春よ、来い 演奏解説

 春よ、来いを録音した。J-popはあんまり弾かないけど、全く触らないわけではない。
 楽譜はワンランク上のピアノ・ソロ J-POPバラード名曲ベスト を使った。
 「ワンランク上」のとは言っているもの激ムズというわけではなく、背伸びして頑張ればなんとか弾けるレベルである。

・曲の構造
 それぞれのセクションにintro., AF, F'という記号が付けられている。

前奏:Intro
1番Aメロ:A
1番Bメロ:B
1番サビ:C
間奏:D
2番Aメロ:A
2番Bメロ:B
2番サビ:C
Cメロ/大サビ:E
ラスサビ/リフレイン/後奏:F, F'


・リズム
 全体的にシンコペーションになっている部分が多くてリズムが難しめ。
 ゆっくり弾く分には16分音符を数えながら順番にキーを押していけば正しいタイミングで打鍵できる。しかし、テンポを上げるとズレていく。

 僕の場合、独学で正確にリズムを刻むという練習を疎かにしてきたということもあり安定したテンポとかリズムといったものが苦手である。
 イントロ部分では左手8分音符+右手不規則となっているので、伴走の左手を正確に演奏することを心がけるとどうにかなる。

 Aパートでは左手伴走が不規則+右手主旋律で始まるが、7小節目から右手がシンコペーションとなってリズムを崩しやすくなる。とにかく左手を正しいリズムで弾くのに難儀する。基本はメトロノームに合わせることだけど、歌いながら弾いてみると割と上手くいく。ただ、歌詞を覚えていないので楽譜に書いてある歌詞を読みながら演奏しなければならず、肝心の音符を見落とすことが頻発する。
 もう一つ試みたのが、8分音符(16部音符2つ)をたっぷり取るということ。8分音符を弾くときに堪え性がないのですぐに次の音を押したくなるのだけど、そこをぐっと我慢して自分が必要と思う以上の音価を8分音符に与えて演奏する。これは上手くいって、リズムが乱れることに起因する不自然な感じが消えた。

譜めくり
 全5ページの楽譜なので最低2回譜めくりがいる。繰り返しがあるので、行ったり来たりするところの譜めくりも考えなければならない。
2→3ページ

3ページ目の右手が2分音符分空いているので、3ページ目頭でペダルを踏み変えたらそのまま右手を鍵盤から離して譜めくりする。なので、3ページ目頭は暗譜しておく。
D間奏、3→2ページ

 繰り返し(1)は1番と2番の間の間奏となる。イントロの半分の長さなのだが、また手の空くタイミングが全然ない。(1)に入った最初の小節にしか手の空くタイミングがない。続く4小節を全部暗譜したらいいのだけど、暗譜する気にならない。この部分はイントロとよく似ているのでイントロに共通点はないかと探す。すると全8小節あるイントロの最初の2小節と最後の2小節が同じ音であることに気づく。そんなわけなので、(1)の最初の小節後半の両手が空くタイミングで譜めくりして1,2ページに戻る。
 譜めくりして最初に戻るとイントロが8小節あるが、この最初の2小節と最後の2小節を繋いだものが間奏となる。散漫に演奏しているとそのことを忘れて8小節まるまる演奏してしまったりする。これを防ぐために2小節目の上に「2周目飛ぶ↗」って書き込んで注意喚起している。
4→5ページ

 ここはページが変わる直前意外は割と余裕があるので、前でも後でも譜めくり出来る。前の方が右手の開く時間が半拍だけ長いので、4ページ目の最後で譜めくりした方が良い。

EF

Fの直前1.5小節の溜めの部分。楽譜では全音符+2分休符だったのだが、原曲を聞くと全音符の和音の部分が分散和音で上昇するようになっていたのでその通りに演奏した。譜例に書き込んだ最後の音、加線書くの忘れてる。シ♭が正しい。

F'ラスサビ/リフレイン/後奏
 クライマックスで盛り上がった後、フェードアウトして終わるのが原曲だが、ピアノでフェードアウトというのは難しい。というか、どの楽器でもフェードアウトするような演奏は難しい。ボリュームつまみを回すわけには行かないのだから。幸いこの楽譜はF.O.なんて無茶な指示はないのだが、それでも原曲に即した演奏をしたいものである。
 ここではF'を3回繰り返している。そこで、3回目の演奏でテンポを遅く音を弱くしするようにした。テンポを落とせばそれだけ繊細な表現をしやすくなるので、従って弱音も出しやすくなる。そんな風にしてラストは消え入るように分散和音を入れて終わる。
 F.O.と書いてある楽譜の場合は大体似たような処理をする。最後だけは自分で作らないと行けないので、十分に音量を下げた後になんとかトニカに持っていって終わるようにしている。この部分はF.O.のある曲を録音した際に説明したいところである。

インベンション1番 演奏解説

 インベンション1番を録音した。1番なので普通は最初に弾くのだけど、何となくこれまで弾いてこなかった。好きな曲ばかり弾いてたので、手を出さなかったってだけなのだけど。1番はバッハの曲を勉強する上で学ぶことが沢山あるので、最初にこれをしっかりと勉強しておくと2番以降を弾く際に参考になると思う。
 楽譜は全音版を使った。

