度というものがその下に表がありますね。この解釈なのですが、不採用と書いてあるところは0、0、0、1、1、4、1と、1万何千人のうちほとんどナッシングですね。別に私は不採用の人が多ければいいなどと言っているわけでは決してなくて、もしもこの0、0、0のからマックス4ということで本当に不採用がこれだけであれば、制度として意味がないと考えざるをえないわけで、不適格者が全然なかったから今ああいう先生の問題というのは起こっていないはずですから、それはあり得ないだろう。
 そうすると、依願退職というものが下にありますけれども、雑に言うとしたらこれをひっくるめた数字がいわゆる制度の網に引っかかった人だと認識をすればいいのか。病気という方がいらっしゃるのでこれは別にして、そういうふうに考えればいいのでしょうか。というのは、さっきから問題というか、こちらから議論をしている判定者の問題というものが私は非常に大事だと思っているのです。それで、任命権者、任命権者とおっしゃるけれども、任命権者というのは非常に偉い人のイメージで、なんでも決められるのだというふうに聞こえるのですが、そうではなくてやはり学校現場でこの人が適当かどうか、あるいは不適当かというものをジャッジする能力を持っている第三者がそれを認定すべきだというふうに先程申し上げました。
 これはこれからもずっと申し上げますが、要するにそういう形を任命権者と称する方が作って、非常に生きた制度運用をされているのかどうかというところが我々としては一番知りたいわけです。
 それで質問に端的に答えていただくとすれば、これは言いにくいところもあると思おいますが、この2つ足したものが実態なのでしょうか。
○前川企画課長 この資料の中に依願退職のうち不採用決定者という欄がございますけれども、これは不採用という決定をした結果、本採用になる時期の前に自ら退職したというケースでございます。ですから、これは依願退職の中に含めてはございますけれども、任命権者の責任で不採用を決定したという数です。
 したがって、この15年度でございますと、不採用の1人に加えて不採用決定者が10人あるということで、11人分の不採用という決定は任命権者がその責任においてやったというデータえございます。
○福井専門委員 残りの87名というのはなんですか。
○草刈主査 肩たたきですか。
○前川企画課長 これは依願退職ですから、自らの判断で退職したということですが、その自由はここからはうかがい知れません。
○福井専門委員 これも皆さんより我々のほうがよく知っているような気もするのだけれども、現場でこういう業務に携わった方の話だと、依願退職を行政指導するというケースがかなりのシェアであると聞いているのですが、この80人くらいというのはそうではないのですか。
○前川企画課長 私どももそう思っております。しかし、具体的な数字はつかんでおりません。
○草刈主査 それはともかく、10プラス1で11でも1万8,000人のうちの11人ですから、ほとんどネグリじブルスモールですね。それで、別に多ければいいというものでも全然ないのですけれども、周りの人が非常に適当な、あるいはそれを評価できる人たちの集団ならば集団が決めた数字であれば、これはこれで私は意味があると思っているのですが、戸渡さんにさっきから質問しているのだけれども、お答えいただけないんですが、要するに任免権者という言葉ではなくて、そこで一番大事なことはさっきあなたがおっしゃったように、学識的なものについては特に問題はない。
 しかしながら、特に小学校、中学校というところの子どもたちを教えるというのは、やはり私たち親が期待しているのは、勉強をちゃんと教えてくれることも大事だけれども、心の通うというか、要するにそういう部分がものすごく大事なわけです。そういう意味でのあるいは使命感とか、指導性とか、そういうものをこの1年間でチェックをして判定をするということですから、校長先生だとしょっちゅういろんな業務で郊外に出ているのだろうから、そんなことはなかなか分からない。
 そうすると、やはり一番近くにいる人たちがそういうものを適格に判断するのは当然だと思うのだが、そこのところの組織づくりがきちんとできているのかどうか。あるいは、そういうことを文科省として指導される気があるのか、ああるいは指導をされているのか。そこのところが我々にとっては非常に大事なポイントだと思っているのですが。
○前川企画課長 条件付採用のところは私どもの初等中等教育企画課の担当なものですから私が答えているわけですが。
○草刈主査 だけど、そんなものはあなたも立場的には同じじゃないのですか。これを見たら極めて常識レベルの話です。私は学者でもなんでもない。ただばかみたいにサラリーマン生活を何十年もやっていると言うだけですから極めて普通の人間として言っているので、あなた方も普通の人間として答えてくださいと申し上げているわけです。
○前川企画課長 主査のおっしゃっていることは非常によく分かるんです。しかし、保護者なり、子どもたちなりの気持ちや意向というものをどう反映させて判断するか。それ自体が自治体に任せられていることなものですから。
○草刈主査 そこがずるいのです。つまり、必要なところは任せてしまって必要でないところコントロールする。その部分は行政指導すべきポイントじゃないのですか。それは非常に疑問です。つまり、こういうふうに全部やりなさいということではなく、1人の校長先生がジャッジするようなことは止めて、例で言うとこういうふうな評価スタイルを作ってそれでやるべしとか、そういうものは当然仕事じゃないのですか。
