テキストファイルをUTF-8で作成する

 このブログを書く時はテキストファイルで書いたものを貼り付けている。
 それで、テキストファイルの編集ソフト(テキストエディタ)なんだけど、メモ帳αというソフトを使っている。だいぶ前はWindows付属のメモ帳を使っていたのだけど、ファイルを保存するときにウィンドウの右端部分で勝手に改行するという不具合をMicrosoftが修正する気がないようなので色々と検討した結果、メモ帳αを使うことになった。
 以前、メモ帳αの起動がやけに遅くなる事があって、その時はTeraPadを使っていたのだけど、いつの間にかメモ帳αの起動がそれほど遅くなくなったのでシンプルで使い慣れたメモ帳αにまた戻した。なお、現時点でも起動には若干時間がかかる。
 メモ帳であれば、第3・4水準漢字とか、特殊な記号とかを使ったときにメモ帳であればファイルを保存するときに次のようなエラーが出る

 このファイルはANSIテキストファイルとして保存すると失われてしまうUnicode形式の文字を含んでいます。Unicodeの情報を保存するには、下の[キャンセル]をクリックし、[文字コード]から[Unicode]を選択してください。続行しますか?

 UTF-8を選択すればよいのだけど、メモ帳αだとそういった親切な提言はなく、規格外の文字は削除されてしまう。使っているこちら側には何が良くて何が駄目なのか分からないので非常に困る。恐らく、過去の記事で知らないうちに消されてしまった文字がたくさんあるんだろうけど、怖くて調べられない。見つけたらそのときに直していこうと思う。
 そんなわけで、最初からUTF-8のフォーマットでテキストファイルを作るように出来ないかなと調べてみた。
 マイナビニュースでそんなやり方が説明されていた(魚拓)。有り難い。
 やり方は次の通り。

1.メモ帳を起動し、文字コードUTF-8に変更してから「%APPDATA%\Microsoft\Windows\Templates\NewText.txt」として保存。
2.管理者権限で「regedit」を実行。
3.レジストリエディターが起動したら、HKEY_CLASSES_ROOT \ .txt \ ShellNewキーを開く。
4.文字列値「NullFile」を削除する。
5.新規作成で文字列値を選択肢、「FileName」に値名を変更、値のデータを「NewText.txt」に変更する。
6.[F5]キーを押してから、レジストリエディターを終了する。

 マイナビニュースではWindows7で説明していたけど、Windows8.1でも同様にできた。それと、どういうわけかUTF-8の空テキストファイルを作るのに何回か失敗した。UTF-8で保存しようとしてもShift-JIS(自動判別)に戻されてしまった。何回かいろいろ試したら出来たのでそれで良しとしている。
 UTF-8だと当然ファイルサイズは大きくなるけど、思ったほどは大きくならなかった。1.2倍くらいでしかない。

 なお、Windows10ではMicrosoftがなんかやる気を出したそうで、右端で改行される問題が解決したらしい。メモ帳に戻ろうかな。

チェルニー30番16 演奏解説

 チェルニー30番16を録音したので解説する。
 いつも通り、楽譜は全音版を使う。例によって、演奏する上で特に注意するべきことは楽譜の解説に書いてあるので、その部分は割愛し、もっと瑣末なメカニカルな部分を始め低レベルな解説をする。まともな解説はピティナが行っているのでそちらを参照されたし。

 この曲についてはリストの超絶技巧練習曲8番との類似性を指摘しておきたい。

 こんな感じでよく似ている。難易度はぜんぜん違うけど。
 チェルニーが先でリストが参考にしたと思われそうだが、チェルニー30番は1856年出版。超絶技巧練習曲3版は1852年出版だが、超絶技巧練習曲2版は1837年の出版でこちらも譜例と同様なのでリストのほうが遥かに先に出している。現在、2版の楽譜は友人に貸出中で譜例を示せないのが残念である。
 チェルニーとリストは師弟関係なのでお互いの曲は何かしら意識していて当然なので超絶技巧練習曲がチェルニーに影響を与えていておかしくはない。

 チェルニー30番を始めたきっかけが出来るだけ手元を見ずに楽譜を見ながらピアノを弾けるようになろうという試みだったのだけど、この16番にいたては跳躍が多すぎて手元を見ずに弾ける気がしなかったので、最初から暗譜するつもりで割り切って練習したので、とりわけ苦労もなく譜読みというか暗譜終了。
 暗譜してしまえばそんな難しい部分のある曲でもないのですぐに録音して終われるだろうと思っていたのだけど、指定のテンポで合わせてみたら結構速くて結局それなりに難儀した。

