ブルクミュラー25の練習曲より、21番天使の合唱。
左右の手でアルペジオを受け渡すのと、音楽の美しさを引き出すことが課題。後者はかなり抽象的だけど、具体的に何をしたら美しい音になるかというと、粒の揃った音と安定したリズムとなる。粒の揃った音というのは、個々の音について打鍵と離鍵のタイミング、音の強さ、これらにムラがないこと。なお、この曲はペダルをガンガン踏むので離鍵のタイミングはあまり気にしなくても問題なく弾けてしまう。指くぐりがなく、テンポもそれほど速くないので、かなり優しく感じる。
"armonioso"は「和声的に」とか言う意味。英語で言うところのharmonyに近い言葉だと思う。和声的にとか言われても、そんなの作曲者の仕事なんだから、演奏者がどうこうできるモンじゃないだろって思うのだが、最大限譲歩してペダルを踏み変えるタイミングとかの話になってくるのかな。
ペダルは、楽譜に指示がある場合はそれに従うだけでもよいのだけど、とりあえず和音として音が濁らないようにする。分散和音になっているが、コードの変わるところで踏み変えるのは当然として、分散和音の往復を一つの和音と捉えてその変わり目で踏み変えるとかになる。
最終的には自分の耳で聞いて良いと思うタイミングで踏んだら良い。あまり難しい作りの曲ではないから。
5~7小節
右手と左手それぞれDで始まるけど、2音目は左手がF→G→Aと上がっていくに対して、右手はA→G→Fと逆向きの音をたどっていく。
この右手と左手で逆の動きをするのは、13~16も同様で。Hを中心にして左手ベースの音と右手第1音が対称の動きをする。
9~10小節
この2小節はe:Iを分散した形なので、暗譜して手元を見るのが早い。
25~29小節
譜例は26~28小節。
これまでペダルで保持していたのをフィンガーペダルで保持する形になっている。2拍目からペダルを離すと、右手高音部は保持されないのでこれまでと違った響きとなる。この場合、これまで閑却していた右手の離鍵を正確に行わないと折角の変化が台無しになる。
29~32小節
29で"dimin. e poco riten."「徐々に弱く、かつ直ちに少しだけゆっくり」で速度を落とし、30~31の間で"Più lento"とあるので、ここで更に遅くして、ゆっくり静かに終わる。
30左手Eに括弧付きでナチュラルがついている。古い楽譜だとここがフラットになっているものがある[1]ので、敢えて示しているのかもしれない。
参考文献
[1]ピアノ指導講座 2 ブルグミュラー 25・18・12練習曲, 田村宏/千蔵八郎, 日音楽譜出版社
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