○前川企画課長 それはコミュニティ・スクールの仕組みが一部分、草刈主査のご意向に添うような仕組みなんです。これは、保護者や住民の代表が参画するような学校運営協議会というものを学校ごとに置いて、この学校運営協議会はその学校運営協議会の名において教職員の人事についても任命権者に対して意見が言える。その任命権者は受け体験を尊重しなければならない。こういう仕組みをビルトインした制度でございますけれども、こういう学校を設置するかどうかということ自体がそれぞれの自治体に任されているという仕組みでござます。
 これはそれぞれの自治体の住民の意向に基づいて、自治体の判断でそういう学校を導入していくかどうかという問題でございます。
○福井専門委員 コミュニティスクールというのはあってもいいのだけれども、1万8,000人とか1万6,000人とか、ものすごい数の人間が毎年毎年採用されて、そのうち100人とか50人とかの人が1年間の試験採用の後、不採用になっているにすぎないわけです。これを多いと見るか、少ないと見るかというのはまさに実証問題で、それについて全くこれも事実を認識されていないから答えようがないのだろうけれども、この数字が本当にこの数字で適切なのかどうかということを我々は知りたいわけです。
 もし適切に評価したとしたら、もっとたくさんの人が不採用になっているはずだという意見が随分ある。我々も、そういう見方については一定の合理性があると思っているわけです。
○前川企画課長 私どももそう思っております。東京都などは毎年の採用のうち2%以上をこういう形で不採用にしておるわけです。それに比べて殆どゼロという県もあるわけでございます。ですから、この制度を活用してほしいということを私どもとしては各県に言っているわけでございます。
○福井専門委員 活用はもちろんした方がいいのだけれども、活用してもらうためには今どういう運用をしているのか。実際にいくら現場に任されていると言っても……。
○前川企画課長 それは各都道府県レベルの問題でありますので、各都道府県レベルでの議論をしていただきたいと思います。
○福井専門委員 それは勘違いだからやめた方がいい。全く間違っている。こういう制度を作るときにどこまで国がやって、どこまで自治体に任せるか、あるいはどういう基準でやるのかということについて、適切かどうかを判断してつくるものです。それをつくられたあとで検証しないなど……。
○前川企画課長 それを有効に活用している都道府県はたくさんあるんです。しかし、それを活用しきれていない都道府県もあります。
○福井専門委員 それを問題にすべきなのです。要するに、制度をつくったらそれが分権しているので先々で勝手にやるのだからといういい加減な言い方はやめた方がいい。ちゃんと制度が動いているかどうかを検証するところまでは国の責務です。それでもし動いていないのならば……。
○前川企画課長 だからこそこういう資料をつくっているわけでありますから。
○福井専門委員 最後まで聞いてください。要するに、動いていないのは何のせいなのか。それをモラルに任せて改善できるのならばそうかもしれない。呼びかけるだけでいいかもしれない。だけど、そうではないかもしれない。さっきから我々も主査も言っているように、制度自体が校長の責任になっているからなかなか実際上はノーと言いにくいのだという実態があるかもしれない。
○前川企画課長 それは各都道府県レベルで議論していただくべき問題です。
○福井専門委員 違います。そういう問題がもし制度に起因するのだったら、制度を考えるのは文科省の責任で、都道府県の問題ではありません。
○前川企画課長 制度は有効に活用されている事例がたくさんあるわけですから。
○福井専門委員 1つ例があるから全部正しいということにはならないです。論理学の初歩です。
○白石委員 依願退職をされた方が107名、多分先程のお話によると不採用の前に依願退職をされるというのは温情的措置も含まれているのだと思いますが、なぜあなたが不採用だったかという情報公開を本人にしているのかどうか。民間企業であれば評価をする評価者訓練とか、評価者研修とか、評価者の評価というような多面的な評価を組み入れているわけですが、現場ではそういうことをやっていらっしゃるのか。この2点についてお聞かせください。
○前川企画課長 条件付き採用の期間を経たあとで本採用するかどうかの問題については、この理由を述べるというオブリゲーションは任命権者がおってはいないと思います。
 しかし、実際にどうしているかということについては私どもでは承知しておりません。
○白石委員 何も分からないで議論をしているわけですね。
○福井専門委員 全く事実に認識もなくて政策をやっているのだから恐れ入るというしかないんですけれども、別の論点にいきましょう。
○白石委員 それでは、とんでもない校長がいて、お前は採用できないと言ったらそれはそれで通っているということですね。
○前川企画課長 そんなことはないです。
○福井専門委員 就学校の指定についてで、これは入学時の指定ということなんですが、転入時についてどうやっているかという事実を教えてもらえますか。
○塩見室長 今回調査しておりますのは入学時のものしかやっておりませんので、途中での転入については調査をしておりません。
