ドラクエ3の祠の曲は昔から好きなので、漸く弾いたという感じ。
祠という存在が何なのか知らない小学生にとってはああいう寺院的なものなんだろうって思われることになるわけだけど、なんでエニックスは祠という言葉を選んだんだろうか。
楽譜は前回のドラクエ2のときとおなじく、「ドラゴンクエスト」 I・II・III オフィシャル・スコア・ブックを使った。
もともと音の少ない曲で、楽譜を見てテキトーに弾き流したところで、この前半部分は片手で弾けるなと思って、試しにやってみたところちゃんと片手で問題なく弾けたので、前半8小節は左手だけで弾くことにした。
ドラクエ2の祠のときに書いたように、祠メドレーにしたいという考えがあって、楽譜に直接コメントを書くとそのときに邪魔になるんじゃないかと思ったので、スキャンした楽譜を印刷して使った。こういうときにB4サイズを印刷できるプリンタがあると便利である。めったに使わないから、そのときだけコンビニで印刷しても全然いいんだけど。
チェルニー30番を終わらした効果が出ているのか殆ど手元を見ることなく弾ききることが出来た。
左手だけで弾くことについて
特に難しいところはないけど、1, 2指でスケールを弾くのは慣れないとやりづらいかもしれない。
曲全体の流れ
原曲自体が8小節の短い繰り返しだが、このアレンジは最初の8小節をほぼ原曲の通り流した後に少し派手に繰り返し、最後にコーダとして5小節付け加えた構造になってる。
テンポについて
4分音符で66bpmでAndantinoとなっているが、9小節目から少し加速して、13小節目で70bpmのModeratoとなる、そして、15,16小節でテンポを落としていき、17小節のコーダで元のAndantinoに戻る。19小節でテンポを落としていき、19小節最後にフェルマータが付いて更に遅くなる。
9小節目から
右手は8度上でオクターブ進行にした一方、左手は3連符の分散和音となっている。
また、分散和音が映えるように、ちょっと速度を上げている。
10小節
右手4音目のG。キーを押しても音が出ないことがある。この直前のタイミングで、無意識のうちに2指がGキーの上に乗ってキーを押し下げているためにそうなる。意識して2指を上げておくとちゃんと音は出る。
16小節
前小節のpoco rit.に続いてこのrit.なのでかなりテンポがいい加減になる。それで問題ないと思うが、前半の6連符と後半の3連符が上手く繋がるようにテンポを設定しなければならない。
17~18小節
右手、A音の保持に際して、17小節最後のA音を左手で取ると弾きやすい。ペダルで引っ張ってもいいけど、やはりペダルなしでできる部分はなしで行きたい。
また、ついでに18小節の最後までA音を保持しても良いと思う。
19~21小節
左手は18小節から3度の半音階下降となっている。3音目のCは右手のEsとくっついた3度の和音なので楽譜の書き方が良くない。
3度の半音階進行についてはゴドフスキーが速い動きの運指を提案していた[1]。確かに上手いこと身につけたら速いのかもしれないけど、すごく弾きづらい。そして、このゆっくりのテンポでは速く弾く必要はなく、そしてこの5音だけの半音階下降ではこの特殊な運指のメリットを活かすことは出来ず、畢竟譜例に示した運指で十分である。
テンポは上に書いたとおり、rit.とフェルマータがある。まずは、rit.で徐々にテンポを落としていくのだけど、16小節と同様かなりいい加減である。それよりもフェルマータのほうが重要で、ちゃんと2倍の時間を掛けること。フェルマータの付いて8部音符は4部音符と同じ長さになるので続く~20小節の4分音符へと繋がる。
参考文献
[1]ゴドフスキー, ショパンのエチュードによる練習曲集 下巻, ヤマハミュージックメディア(2010)
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