 この曲は5音からなるスケールとスタッカートの和音が特徴である。ゆっくり弾く分には全く問題は生じないのだけど、速度を出すとこの2点のどちらも演奏上の障害となる。次にそれぞれ説明を試みる。

・スケール
 この速度でffで弾こうとするとかなり力を込めないと弱い指ではキーを最後まで押し込めずに音を出しそびれてしまう。指先で手前に引っ掻くようにすると理想的な音が出せるが難しい。人間の手は均質な指の付き方をしていないためである。
 すると、普通にキーを押し下げて打鍵し、指を上げて離鍵するとか、手をローリングして弾くとかすることになる。本来、脱力と指の独立で解決するべき問題だけど、そんな技術は一朝一夕で身につくものではない。どうやって、ない技術をごまかしつつ工夫に工夫を重ねて弾くかを考える。ちなみに、ピアノ脱力奏法ガイドブック 2 <実践編/チェルニー30番を使って>にある「すべての音をノン・レガートで練習しましょう」というのは問題を正面から捉えた良い提言である。
 この5音のまとまりで音が出ないのは決まって4音目である。体の使い方が悪いと言ってしまったらそれまでで分析もへったくれもあったものではない。何がどう悪くてどのように弾いたら良くなるかを分析しなければ、ひたすら練習したところで時間の浪費にしかならない。
 まず、脱力できていない点に注目する。先に打鍵した指がキーの上に残っていて、これがつっかえ棒のようになって次の打鍵のための手の動きを妨げている。手を鍵盤に近づけようとしても、先に打鍵した指が鍵盤と手の距離を近づけさせまいとするため打鍵出来ないのである。これが脱力できないことによる障害である。一つの解決案として、手のポジションを鍵盤の上でなく鍵盤の横に持ってくることである。かなり低い位置に手が来るようになるので、椅子を低くするか猫背になるかしなければならない。僕としては普段から椅子を一番低い位置に合わせているのであんまり気にならない。とにかく、肘が鍵盤よりも下に来る、グールドの如きピアノの先生に怒られる演奏スタイルになる。脱力が出来ない苦肉の策としてやっているのだから褒められたものではない。それはそうと、手を鍵盤の上から鍵盤の横に移動させることで、つっかえ棒による抵抗がなくなる。抵抗はキーの移動する方向に対する動きに対して起こるのだが、このポジションでは指と鍵盤が90度近い角度となって抵抗となるような力を発揮できないのである。モーメントにcos 90°をかけるのと同じ原理である。
 これで解決かと思いきや、そうは問屋がおろさない。やっぱり脱力しなきゃなんないよね、なんて今更当たり前のことを言うつもりはない。ある程度は良くなったが、不完全である。これは演奏をビデオで撮影して漸く分かることである。独学ではなくレッスンを受けているのであれば先生から指摘をしてもらえるんじゃないかなと思う。打鍵の際に指が鍵盤の上に乗るのだけど、鍵盤がほとんど動かないのである。ピアノのキーが重いというのもあるのだけど、それにしてもほとんど動かないってのはないでしょう。これは脱力ではなく指の独立の問題である。一つ前の指が打鍵したタイミングで指の力を抜くのだが、一緒に隣の指の力も抜いてしまいキーを押すのに必要な力が失われてしまうのである。独立した指を獲得するための訓練をしても良いのだけど、当然ながら苦難の道程であり即効性はない。一つの解決策として、力を抜かずに指を振り抜こうという強い意志を保つことである。速い速度で演奏すると、一音一音に込めるられる打鍵のための意志は時間に比例して弱くなってしまうので、短い時間に細切れにされても消えないような強い意志を持って打鍵することである。もう一つの解決策は手元を見ることである。手元を見ることによってこの指を動かさなければならないという意志を忘れずに貫徹することができるようになる。そんなことを言っても演奏中の視線は必要に迫られて見る場所を固定しなければならなず、そんな風に好きな場所を眺めているような自由度はないのでこれもなかなか難しい。