○福井専門委員 実態上、入学時にだけ選べて、よその学区から転校してきて途中学年に転入するというときにはもう選べない。入学時にだけ選べて転入時に選べないという自治体が複数存在しているのですが、それについてはなぜか。あるいは、それを適当と思われるかどうかという御見解はありますか。
○前川企画課長 これもひとえに市町村にゆだねられている問題なんです。これは市町村レベルで議論していただくべき問題です。
○福井専門委員 そういう議論の仕方はばかばかしいからやめたらどうですか。おかしいじゃないですか。
○安念専門委員 権限がどこかにあるかを議論しているのではなく、ファクツ・ファインディングをまずしたいと申し上げているのであって、あなた方のところがおよそファクツのファインディングをしておられないというのならばそれはそれでいいです。少しも望ましいことではないが、それはそれで事実だから、それを知りたいのです。権限がどちらにあるか、指導をしているか、そんなことは申し上げていない。ファクツをだれが知っているのかという、そこをまず確認したいのです。
○福井専門委員 要するに、事実について認識していないのですね。どちらですか。転入についてどうなっているのかということは一切文科省として把握していないわけですね。
○前川企画課長 しておりません。
○福井専門委員 それで、調べる気もないわけですね。
○前川企画課長 当面、調べる必要性を感じておりません。
○福井専門委員 それについてどちらであったとしても、文科省としては構わない。入学と転入が違っていてもどうでもいいということですね。
○白石委員 重ねて質問なのですが、今日お出しいただいたのは一時的な分析資料だと思うのですが、現在学校選択をされている地域で、特に自由選択とか、特定地域選択性、選択の仕方はいろいろあると思いますが、これを実施している当該自治体でどういう効果が出てきているのか。また、弊害はどういうところがあるのかというデータは調べていらっしゃいますか。
○塩見室長 データとしては統一的な調査としてはしておりませんけれども、いろいろな自治体からの事例集などをつくっておりまして、その中ではお話を聞いております。
○白石委員 では、1、2分で御紹介いただくと、どういうメリットがあってどういう弊害がございますか。
○塩見室長 よくお話の中に出てきますのは、親が学校を選ぶことになりますので、非常にその学校の教育活動に関心をもつようになるというようなことは言われております。
 ただ、一方で必ずしも自分のおうちがあるところと近い学校に通うというケースばかりではなくなりますので、地域とのつながりが弱くなるということですとか、あるいは通学距離が長くなってしまいますので、通学上の安全の確保というような面についてなかなか難しい点があるのではないかと言ったようなお話は聞いております。
○白石委員 親が関心を持つ云々ということで、親が関心をもつためには学校の情報提供というものがかなり配慮されなければいけないと思います。この現状についてどういうふうにお考えですか
○塩見室長 学校についての情報提供ということでは、学校について情報を提供しなければいけないということでいろいろな形で進めていただいておりまして、特に学校選択制等を実施する場合にはその学校がどんな学校であるかということがわかっていることがまず大前提でございますから、いろいろな形でやっていただいております。
 例えば説明会を開いたりですとか、あるいはホームページでいろいろな情報を出したりですとか、そういうことをやっていただいていると考えております。
○福井専門委員 具体的に地域なり保護者に、こういう情報は少なくとも提供して判断の参考に供しなさい、といったことを国や、あるいは自治体、教育委員会などでリスト化したり、具体的な項目として特定したりということはやっておられますか。
○塩見室長 具体のリストという形ではやっておりません。
 ただ、学校選択制を実施する際には、その手続ですとか、いろいろな仕組みについて事前に定めて公表しなさいということは省令でも規定されておりますので、そういう運用をしていただきたいと思っております。
○福井専門委員 手続きというのは、申請とか、そういう話ですね。むしろ情報開示の部分について何か定めがあるのであれば、それをサンプルでもいいのですが、具体的に知りたいので、お調べいただけますか。
○塩見室長 実際にそれぞれの教育委員会の判断でやっていただいていますので、どういうことについてやっておられるかということを我々で全部承知しているわけではありませんが。
○福井専門委員 全部ではなくて結構ですから、どこか取りやすいところから、情報開示項目はこういうことを定めていますという教育委員会の具体の例を幾つかで結構ですから、後ほどいただけませか。
○白石委員 それから、一般的に言われていることからというような曖昧なおっしゃり方ではなく、データとして文科省さんの担当室長として、現在の学校選択制度についてどういう弊害があってどういう効果があるかということを文章で1週間以内にお出し頂けますでしょうか。
○前川企画課長 ここで済ませてはいけませんか。
○白石委員 だてデータがないのでしょう。
○前川企画課長 これはもともと市町村にゆだねられている問題ですから。
○福井専門委員 その発言をやめていただけませんか。あなたはこの場にいるのに不適格です。
○草刈主査 申し訳ないけど、今日はもうやめます。
○福井専門委員 やめましょう。こんな人を相手にしても仕方がない。
○安念専門委員 ファクツを知りたいと我々は言っているのです。