速度
 テンポは解説にある通り、四分音符で75bpmくらい。油断するとついつい早くなってしまうのでメトロノームで正しいテンポを体に刻みつけておきたい。

主動機からの展開とか
 これまでインベンションの解説をする際には、よく分からんと言って避けてきた音楽的な話について。とは言っても、僕自身和声を勉強してなくてよく知らないので聞き齧りとなる。例によって難しい話はバッハ インベンションとシンフォニーア 解釈と演奏法に譲る。

 譜例の通り、冒頭から右手の主動機aで始まり、主動機aの対位bが続く。一方、bと同時に左手でaの模倣が始まる。この曲は終始aとb、そしてそれぞれの反行型で曲が展開される。楽譜にa,bを書き込んでいくと、ほぼすべての音がaかbに属することになる。
 フーガでは主題Duxと応答Comesという用語で表現するのだけど、インベンション1番はフーガではなく、またDuxとComesの要件を満たしていないので、動機と模倣という表現をしたい。
 主動機aは上で譜例を挙げた通りだが、これと反行型がある。反行系は以下に示すように進行の上下を逆にしたもの。
 対位bは主動機の対旋律となるのだが、僕は対旋律の書き方というものを知らないので詳しく書くことはできないのだけど、聞こところによると次のようなルールがあってこの条件にあった音を繋げて作る。

 それで、その中で最もきれいに聞こえる旋律を採用するのらしい。ってチャッピーが言ってた。ソースを付けてほしい。
 それはそうと、aからbは次のように作られるというような事が書いてある[1]けど、何が言いたいのかよく分からない。

 以上から、a、aの反行型、b、bの反行型の4種類を示した。この4種類の旋律でこの曲は埋め尽くされている。

曲の構造について
第1展開部 16 A1 2 B3 4 C5 6
第2展開部 714 A7 8 A'9 10 B11 12 C13 14
第3展開部 1522 A15 16 A'17 18 B19 20 C21 22
このような区分となっている。全音版ではそれぞれのセクション(展開部)は//のマークで区切られている。この曲はインベンションの1曲目ということもあり特に細かく書き込みがある。他の曲はこれほど親切には書かれていない。

装飾音
 楽譜に書いてある装飾音をちゃんと表現するに越したことはないのだけど、色んな人の録音を聞けば分かる通り、必ずしも必須というわけではない。技能的に難しい場合は無理に弾いて曲の流れが損なわれるくらいならいっそ省いてもよい[2]

1314小節

 この部分が一番弾きにくい。
 両手とも1-4指で2度を掴むポイントが多い。2度という距離は1-4指で掴むにはだいぶ狭いので、隣のキーということを意識しないとついつい離れたキーを触ってしまってミスタッチになる。ここでは当該部分に☆を書いて注意喚起するようにした。
 ※14右手3拍目。Gisを1指で取るとき鍵盤の奥の方にポジション移動する。次のFは白鍵手前の広い部分を打鍵したいので、Gisを打鍵したら直ちに手前にポジション移動しないといけない。

参考文献
[1]市田儀一郎, バッハ インベンションとシンフォニーア 解釈と演奏法
[2]市田儀一郎, インヴェンションとシンフォニア

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久遠の別れ

 原神の久遠の別れを録音した。
 楽譜はネット上に転がってたのだけど、音域が広いのに音部記号を変えずに書いているため非常に読みにくくて低きにならなかったので読みやすいように書き直した。
 原神は遊んでないのでどういう状況の曲なのか全然知らない。背景を全然知らずに弾くのは不誠実かなって思ってプレイ動画を確認した。


1:28:20から
 ゲーム実況見てるとゲームやりたくなるから困る。ゲームやってる時間ないのよ。

 テンポが緩い割には意外に弾きにくい曲である。それは音域が広いことと、ハ長調で臨時記号がまったくないことによる。音域の広いハ長調の曲というとショパンの練習曲Op.10-1だけど、同じ方向性の難しさがある。白鍵ばかりなので、すぐに隣のキーを触ってしまう。音域の広さは、跳躍距離が長いほどミスタッチしやすい。10-1の時は暗譜していたので、どのキーを叩くのか目で見て確認しながら弾いていたけど、最近はできるだけ手元を見ずに楽譜を見て弾くように努めており、手元を見ずに弾くのは難しかった。
 演奏技術的には上記意外の難しさはないので、暗譜してしまえば特に苦労なく弾けるはず。
 実際のところ、ダラダラ練習しててもノーミスで弾けるようにならなかったので集中して練習して何となく弾けるようにした。ミスタッチしやすい部分を暗譜したら、普通に弾けた。

Merry Christmas Mr.Lawrence

 リクエスト曲のMerry Christmas Mr.Lawrenceを録音した。
 戦場のメリークリスマスの曲なんだけど、この映画を見たことがなくて状況がよく分からない。曲自体は有名なので知っているのと、なぜか楽譜を持っていた。
 楽譜は全音から出ているAvecPianoを使った。
 そんなに難しい曲ではないので書くこともそんなにない。