・スタッカートの和音
 パッセージの間に入るスタッカートの和音なんだけど、打鍵に要さない指が打鍵の衝撃で勝手に降りてきてキーを押してしまう。これはどういうわけか右手ばかりに起こった。脱力しているせいでこのようなことになるので、頑張って指を上げていなければならない。そもそも人間の手ってのは手を開く方の力はかなり弱い、というかピアニストでもなければそんな力を鍛える機会がない。でもピアニストであればこの力は鍛えなければならない。昔から言われるように、手をグッパッする運動をするといいんじゃないかな。根津栄子編のチェルニー30番に具体的なやり方が描いてあるけど、グッパッするだけなのでやり方とか割とどうでもいい。
 YouTubeなどでピアニストの演奏動画を見てると巨匠と呼ばれる方々はみんな打鍵に要さない指はあんまり動かない。というかそもそも余計な動き自体少ない。そして、使わない指がキーに触れないように凄く気をつけて演奏しているのが見える。一つの指を動かすと他の指も一緒に動いてしまうとか言ってるレベルでは実現できないのは間違いないのだけど、無理だと言って諦めずにそういった努力はしましょうね。ホロビッツの英雄ポロネーズを見てそう思った。

 暗譜する際に、和音とパッセージの音の位置関係について微妙な関連があるので、こんな感じで関連する音符を○で囲んで記憶の助けにした。
 ついでに、調性を調べたり和音にコード名を付けてみた。

12小節

 ☆後半右手、G→Gの1オクターブの距離を手で覚えておき、ポジション移動の必要な左手を注視する。

13~14小節

 ✡9番の演奏解説でも描いたが、右手の下降スケールは肘を外側に向け、手を内側に向けると弾きやすい。3,4指が1指を跨ぐときの移動距離が短くなるためである。
 ※右手の下降スケールをこの速度で弾こうとすると手元を見ていないと精度が下がって外してしまう。その為、右手を注視することになるのだけど、従って左手を見ることが出来ない。13小節では左手がポジション移動するので手元を見たくなるが、それは叶わない。ここでは小節最初の音を押す前後に左手周辺の様子位置関係を記憶し、その記憶をもとに左手の次の位置を正確に定めて打鍵する。
 この鍵盤上の位置関係を記憶するというのは手元を見ずに弾く上で重要なポイントなので、必要に駆られずともする癖をつけておくと手元を見ずに弾くこと、つまり速い譜読みや初見奏へ繋がるテクニックである。

20、29~30小節


 これらの下降スケールは全て白鍵なので、グリッサンドでクリアすることができる。その際は速度に注意すること。当然ながらピアノの先生の前でこういうことをすると凄く怒られそうなので、やるにしてもチェルニーってつまらないの?にあるようにあくまで余興としておくこと。

25~28小節

 和音が小節毎に切り替わり、C: IV→I→IV→Iという並びになっている。勿論、演奏している最中にそんなことを認識している余裕はない。

関連エントリー
 20190815 チェルニー30番28 演奏解説
 20190609 チェルニー30番27 演奏解説
 20191007 チェルニー30番26 演奏解説
 20190211 チェルニー30番25 演奏解説
 20180817 チェルニー30番24 演奏解説
 20180721 チェルニー30番23 演奏解説
 20180513 チェルニー30番22 演奏解説
 20180216 チェルニー30番21 演奏解説
 20171230 チェルニー30番20 演奏解説
 20170905 チェルニー30番19 演奏解説
 20170806 チェルニー30番18 演奏解説
 20170506 チェルニー30番17 演奏解説
 20170303 チェルニー30番15 演奏解説
 20161123 チェルニー30番14 演奏解説
 20160910 チェルニー30番12 演奏解説
 20160429 チェルニー30番10 演奏解説
 20160424 チェルニー30番9 演奏解説
 20160301 チェルニー30番6 演奏解説
 20160101 チェルニー30番5 演奏解説
 20151218 チェルニー30番4 演奏解説
 20151211 チェルニー30番3 演奏解説
 20151213 チェルニー30番 演奏時間