○草刈主査 要するに、何でもかんでも市町村の問題、現場の市町村の教育委員会の問題、私たちは現場でどういうふうにやってるのか。あるいは、中央官庁としてどういう指導をしているのかということを聞いているわけで、現場の問題ですから私たちは知りません。それだったらこんなことをやる意味は無いのです。
 それd,え今の塩見さんのお話ですけれども、要するに私たちは学校選択制度というものを大いに取り入れることによって、子どもたちがいろいろないい教育を受けるチャンスをたくさん取れると思っているわけです。だから、現場でどういうふうなことを現実に行われているかということが1つです。
 それは欠点もあるでしょう。なんでも制度というのは欠点がないわけはないのだから、欠点はあるでしょうけれども、それを推進していくためにどういうことをお考えですかということを聞いているのです。だけど、これは現場の問題ですから知りませんと言うならば、私達はほとんど議論することはありません。
○福井専門委員 申し訳ないけれども、そんなことを言う人は国の制度にせよ、設計する資格はないです。
○白石委員 ましてや今日の会議は公開されているわけで、議事録は全部公開ですよ。
○福井専門委員 要するに法令を作るということは国が何をやるか、自治体が何をやるか、具体的な分配の計画を含めて設計するということです。設計された後、たまたま分配上権限が自治体に移ったからといって、それが自治体の問題だから国としては何も関与しなくていいということにはなり得ない。そこでもし問題があって、それが制度に起因するのだったら再設計をするというのは国の責務です。こんな簡単なこともわからないような方には制度を語る資格すらないと思う。
○前川企画課長 私どもも最小限のデータは取っているわけでございます。
○福井専門委員 調べる気もないというような姿勢自体に問題があると思われませんか。何れにしろ、これ以上議論しても仕方ない……。
○前川企画課長 学校選択制にはメリットもありますけれども、デメリットもあります。限界もあります。各自治体ごとにそれぞれの地域の問題があります。
○福井専門委員 そういう問題ではないのです。自治体の問題だからどうでもいいということにはならない。
○安念専門委員 あなたはどういうデータデメリットがあるとかデメリットがあるとおっしゃっているのか、その生データを私どもにくださいと申し上げているわけです。
○前川企画課長 それは各自治体ごとにあるわけです。
○福井専門委員 だったら、あなたは言えないじゃないですか。
○安念専門委員 なぜあなたが知っているのですか。
○白石委員 前川さんがおっしゃっていることは、抗がん剤をなめて甘いから聞くとか、そのレベルですよ。
○福井専門委員 中央官庁の責任者がそんな占い師みたいなことを言ってもらっては困るのです。
○安念専門委員 あなたは何かデータがあるから、デメリットがあるとかメリットがあるとおっしゃっているのでしょう。データがなくてそんなことを言うわけはないのだから。
○前川企画課長 ですから、塩見が申し上げたとおり、実施している市町村からの声はございます。実施していないところが何を懸念して、していないのかということもあるわけです。単純に学校選択制を導入すればいいというものではありません。
○安念専門委員 いいとか悪いとかの議論をする前の事実を知りたいと申し上げているのです。あなた方は事実を知らないのだから、当然政策について議論をすることはありえないということでしょう。治験をしていない人が抗がん剤のいいか悪いかを議論するなどということはありえないのだから。
○前川企画課長 いずれにしても、これは市町村にゆだねられている問題なんです。
○安念専門委員 あなた方は知らないでしょう。知らない人が政策論を議論するなどということはありえないでしょうという話をしているのです。それは当然でしょう。
○白石委員 これは職務怠慢以外の何物でもないですね。
○福井専門委員 調べてもいないけれども、これが正しいなどというようなことはおよそ政策論としてありえない。
○安念専門委員 事実を知らない人が政策について議論するなどというのはありえない話です。
○前川企画課長 我々が調べている事実はここに発表しているじゃないですか。
○安念専門委員 こんなくだらないものを事実と思っているのですか。私の試験ならばこんなものは不可です。
○前川企画課長 これをくだらないとおっしゃるんですか。
○安念専門委員 もちろんくだらないです。だって、あなたは何も言っていないし、何の資料も出していないじゃないですか。メリットとデメリットについての資料を私たちにくださいと言っているだけなのです。
○福井専門委員 もうばかばかしいからやめてください。
○草刈主査 他の方には申し訳ないけれども、前川さんの話は全く議論を否定するものだと私は思います。だから、今日は申し訳ありませんけれども、これでやめさせていただきます。それd,え私はしかるべくおたくの官庁の人に話をしに行きます。要するに、私たちは生産的なことを求めて議論をしているわけで、生産性をあげようと思っている話を全部否定するのだったら、そんな議論はしてもしようがないんです。
○前川企画課長 ですから、市町村にゆだねられている問題について……。
○草刈主査 もう結構です
○福井専門委員 発言を打ち切られているのだからだまりなさい。
○前川企画課長 これだけやっても無駄だと。本当に生産性がないということなんです。
○草刈主査 もう結構です。別途、私がおたくの官庁の人とと話をします。どうもご苦労さまでした。

