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チェルニー30番15 演奏解説

演奏解説 音楽

 チェルニー30番15を録音したので解説する。
 いつも通り、楽譜は全音版を使う。例によって、演奏する上で特に注意するべきことは楽譜の解説に書いてあるので、その部分は割愛し、もっと瑣末なメカニカルな部分を始め低レベルな解説をする。
 できるだけ手元を見ずに弾こうとしたため結構時間がかかってしまったけど、手元を見て弾くならもう少し短時間で弾けると思う。
 15番は分散和音の練習ということで、跳躍を伴う指くぐりとポジション移動が主な課題となる。
 以前、ベートーベンの32の変奏曲を弾こうとした時にいきなり第1変奏からやたらと弾きづらいと感じが事があるのだけど、結局、こういった練習をこれまで避けてきた所為で身についていないというだけだと理解した。

 テンポは4分音符で80bpmということで、意外とゆっくりである。チェルニーの速い曲は尋常ではない速度を要求するけど、この曲は大体想像通りの速度で安心できる。

演奏法について
 椅子が高いほうが弾きやすい。椅子が低いと1指で発見を押す時に横から押すことになり指とキーとの接触面積が大きくなるため勢い隣のキーに触ってしまう。そんなことを言ったって、曲によって椅子の高さを変えるのは邪道である。できるだけ手前を押すことで接触面積を小さくしてミスタッチを減らす。
 座る位置は真ん中よりも右が良い。この曲では13小節左手が最も難しいので少しでもこの部分を弾きやすくするために右に座る。
 手の位置によって体の位置・重心を移動させることで弾きやすくなるし手の疲労軽減にも寄与する。ポジション移動を要さない分散和音であっても押すキーの方に重心を移動させたほうが疲労が小さくなってよい。
 手前に引っ掻く奏法を以前紹介したことがあるけど、この奏法は黒鍵には適さない。引っ掻いたときの勢いで手前の発見を押してしまうためである。そんなわけで、黒鍵から離鍵するときは指をキーからまっすぐ上げることになる。
 手元を見ずに弾こうとする際には、鍵盤上で自分の手がどこにあり、同動いているのかを頭のなかに具体的にイメージしておくこと。正確にイメージできるほどタッチも正確になる。うまくイメージできない時は目をつむって視覚情報を断つことは効果的である。また、音符に指番号や跳躍の際の距離を書き込んだりすることで、手元を見ずに演奏する助けになる。

練習法について
 まずは8小節まで手元を見ずに弾けるようにする。ポジション移動の度に止まって視線を移動させるのは効率が悪い。手元を見ずに弾くことは譜読み時間短縮には効果的である。暗譜して手元ばかりを見て弾けば難易度は激減するのでそれでも良いのだけど、暗譜するまでは楽譜を見ながら弾いたほうが良い。
 最初の8小節が弾けるようになったら次は9~16小節という具合に指を馴らしていくとよい。

5~6小節

 ◎5小節右手。こういう変な手の形の部分は弾きづらく、音の粒が揃わない。そういう場合はリズム変装をすると手が馴れてくる。4指が弱くて歪に聞こえる場合は5指のアクセントをより強調して4指の存在感を薄めて誤魔化すこともできる。
 ☆左手、5小節後半のHと6小節初めのHが1オクターブ開いているので、この距離を手がかりにして6小節初めの和音を押さえる。

7小節左手

 ※最初の和音はHを手がかりにして掴む。このHは6小節のHの1オクターブ上であることを大体の位置の目安としておく。テキトーにこの辺りを目指して2指を準備すると、黒鍵と黒鍵の間のH,Cのどちらかの上に指を置くことができる。この2音のうちの左側が目的とするキーなので、指がその左にある黒鍵の側面に触れる位置がHである。Hが分かれば残りの2音はその位置関係から把握できる。

10,12~15小節など

 ✡2オクターブに渡って分散和音を行き来する。左手が体の中心よりも右側に来ると弾きづらくなるので、高音を弾く際には体を右に傾けて弾きやすい位置取りを確保する。

10~20小節
 ●分散和音のポジション移動に気を取られて1指の打鍵が疎かになりやすい。確実に打鍵すること。

16小節から17小節頭

 ■デクレッシェンドでフォルテ相当まで音を弱めるようにみえるが、そうではなく、16小節で十分音を弱めた後、17小節で一新してフォルテにする。この部分、わずかにテンポを遅らせても良いと思う。それで17小節に入ったらすぐにテンポを戻す。

18~20小節
 ☆指くぐり、指またぎについて。Iの分散和音のとき(18,20小節)は右手が、IVの分散和音のとき(19小節)のといは左手が、それぞれ4度の跳躍となり難所である。

21~22小節

 ✡アクセントを表現するにはただその音を強く弾くというだけでなく、少し長く音価を取るとか、保持するとかいうやり方もある。この部分で保持するとものすごいアクセントになる。
 ※21小節から1拍ごとに半音ずつ下がっていくと見せかけて、22小節後半ではそれまでの傾向とは離れる。

23小節

 左手、このHは奥の方を押さなければならない都合上、キーが狭くて外しやすい。パッセージの最後でなおかつポジション移動を伴うのでキーの位置を探っている余裕もないのでいっそ手元を見てしまった方が良いかもしれない。
 ▲右手、4指でGisを弾く時に3指が下がってきてFisを押してしまう。4指の動きに引っ張られて3指が降りてこないようにしっかりと指を上げておくこと。
 ■右手、一番上のH。5指が思うように動かず、タイミングが遅れる。打鍵のタイミングに合わせて腕ごと下げてタイミングを無理やり合わせるという力尽くな弾き方もできる。指が動かないならば腕お動かせばよい。しかし、きれいな動きで弾きたい。この後に繋がる下降スケールのことは一度忘れて、取り敢えず最高音まで淀みなく弾く練習をすると良い。勿論リズム変奏で弾けるように練習するのもよい。

27~28、31~32小節

 ●右手、一番上の音までしっかりとキーを押し下げること。次の音の準備をしたいがために急いで跳躍しようとして打鍵が浅く、音が出なかったなんていうことのないように。
 ◎28小節右手後半H-Disは1-4で取るには距離が近く外しやすい。どうせこのあたりは手元を見ているのでDisを特に注意して見るとよい。

36小節

 ○右手、最後のGE.力を抜いて弾こうとすると、緩んだ3,4指が打鍵の勢いで下がってきて避けなキーを押してしまう。指が不必要な動きをしないように手全体を緊張させておく。
 命中率が下がるので、勢いよく振り下ろそうとして手を上げないこと。

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