ドラクエ4 不思議のほこら 演奏解説

 ドラクエ4のほこらの曲を録音した。ほこらシリーズではこれが最後となる。
 ドラクエ4のストーリーはよく覚えているのだけど、祠の印象が全然残ってなくて、曲を聞いても全く思い出すところがなかった。そんなわけで、原曲に流されない独自の解釈となる。特に、テンポはAndantino(64bpm)と指定されているだけなのでテキトーにゆっくり目にしてみた。
 楽譜はこれまで弾いたのと同じシリーズのドラゴンクエストIVオフィシャルスコアを使った。
 ドラクエ2~5の中では難易度は一番高かったけど、テンポが遅く、音も少ないので難しい曲というわけではない。敢えて言うなら後半の8度以上の和音で白鍵が多いため、ミスタッチしやすいといった程度。
 技術的にはどうということもない曲ではあるが、説明するところがないわけではないので一応書いておく。

・前半部分(1~16小節)

 左手の和音進行で2度ずつ3回上昇する場合、普通は4,5音目のG→Aを両方1指で取るのだけど、そうするとキーから指を離す瞬間に音が途切れてしまう。Gの音が途切れても、一緒に押しているEが響き続けているので誤魔化せはする。ちゃんと聴いていれば音が途切れるのに気付いてしまうのが気持ち悪いという人もいる。
 あるいは、Gを1指の第1関節くらいの位置で押さえておいて指の先端を隣のAに引っ掛けておいて、Gを離すと同時にAを押すという尺取虫みたいな動きでレガートにつなげることもできる。これは以前ベートーベンのピアノソナタ15番を演奏したときに使ったやり方だけど、当時は演奏解説を書いていなかったので記録が残っていない。演奏動画を検証すればそういう場面が見つかると思う。とはいえ、動きが特殊すぎてあまりお勧めできる方法ではない。
 それで、僕がよくやるのが譜例にあるとおり、一番上の音を右手で取る。適切な強さで弾くためには少し訓練がいるけど、無理なく引けるのでとても良い。これによって左手はポジション移動が激減して、それに付随するミスタッチも減る。また、ほとんどの音をレガートで繋げられるようになるので、あまりペダルを踏まずに演奏できる。

・後半部分(17~28小節)
 17小節からは4度上がってサブドミナントとなる。主旋律の音域が上がり、左手の音域が下がることで空いた中声部に和音を詰めることができる。
 音が多いのでここからはちゃんとペダルを踏む。勿論べったり踏むんでコードが変更するたびに踏み変えるんじゃなくて、薄く踏んでおいて必要に応じ踏み変えるという程度になる。

・21小節右手

 分散和音で一番上が主旋律となっている。主旋律を正しいタイミングで打鍵できるように、分散和音は拍より早いタイミングで入る。

・コーダ(29~35小節)

 右手オクターブ+左手分散和音という構成で主題を鳴らして終了となる。
 左手の分散和音は21小節の右手と違って主旋律が入っていないので正しいタイミングというのはない。上の音を拍に合わせるか、下の音を拍に合わせるかは好きにしたら良い。ただし、どちらかに決めて弾くこと。

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