 結局、6時間くらいかかった。写すだけとは言え、6時間で5万字は結構ハードでした。普段はキーを打つよりも遥かに遅い速度で思考してるのでノロノロと入力してるんだけど、久しぶりに入力に集中した。
 教育に関してエビデンスを示せとか無茶振りされて同情できる部分がないでもなかったけど、前川企画課長のポンコツぷりが酷すぎて、寧ろこんなのの相手をしなきゃならない規制改革・民間開放推進会議の方々が気の毒になってきた。

台湾の国籍法

 昨年の10月頃に民進党の総裁選に際して蓮舫二重国籍疑惑が話題になっていた。蓮舫民進党の党首になって、どういうわけか何も説明もせずに収束した。
 最近になって、この話題が再燃しているようだ。聞けば民進党の内部から戸籍謄本を示して説明するべきとの意見が出てるから[1]、そのためかもしれない。それにしても、総裁選前に疑惑ははっきりしており、その上で当選させたというのに支持率が落ちてきたら疑惑を晴らすべきとか、随分勝手だなと思う。
 それはともかくとして、台湾では国籍離脱の手続きの際に有効なパスポートを示さなければならないという噂があった[2]ので調べてみた。

 まずは台湾の國籍法を読んでみた。
 國籍法の条文中にパスポートを意味する「護照」という語は出てこないので、國籍法にパスポートを示さなければならないということは書いていない。
 それで、國籍法の周辺規則にあるのかと調べてみたところ、國籍法施行細則国籍喪失の申請をする際にパスポートが必要な場合がある、というようなことが書いてある。
 第11条と第12条が一緒になっているのでまとめて引用する。

第 11 條 外國人申請歸化,未能依本法第九條第一項規定於期限內提出喪失原有國 籍證明者,至遲應於屆期三十日前檢附已向原屬國申請喪失原有國籍之相 關證明文件申請展延。
第 12 條 依本法第十一條規定申請喪失國籍者,應填具申請書,並檢附下列文件:
一、具有我國國籍之證明。
二、無欠繳稅捐及租稅罰鍰之證明。
三、未成年人附繳其法定代理人同意證明。
四、受輔助宣告者附繳其輔助人同意證明。
五、役齡男子附繳退伍、除役、退役或免服兵役證明。
六、其他相關身分證明文件。
戶政事務所於受理前項申請案時,應同時查明申請喪失國籍者之刑事案件 紀錄及戶籍資料。但未滿十四歲或未曾於國內設有戶籍者,免查刑事案件 紀錄。
第一項第一款所定證明,指下列各款文件之一:
一、戶籍資料。
二、國民身分證。
三、護照。
四、國籍證明書。
五、華僑登記證。
六、華僑身分證明書。但不包括檢附華裔證明文件向僑務委員會申請核發者。
七、父母一方具有我國國籍證明及本人出生證明。
八、歸化國籍許可證書。
九、其他經內政部認定之證明文件。
第一項第六款所定證明文件,指下列各款文件之一:
一、未能檢附戶籍資料者,檢附結婚、認領、收養、監護、輔助宣告或未成年子女權利義務行使負擔之證明文件。
二、依本法第十二條第一款但書規定之僑居國外國民,應另檢附僑居國外身分證明文件。其入出國日期紀錄及遷出國外戶籍資料由內政部代查。

