チェルニー40番10

 チェルニー40番をゆっくり練習攻略してるのだけど全然進捗がみられない。
 それでも、だらだら時間をかけてるとそのうち弾けるようになるもので、7番がどうにか形になったので録音した。もともとゆっくり弾けたら合格ということにして、次の曲に進むという方針で始めたのだけど、思いの外良い曲だったのでテンポを上げて練習してみた。その所為で全く進まなくなってしまった。とにかく、録音はしたので、この曲は終了ということで次の曲に進む。
 ゆっくり弾いてみると左手の分散和音が主旋律のように聞こえて、全然魅力のない曲に聞こえるけど、速度を上げていくと右手が主旋律だと分かる。右手の主旋律を聞けるくらいの速度で弾いてみると結構かわいい曲に感じる。
 折角録音したので、いつものように解説をする。
 楽譜は全音版を使った。


テンポ
 例によって異様に速い。
 2分音符で104bpmなので、1分に四分音符208個が入る速度。つまり、1秒間に16分音符15.53個打鍵する速度。
 16分音符4つを一つの分散和音と見立てて、1小節に分散和音4つという解釈では駄目で、ちゃんと1小節に16個の16分音符を弾かなければいけない。
 まずはゆっくり弾いてみて、それなりの速度で弾けるようになったときに更にテンポを上げれたらよし、上げられそうになければ見送ったほうがいい。

左手
 左手の速い動きがメインとなる練習曲である。だいたいは分散和音を繰り返すので、覚えることは少ないのだが、分散和音の構成音が複雑で覚えづらく、結局楽譜を見て弾くことになる。あまり距離の長い跳躍というのはないので、手の広がりの感覚でキーの位置を特定できる。

右手
 右手はスタッカート、メゾスタッカート、レガート、保持と音価が多彩に変わる。正確な音価で弾くように心がけたいけど、メゾスタッカートを3/4の長さで離鍵するのは難しく、ノンレガート程度の弾き方となる。

8小節

 ☆左手、この速い下降スケールを弾くには素早い指くぐりができなければならない。指くぐりした1指で打鍵する瞬間に1つ前の3指か4指を離す。この動きをできるだけ速くするには勢いよく指を上げると良い。

2430小節

 左手ベース音を保持するようになってる。この音を保持していると指の動きが制限されるので速いパッセージは弾きにくい。指が浮いて保持できなかったり、保持するために無理に力を入れることになったりする。この部分は、必要最小限の力で保持して、脱力して演奏できるようにしなければならない。

40小節

 左手4拍目のHは3指を指定している。この音は4指でも行けるけど、速度を上げていくと4指の多用で疲れて動きが悪くなるので、3指の方が良い。

44小節

 ☆右手、このあと1オクターブ下に移動しなければいけないけど、急ぐあまり短く切ってしまわないように。きっちり4分音符の長さを保持し、ついで4分休符もきっちり休む。


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