・変イ長調
 フラット5個は割と弾きやすい。跳躍先が白鍵と黒鍵では弾きやすさが極端に違う。黒鍵はテキトーに叩いても命中するが、白鍵をテキトーに叩くと隣のキーを触ってしまうため。毎回この説明するのだけど、理解できない人によく出会う。

・曲の構造
 ページとセクションが大体一致しているのでページ数で示した方が分かりやすいかもしれない。
 1ページ目が長い前奏となっており、2パージ目からAndanteの主題が始まる。主題は8小節で構成されており、変奏曲の形で徐々に派手になって繰り返される。4ページ目でテーマが一新して同音連打になるが、次の8小節で元の主題と統合した変奏となる。最後8小節はmeno mosoでテンポを落としてコーダとなる。
 変奏曲形式として分かりやすい構造をしている。

・譜めくり
 5ページの曲なので、譜めくりは2回。どちらも譜めくりしやすい位置でページが終わるようになっている。
1-2ページ目
 
 前半左手で2分音符で譜めくりする。この小節と2ページ目最初の小節は暗譜しておく。
3-4ページ目
 
 3ページ目最後は左手が2分音符2回なうえ、poco rit.が付いているのですごく余裕がある。ただし、4小節最初の和音は覚えておいた方が良い。

65-72小節
 
 4ページ目の最初の8小節。同音連打が始まる。
 各小節最初の音にアクセントが付いてる。最初の音の残響の中で続く音を連打するというイメージだが、この8小節はほとんどペダルを踏まずに演奏した。従って、残響の中で弾くという演奏にはならない。ただし、ダブルエスケープメントを使ってダンパーが落ちないように弾くのはアリだと思うが、そんな難しいことをするくらいならソステヌートペダルを使ってダンパーを上げたままにする。アクセントはその音を主張するというような意味だけど、強く打鍵する以外にも音価を長く取るというアクセントの付け方もあり、この方法ではソステヌートペダルを踏みやすい。

・コーダ
 
 左手はずっとGesのトレモロなのだが、テキトーに1と5指を交互に打鍵するのではなくちゃんと32分音符で弾く。そのためには、ちゃんと拍を数えながらトレモロを弾いて、右手を正しいリズムで差し込まなければならない。

ブルクミュラー 朝の鐘

 ブルクミュラー18の練習曲より9番「朝の鐘」を録音した。
 この曲は、昔見てたピアノ講師のサイトでトップページでMIDIが鳴るという仕組みになってていつか弾きたいなって思ってた。そんな難しい曲でもないのでさっさと弾けよって感じだけど、弾かずに放置していた。
 あまり説明するようなこともないけど、一応解説。
 楽譜は全音版を使った。

・曲の構造
 ABAコーダとなっている。

A 1-8
B 9-24
A 17-25
コーダ 24-37


・A 1-8小節

 近頃はできるだけ手元を見ずに弾くように練習しているのだけど、この部分は1小節に1回、左手が右手を越えて高音のキーを押して戻ってくるので手元を見ないとキーの位置が分からない。最初から手元を見て弾く前提で練習を始めた。視線を楽譜と手元の間で行き来するのが面倒だし、どこを弾いてるかわからなくなるので暗譜して手元だけを見て弾いた。
 4声で進行するので、各声部で一貫した強弱を付ける。

・B 9-24小節

 20小節に16分音符のパッセージが始まるまで大体楽譜を見る。時々手元を見るけど、手元を見るポイントには※を書き込んで楽譜を読んでる最中に手元を見るって分かるようにしてる。9-16小節の左手は拍頭ベース+コード連打となっている。ベースが遠い時は音を外しやすいが、黒鍵であればテキトーにそれっぽい場所を叩くと大体命中するので手元を見る必要があるのは白鍵の時だけとなる。

14-17小節

 14-16でクレッシェンドとアッチェレランド(テンポを上げ)、17でフォルテシモとなる。"ff possibile"とあるので、ここで「可能な限り強く」弾くということ。ただし、あくまでブルクミュラー基準の強さなので、リストとかラフマニノフとかで鳴らす轟音ではない。
 Bパートは21小節までペダルを踏むようになっているけど、15-16はベースを保持して弾けるのでペダルは離して弾いている。

21-24小節

 Aに戻る直前の盛り上がるパッセージなのでついついテンポを早くしがちだけど、速度は上げずpoco riten.とあるので、むしろテンポを落とす。
 21-22はある程度暗譜していたけど、いまいち暗譜が曖昧ですぐに忘れてしまうので楽譜を見て弾いた。
22右手2拍目後半のDes→Fの跳躍は距離が長いので外しやすい。左手のFのキーと同じ位置なので、左手を離鍵した後にFのキーの上に指を残しておいて跳躍の目印とする。

・コーダ 32-37小節

 Aの流れでそのままコーダに入る。

35-37小節

 楽譜の運指だと弾きにくかったのでテキトーに弾きやすい運指に書き換えて演奏した。