きれいなグラフを描きたい

 学校ではあんまりグラフの描き方を系統立てて教えるということがない所為もあるのかもしれないけど、読みづらいグラフが世の中に氾濫している。
 グラフなんて小学校の算数だったか社会だったかで円グラフ、棒グラフ、折れ線グラフ、帯グラフなんかをどういうときに利用するのが適当かとかいうくらいでしか習った覚えがない。あとは、普通に数学で方程式のグラフを描くときに何かあったかもしれないけど、今回は数学の方面は置いておいて、見やすいグラフとはどんなものかということを説明したい。
 と、偉そうなことを言ったところで僕自身グラフを描く上で何か勉強した事があるわけでもなく、審美眼的才能に頼って描いている、つまり取り敢えず描いてみて見やすいように手を加えるという描き方をしている。それでもいくらかグラフを描いてきているので少しばかりのノウハウがある。ただし、円グラフ、棒グラフ、帯グラフなんて殆ど描いたことがないので、説明できるのは折れ線グラフについてのみである。
 グラフというのは表では読み取りづらいデータを視覚情報に訴えて一見して理解させるためのものなので、出来る限り単純化して必要不可欠なものだけを載せて不要なものは切り捨てなければならない。
 説明する上で利用するデータがいるのだけど、テキトーに拾ってきた砂糖水溶液の比重表を使う。データは以下の通り。

重量%\℃ 10℃ 20℃ 30℃ 40℃ 50℃ 60℃ 70℃ 80℃ 90℃ 97℃
1% 1.0037 1.0021 0.9995 0.9961 0.9919 0.987 0.9816 0.9756 0.9691 0.9642
5% 1.0196 1.0178 1.0151 1.0116 1.0073 1.0023 0.9968 0.9908 0.9804 0.9794
10% 1.0402 1.0381 1.0353 1.0316 1.0271 1.0221 1.0165 1.0104 1.0038 0.999
15% 1.0614 1.0591 1.0561 1.0522 1.0477 1.0425 1.0368 1.0406 1.024 1.0191
20% 1.0835 1.081 1.0777 1.0737 1.069 1.0637 1.0579 1.0517 1.045 1.0401
25% 1.1064 1.1035 1.1 1.0958 1.091 1.0856 1.0798 1.0735 1.0669 1.062
30% 1.1301 1.127 1.1233 1.1188 1.114 1.1085 1.1026 1.0963 1.0896 1.0847
35% 1.1547 1.1513 1.1473 1.1428 1.1377 1.1321 1.1262 1.1198 1.113 1.118
40% 1.1802 1.1765 1.1723 1.1676 1.1624 1.1568 1.1507 1.1443 1.1375 1.1324
45% 1.2065 1.2025 1.1982 1.1933 1.188 1.1823 1.1762 1.1697 1.163 1.158
50% 1.2338 1.2296 1.225 1.22 1.2146 1.2088 1.2026 1.1962 1.1994 1.1945
55% 1.262 1.2575 1.2528 1.2476 1.2421 1.2362 1.23 1.2235 1.2167 1.2118
60% 1.2912 1.2865 1.2815 1.2762 1.2706 1.2646 1.2584 1.2519 1.2411 1.2402
65% 1.3213 1.3163 1.3112 1.3158 1.3001 1.2941 1.2879 1.2814 1.2746 1.2695
69% 1.346 1.349 1.3564 1.3302 1.3244 1.3184 1.3122 1.3057 1.2991 1.2937

 このデータには温度、濃度、比重の3つの要素があるので、グラフ化するのは少し難しい。
 エクセルで何も考えずにグラフを作ろうとすると次のようなダメダメなものができる。

 これを綺麗に書き改めると次のグラフとなる。

 以下、箇条書きで修正点を説明していく。

・グラフウィンドウの形
 正方形のウィンドウというのはいかにもカッコ悪い。デザインの基本である黄金比( 1: \sqrt{2})となるのが好ましい。
・グラフの背景
 今のエクセルは背景色は白だけど、昔のエクセルは背景がグレーだった。背景がグレーだと様々な色が見やすいという配慮なのかと思う。色相環の上で距離の遠い色を選べばコントラストは強くなるため見やすくなるので、背景色が何色なら見やすいということはない、ということにエクセルの開発チームが気付いたんじゃないかなと思う。
・縦軸、横軸の範囲
 データの存在しない領域を表示する必要はどこにもないのでデータのある範囲のうち区切りの良い場所で切る。
・軸の説明
 縦軸、横軸がそれぞれ何を表しているのかを書いておく必要がある。単位のあるものは一緒に書いておく。ここではカッコで括って書いたけど、スラッシュで分割して単位を表記する方法もある。
・グラフタイトル
 なくてもあんまり困らないけど、あったほうがいいよね。

