ブルクミュラー25の練習曲 24.つばめ

 ブルクミュラー25の練習曲より、24つばめ。
 楽譜は例によって全音を使う。
 ブルクミュラー25は先に進むほど難しくなる編成になっているけど、人によって難しさの感じ方はマチマチで、この曲が一番難しいと感じる人が結構多いらしい。僕には25番の乗馬の方が難しかった。
 右手の強迫が休符になっているのは18番「気がかり」と同じタイプだけど、こちらのほうが弾きやすい感じがする。休符と言いつつも左手で旋律を補う形で埋めているので、音を途切れさせることがないため、正しい音価を迷うことがないためだと思う。
 左手で右手を越える動きの練習。チェルニー30番の27は両手とも交差する動きをするが、こちらは左だけ。これまでできるだけ手元を見ないように演奏できるよう色々工夫してきたけど、交差した先のキーを見ずに弾くのは難しいけど決して不可能ではない。右手の上の音から3度くらいの距離であれば、大体の位置に目星をつけておいて黒鍵の凹凸を手探りでキーを特定することができる。交差した左手を元のポジションに戻るときは、右手からかなり距離のあるキーを押さなければならないので、こちらは手元を見るしかない。
 殆ど分散和音で構成されているのでコードを覚えたら弾きやすいかなと思って、コードを書き出したりしてみたけど、特に役に立った感じはしない。普段からコードも調性も全然気にしてないから突然使おうとしても上手くいくわけがない。なお、東音企画の楽譜にはコードが書いてあるからコードを読んで弾くのが得意な方にはオススメかも知れない。

譜読みをしながら
・曲の特徴、構造を覚える。
 1256が同じとか、16h mollに転調した後、1721のベースが全部hだとかが分かると譜読みが楽になる。
 右手は音域が狭いから覚えやすい。
 譜読みが進んでくると同時に暗譜もできてくる。暗譜ができた部分でも手元ばかり見てないで、ちゃんと楽譜を見ること。それで、楽譜の少し先を確認しながら弾けるとなお良い。
 ゆっくり止まらずに弾けるようになったら速度を上げていく。

・左手が右手をまたいだ先で

 16分音符のスタッカートの場合と4分音符でスラーが付いている場合とある。これは大切なので、ちゃんと表現すること。

・謎のナチュラ

 ト長調に転調したところの左手Aにナチュラルが書かれている。どう考えても不要なナチュラル。一つ前の小節で臨時に符号が付いている場合に敢えてナチュラルを付けることもあるが、Aには2小節前にシャープが付いてるけど、オクターブ違うしこんなのに一々ナチュラルつけていたら楽譜が騒がしくて読んでられなくなる。
 何か意味があってのナチュラルかと思ったが、これは多分表記ミス。楽譜によっては、不必要であることに気づいて消している。楽譜を編集している方に僕より音楽知識の疎い方はいないと思うので、これをもって不要であろうと判断した。
 ちなみに、フランス初版、ドイツ初版共にこの部分にナチュラルが付いているので、それに従って今の楽譜もナチュラルをつけていると思われる。
 フランス→ドイツの順で出版しているが、仕上がった楽譜を確認しなかったのか、あるいは細かくチェックしていなかったのかもしれない。とにかく、ミスを見逃したまま出版して今に至るというわけである。

2930小節

 右手で弾く部分は符幹を上に、左で弾く部分は下にする表記をしている。
右手の16分音符にスラーが付いているが、その後の左手16分音符にはスラーは繋がっていない。しかし、左手16分音符はスタッカートで途切れていることからも、その所属は明らかに直前の右手16分音符であり、右手3音+左手1音というフレーズと見做すべきである。さらに、左手のスタッカートが拍頭に位置するので、これがアクセントとなる。
 この左手の16分音符は直後に同じ音で右手で打鍵するので、すぐに離鍵しなければならない。同音連打が出てくると毎回説明しているのだが、打鍵したときと逆の動きで指を上に上げるのではなく、打鍵後指をキーの上から手前に滑らせてキーの上から指をどけるという動きで離鍵すると、最大速度でキーは元に戻り次の音を弾きやすくなる。

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