FF2のメインテーマを録音した。普段、ゲームとかアニメの曲を自分で耳コピしてピアノ用に書き出したときは演奏解説は書かないのだけど、今回はドレミ楽譜出版のファイナルファンタジー 1・2 オリジナルサウンドトラックを使ったので、容赦なく解説する。とはいっても、そんな難しい曲でもないので、それほど書くこともない。
録音に際して、ちょろっとFF2をプレイしてみたんだけど、戦闘がくっそかったるい。全体攻撃魔法とか使うと余所事始めたくなるし。セーブのときもセーブ場所を正しく選択しないといかんし。昔はよくこんなシステムを有難がってたなあ。まあ、これが標準的な仕様だったんだろうけど。そう考えるとFF3でのシステム進化は凄かったということか。まあ、FF3のシステム部分はプログラマーであるナーシャ・ジベリの才能によるところが大きかったらしいが。
FF2のストーリーが死人を出しまくっていい話にするっていう路線なので、寂しい感じの曲調となっている。
楽譜は32小節とRepeat&F.O.で構成されている。ファミコン版で使われるのは前半の16小節の繰り返しとなっており、後半17~32小節はPSP版で追加されたアレンジである。
演奏に際しては、1~16小節は楽譜通り原作準拠の右手レガート、左手スタッカートとした。17~32小節はしっかりペダルを踏んで余裕を持って弾く。"Repeat&F.O."については1~16小節を繰り返してコーダを付けた。繰り返すとはいっても、そのまま弾くのでは芸がないので、1~8小節は左手のベースを保持してハーフペダルで、9~コーダは完全にペダルを踏んだ。
繰り返し後の小節番号の表記については。例えば16'のように小節番号の後に'(ダッシュ)を付けて示す。
テンポ
指定は4分音符=104bpmとなっている。"con sentimento"との指示があり、「感傷的に」とでも解釈したらいいのかなと思う。104bpmは結構速いけど、実際原曲は結構速い。だが、無理せずにゆっくり弾いても全然問題はない。あんまり遅いとスタッカートで間が持たなくなるけど。
出だし
アウフタクトの部分。この楽譜がPSP版あたりを元にしてるらしくて、ファミコン版より音が少ないので、ファミコン版に合わせて増やしておいた。ちなみに、この楽譜にはアウフタクトの回収はないが、代わりに32小節に同様のスケールが準備されている。
1~8、9~13小節
左手のベース音はAから始まって、Bまで順次下がっていく。ベースと他の音に結構距離がある。
2、10小節
後半のEが右手と左手で重なって邪魔になる。繰り返した後の後半ではペダルに頼って右手を切り離せば全く問題ないのだけど、右手レガート、左手スタカートで弾こうとすると、どうしても無理になる。グランドピアノであればダブルエスケープメントに頼って音を保持したまま弾けるのだけど、アップライトだと諦めるしかない。ペダルで誤魔化すとか、テンポを遅らせてギリギリまで引っ張るとかしか思いつかない。
17~22、25~29小節
1~8小節と同様、ベース音がCから順次下がっていく。1~16小節がイ短調で、17~32小節がハ短調であり、この転調に合わせて3音上がっている。
24小節
右手4拍目。6連符の下降スケールが結構速いので1拍の中に収める自信がなかったら少し早めに入ったら良い。
29~30小節
※29小節右手最後のCはキーの奥の方を押さなければならない。キーの幅が狭くて押しにくいので注意する。指の向きをキーと平行になるようにすると幾分引きやすくなる。しかし、そうすると続く30小節頭のEsが遠くなって外しやすくなる。その点を意識して5指をしっかりと横方向に伸ばして正確にヒットできるようにすること。
32小節
繰り返しで1'小節目に戻る所。どういうわけかト長調に転調している。ハ短調→ト長調→イ短調というよく分からん転調をすることになっている。
5'~8'小節
ベースを保持して他の音をスタカートにするという性質上、少し工夫がいる。
というわけで、図のようにベースを保持すると届かない部分を右手で取ることとした。10度が届かないとこの弾き方はできない。
8'小節の最後の部分は9'小節に繋げることを考えてペダルを徐々に深くしていってもよい。
16'小節(コーダ)
最後の部分はコーダに書き換えた。五線テープ大活躍である。
テキトーに分散和音にして終わらしても良かったのだけど、ピカルディの3度を使ってみた。16小節でも長調に転調しているので悪くないと思う。