 今回は、修正の必要がなかったので上の囲いの中には入っていないけど、軸の数値について。デフォルトの設定だとエクセルがテキトーに値をはめ込むので、例えばこんな感じに凄く細かい数値になったり、無駄に桁数を多く取ったりすことがある。こういうのは切りの良い値にした上、末尾の0を消さなければならない。

 温度、濃度、比重の3成分がある。ここでは縦軸を比重、横軸を温度として濃度毎にグラフを描いた。成分が3つあるので組み合わせは6つとなるけど、どうしてこのように軸を選択したかを説明しておかなければならない。
 とはいっても、そんなに難しいことでもない。縦軸を比重に選んだのは、最初の表の「砂糖水溶液の比重表」という名称から分かるように一番知りたい情報だからである。縦軸が決まってしまえば、あとは横軸を温度、濃度のどちらかにするかという選択だけである。一応、両方を同時に表示するという方法もあるのだけど、この場合は見づらくなるだけなので避ける。実際に温度を横軸に選んだのは両方描いてみてこちらの方が見やすかったからである。横軸に濃度を取ると次の様になる。

 これだと1つ1つのラインが隙間なく詰まっているので自分の読みたい温度のグラフがどれか読みづらい。そんなわけで、読みやすさを取ったら横軸は温度となるのである。
 ちなみに成分が3つあるので3次元の立体グラフを書いてみたらどうなるだろうかと思ってやってみた。

 この通り、どう立体になっているかも分からないダメなものになったので、これ以上の作業をする気にならずに放り投げた。
 斯様に3次元のグラフは扱える場面が限られる。グラフ自体が起伏と変化に富んでいないと3次元にするありがたみがない。
 一例として次に示すのはポルフィリン錯体にピリジンを配位させたときのスペクトル変化をラピッドスキャンしたものである。

 大体200ms毎に約10秒間測定した結果である。普通、論文なんかに載せる図ではこの中で代表的なものを4箇所くらい選ぶのだけど、3Dで描く時はデータ量が多いほうが映えるので全て掲載した。
 ソーレ帯が480nmから500nmにシフトしているのだが、当然ながら反応開始時は変化が大きく、10秒後にはほとんど変化しなくなり、重ね書きの結果非常に密なグラフとなっている。
 これを3Dで描くと次のようになる。

 奥行きが時間だが、時間の絶対値を表記しづらいので何も書いていない。一番手前が0.0199秒で一番奥が9.7709秒である。
 この3Dグラフは時間変化が視覚的に分かりやすい反面、スポイルする情報も結構多いので、素人客を引き込むには使えるのだけど論文とかには使えない。将来、紙の論文を止めてアニメーションを実装できるようになったら、これを3D情報として色んな方向から見るようなデザインにすることで利用できるかもしれないが、現時点では見世物にしかならない。
 3Dグラフにしたことで分からなくなった、あるいは分かりづらくなった情報として大きいのは吸光度が読めないことである。10秒後の吸光度は500nmで4.5くらいだが、このグラフから読み取るのは難しい。時間や波長も読み取りづらい。反応前後のピークの中間の値がほとんどずれていない部分は、全く変化のない値であれば吸収等点として1段階の反応と読み解くことが出来るが、この場合は微妙にずれているので2段階の逐次反応を考えなければならない。しかし、3Dにするとこの点が一致しているのかずれているのかの判別ができない。結局全てのデータが曖昧になってしまうため、学術的には良くないことだらけである。
 なお、このように3Dグラフを描く時は奥行きの軸を描くと同時にグラフの端っこ部分をサイト内に入れるべきである。こうすることで見る人に対して奥行きの方向を意識させることができるから。

 後半は3Dグラフの描き方になってしまった。
 いつものように作画に使ったエクセルファイルをアップしておく。
 砂糖水 比重.zip
 PY3-34.zip

リヒナー 勿忘草 演奏解説

 リヒナーの勿忘草を録音した。
 何となく弾きたくなったので、1週間くらい練習して録音。レパートリーに入れるつもりもないし、今回限りというつもりだったのであまり細かく考えずにテキトーに演奏した。譜めくりとかも特に考えずに、一旦止まって譜めくりして、後から編集でつなぎ合わせた。そんな感じなので、大した解説もできない。
 リヒナーという人について調べてみても情報は少ない。クラシック音楽作品名辞典には取り上げられてさえいない。つまり、作曲家1240名にあぶれる程にはマイナーな作曲家ということ。Wikipediaも日本語では収録されておらず、英語版では次のように書かれている。折角だから日本語訳も付けておく。