 だいたい次のようなことが書いてある。

 国籍喪失の申請に際して次の書類を同封して提出しなければならない。
1. 中華民国国籍の証明書。
2. 税金を納めている証明。
3. 法定代理人からの同意書。
4. 後見人からの同意書。
5. 兵役に関する証明書。
6. その他の身分証明書。
 戸政事務所はこの申請を受けた時に申請者の犯罪歴を確認しなければならないが、14歳未満は免除される。
 第1項第1款の証明書とは、以下のどれかを示す。
1. 戸籍登録記録。
2. 国民身分証明書。
3. パスポート。
4. 国籍証明書。
5. 華僑登記証。
6. 華僑身分証明書。ただし、華僑総務委員会発行の証明書は含まれない。
7. どちらかの親の中華民国の国籍証明、及び、本人の出生証明。
8. 帰化国籍許可証明書。
9. その他内政部の認める証明書。
 第1項第6款の証明書とは、以下のどれかを示す。
1. 世帯登録謄本を提出することができない者は、婚姻、養子縁組、後見などについての証明書。
2. 第12条第1項の規定にある外国籍の国民のために、出入国証明書、海外移住証明書、海外移住者身分証明書等の身分証明書。

 こんな感じなんだけど、問題となるパスポートは第1項第1款の証明書の1~9の中の3番目にある。1~9の中のどれかかを提出しなければならないということだから、パスポートである必要はないということになる。
 また、この条文には「護照」と書いてあるだけで、「現在有効な」という語は見当たらない。パスポートと言ったら当然有効なものを示すということならそれでよいのだけど、どうなんだろう。
 ともかく、以上の通りパスポートが絶対に必要というわけではないようなので、蓮舫を攻めるための論拠がいくらか崩れるんじゃないかなと思う。
 蓮舫はすでに二重国籍を認めたし、国籍離脱の手続きも済ませたと言ってるので今更という感じがしないでもない。

参考文献
[1]蓮舫氏、戸籍謄本の公開を表明 二重国籍問題, 時事ドットコム
[2]台湾の国籍喪失には「現在有効な」中華民国パスポートが必要(魚拓), 帰化申請ブログ

20091204のニュースの再掲 CO2削減について

 20091204のニュースの再掲です。
 民主党が2009年の衆院選マニフェスト[1]に2020年度までに90年度比で25%の温室効果ガスを削減するとあった話です。なお、この公約は2012年1月に撤回されています[2]
 当時はまだ震災前でCO2を減らすために原発もバリバリ稼働していました。その後、原発恐怖症で原発稼働率はすっかり下がって、代わりに火力発電をフル稼働しているというのが実情です。
 実に身勝手なもので、やっぱり地球温暖化とかどうでもいいんじゃね?
 記事中にあるグラフも、その後の変遷と比較するとなかなか面白いものがあります。
 現在では居た堪れなくなったのか、ページ自体が消されており、本エントリーではInternet Archiveからデータをサルベージしております。

Freitag 4. Dezember 2009.
 民主党環境政策。CO2を90年度比で25%削減するっていう話。
 90年から現在にかけて電力消費量は増えてるっていうのは周知の通りだと思う。
 どんだけ増えてるかっていうと、電気の情報広場というサイトにデータがある。

電力消費量

 この表によると90年が7376億kWh、2007年が10303億kWh。だいたい1.4倍に増えてる。とすると、90年度比25%削減ということは、現在が90年度比140%なので、65/140=46%の削減ということになる。
 だれか、現時点から46%電力消費量を減らして生きていけるって自信もって断言できる人いる?

参考文献
[1]Manifesto マニフェスト 2009
[2]CO2、25%削減撤回へ 政府、現実的な目標提示, 産経新聞(2012)