ブルクミュラー12の練習曲より4番ラ・カンパネラ。
今回使った全音版にはタイトルは書いていないのだけど、フランス初版には全曲タイトルがつけられている。IMSLPで見ることができる。
ラ・カンパネラというタイトルは当然ながらリストの同名の曲を想起させる。リストのラ・カンパネラはパガニーニによる大練習曲(1838)の3番だが、それ以前にパガニーニによる超絶技巧練習曲(1851)という練習曲を出版している。DOVERから両方収録された楽譜が出版されている。それはそうと、12の練習曲は1861年の出版なので、ブルクミュラーは当然この曲を知っており少なからず意識をしていたと思われる[1]。
・テンポ
Andante、四分音符=84となっている。主旋律の部分を意識してアンダンテに設計しようとすると指定のテンポになるが、このテンポで弾くとかなり速く感じる。僕はこの曲について全然聞いたことない状態から練習を始めたので、初見で弾いたときの印象でテキトーにテンポを設定した。だいぶ遅くなっていると思う。
・曲の構造
ABAコーダとなっている。
| A | 1-8 |
| B | 9-16 |
| A | 17-23 |
| コーダ | 24-29 |
・ペダル
フランス初版では各セクション最初の1~2小節を代表して指示が書かれているが、全音版では全てのペダルが指示されており、またフランス初版とは異なった形になっている。個人的には全音版の方が好みのペダリングなので、全音版をベースにして演奏した。
・跳躍
曲全体を通して両手ともに跳躍の多い曲で、かなり頻繁に手元を見ないと弾けない。右手の跳躍はオクターブを正確に掴むことができればあまり見ずに弾けるが、左手は平均して1小節に2回ずつ手元を見ることになる。これだけ高頻度に楽譜から目を離すとなると、どこかしらで元の位置がわからなくなる。いっそ暗譜した方が楽かもしれないけど、何となく覚える気にならない。元からこの曲を知ってて聴き込んでいたら音で場所を判断出来たかもしれないけど、なにぶん自分の演奏で初めて聞く曲なのでそういうわけにもいかない。結局半分体で覚えるような形で完成させることとなった。
この曲を弾くためにはとにかく右手で手元を見ずに正確にオクターブを掴むことと、2小節にあるようにオクターブの移動をできるようにしなければならない。一度手を閉じて開いたときに正確にオクターブを掴めるようにしなければならない。
・A 1-8小節
3声で進行するが、主旋律は緑で囲った音。右手で一緒に弾くAの16分音符は弱めに弾く。主旋律で歌うようにAndanteでテンポを取ると間に入ってくる16分音符がそれなりに速くなる。
2後半右手のAのオクターブ移動。この曲は左手が常に跳躍しているのでそちらに視線を向けなければならず、右手を見ている余裕がないので、右手オクターブ移動は手元を見ずに弾けるようにしなければならない。同じ音型が繰り返し出てくるのでここで間違えずに弾けるようになるまで繰り返し練習して次に進んだほうが良い。
・2-3小節
※手元を見ずに弾くために:3右手最初のEは直前のAから11度の跳躍。2の最後1つ手前のAを1指で取った後、離鍵してからも1指をAキーの上に残しておき、この1指を跨いでEの辺りまで3指を持っていく。Eの位置はEsキーの右側面を3指で触る場所となる。
・4-5小節
☆手元を見ずに弾くために:5右手最初のAは1オクターブ上のAからの跳躍。4の最後手前の1指で取ったAを離鍵後も指を残しておき、同じ位置に3指を置き換える。
・B 9-16小節
9からBパート。Bパートは左手がオクターブを刻む。左手の跳躍の範囲が広いので、視線は楽譜と左手を行き来することになる。右手は比較的動きが少ないので、右手は見ずに手探りでキーを当てることができる。
・11-12小節
全音版はペダリングが独特。とはいえ、フランス初版は9だけ書いてあるけど、表記がいい加減で正確なペダリングはよく分からない。全音版の踏み方も悪くないと思うけど、結局演奏者が好きなように弾いたらいいと思う。
・13-16小節
Bパート後半は両手とも跳躍して楽譜を見ている余裕がないので、この4小節は暗譜で弾いた。
暗譜してしまえば、ずっと手元を見ていれば良いので気楽なものである。
・28-29小節
ラストは全音の譜例の通り284小節目でペダルをオフにして、30で踏み直す。
他の楽譜だと28から踏みっぱということもあるが、こっちの方が良いと思う。
参考文献
[1]飯田有抄, ブルクミュラー 25の不思議, 音楽之友社(2013)