Heinrich Lichner
From Wikipedia, the free encyclopedia

Heinrich Lichner (6 March 1829 7 January 1898) was a prolific German composer, best known today for his teaching pieces - simple piano works written for students. He was born in Harpersdorf, Silesia. His sonatinas, including Opp. 4, 49, and 66 (among others) are in a light, fluent classical style, although the harmony occasionally betrays the influence of romanticism. He was also a director and organist - he worked as organist at the church of the 11,000 virgins, and spent a part of his life as the director of a saengerbund (choral festival) in Breslau, where he died.
ハインリヒ・リヒナー

 ハインリヒ・リヒナー(1829/3/6-1898/1/7)はドイツの作曲家で、多くの曲を作った。今日では、彼は生徒のレッスンに使うためにピアノの小品を作ったことで知られている。彼はシレジアのハルバースドルフで生まれた。Op.4, Op.49, Op.66のソナチネは明るく流れるような古典的なスタイルであり、ときどきロマン主義らしからぬ和声が登場する。彼は指揮者とオルガニストであった。彼は1万1千人の乙女の教会(聖ウルスラ教会)でオルガニストをしていた。そしてまた、ブレスラウの歌手組合の指揮者として過ごし、そこで亡くなった。

 英語版を訳したので上のような地名で表記したけど、ハルバースドルフ、ブレスラウは現在はポーランドにあり、波蘭語ではそれぞれTwardocice(トゥヴァルドチチェ)、Wrocław(ヴロツワフ)と発音する。
 多作な割にはキャラクターはマイナーだし、PTNAの紹介ページでは3曲しか紹介してない。IMSLPではOp.230まで紹介しているけど、公開している楽譜は23曲に留まる。なお、Op.267に左手用のSiegelという曲があるそうだが、先のIMSLPのページでは紹介していない。

 薀蓄はこの程度にして演奏する上で気を使った点を少し述べておく。
 曲の構造として、8ないし16小節単位のブロックで構成されていて分かりやすい。
 右手は随所に6度の跳躍が出てくるので1-5での6度の距離をしっかり覚えておくとお得である。

1~2小節

 1~2小節に限った話ではなく、この曲全体を通しての演奏法について。大体各小節の前半と後半に分けてペダルを踏み分けるのだけど、あまり強く踏まず、その代わり一番下の音を保持したままにする。
 2小節目の後半は右手に8分休符が入っているが、この曲はしばしばこうやって休符が入ってくるのでちゃんとその部分で音を消したい。すると必然的にペダルを離すことになるのだけど、このときに左手の一番下の音を保持しているとペダルを踏んでいるような効果を期待できるのでお勧めである。

32小節

 左手の下降スケールの部分。1指のAを保持すると右手のAと共鳴して良いかもしれないと思いそうしてみたけど、あんまり変わった感じはしなかった。

57~64小節

 この8小節は前半4小節をペダル無しで、後半4小節ペダル有りで演奏することで変化をつけてみた。

最後

 最後は冒頭のアウフタクトを回収せずに終わる。

日本国憲法

 先日、知り合いの外人に日本国憲法の説明をする機会があったので印刷して持っていった。
 条文はネット上に転がっているのでよいのだけど、これをそのまま印刷するとちょっと体裁が悪いので、WORDで整えた。
 特に新規性とか工夫とかがあるわけではないのだけど、折角だからデータをアップしておく。
 憲法の全文を携帯していると悪い警察とかに因縁をつけられたときとかに役に立つかもしれない。
 元のデータは日本語版を映画人九条の会のページから、英語版を首相官邸のページからコピーした。

日本語版
 WORD:日本国憲法.doc
 PDF:日本国憲法.pdf
 PDF:日本国憲法 2段.pdf
英語版
 WORD:The Constitution of Japan.doc
 PDF:The Constitution of Japan.pdf
 PDF:The Constitution of Japan 2段.pdf

 改行の空白が勿体ないので2段組にして紙面を節約しようとしたのも同時にアップした。
 印刷して製本するのもいいと思う。

 この写真は横向きに針をさすことのできるホッチキスHD-10Vで綴じている。これはTRPGでマスターをする際に小冊子を作るときなんかに重宝している。