チェルニー30番3 演奏解説

 チェルニー30番の3番を録音、公開した。チェルニー30番なんて公開してもしょうがないなあと思っていたのだけど、指定のテンポで演奏することが出来たので公開した。
 テンポについて、先日チェルニーは人類の限界付近を指定のテンポとしているとか書いた。1番、2番についてはそれで間違っていないのだけど、3番4番はそうでもないということが改めて演奏時間を計算してみたら分かった。
 3番の演奏時間は2分音符=72、4分の4、24小節、繰り返しありなので、24小節×2×4拍/(2×72bpm)×60s/m=80秒となる。僕の演奏が66秒なのでかなり速く弾いてしまったということになる。ちなみに田村宏の録音が85秒と指定テンポとほぼピッタリとなっている。
 どうしてこんなに速くなってしまったかというと、メトロノームが馬鹿になってたというだけで、メトロノームの速度に合わせたらこんな風になってしまったという。正しいテンポに気づいていればもっと楽に弾けたのに。今回はテンポをがかなり遅くに設定してある曲だから気づかずに乗り越えたのだけど、次からはちゃんと気をつける。というか、今度チェルニー30番全曲の指定演奏時間を計算して市販の録音と比較てみようと思う。

 指定のテンポで演奏できたということで一応演奏解説をしておこうと思う。
 楽譜は全音版を使う。ブックオフで150円で買った楽譜なので汚い部分がある。ピアノの先生は楽譜に雑に書き込むのをやめて欲しい。
 基本的に演奏する上で特に注意するべきことは楽譜の解説に書いてあるので、その部分は割愛しもっと瑣末なメカニカルな部分を始め低レベルな解説をする。
 この曲を演奏する上での障碍は4指が自由に動かないこと。4指が動かないという課題はこの曲に限らず、どこまで上手くなっても付き纏う問題である。人間の手の薬指が動きづらいのは人間の体がそうなっているのであって、訓練である程度は動かせるようになるが完全に自由になるのは無理だと考えたほう良い。無茶するとシューマンみたいに手を壊す可能性もあるので、指にあまりひどいストレスをかけ続けないように練習するのがいいんじゃないかな。付点リズムにして練習するのは効果的だと思う。この辺りの指が動かない話はしょぼいデザイン論に通じるものがあるんじゃないかと思ったりする。

2~3小節

 ☆2小節目右手最後。Eを5指でとるが、この直後、3小節目の第2音で同じ音を4指で取ることを覚えておくこと。段が変わるので指番号の認識が遅れて正しい指使いで弾けなくなることがよくある。

8~1小節

 ※8小節目から繰り返しで1小節目に移るところ。2~3小節と同様、8小節目最後のDを3指で取るが、この直後、繰り返した先1小節目第2音で同じ音を4指で取ることを覚えておくこと。

8~9小節

 8小節目左手。9小節最初と同じ音だけど指使いが違う。この音を24で取ってスタッカートで短く切ったらすぐに35指に置き換えて次の音の準備をすること。

10~13小節

 *クレッシェンドして音量が大きくなってくると4指の力不足が露骨に耳に聞こえてくるが、この曲はテンポが遅く、4指を上げて振り下ろすだけの時間的余裕があるため、なんとかなってしまう。ただ、あまりやり過ぎて指を傷めないよう注意すること。

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