教育職員免許法(失効・取上げ関係条文)

 官報を読んでいると、時々教員免許状失効公告が載ってる。
 何らかの理由で教員免許が失効したお知らせ何だけど、例えば2019年10月11日(DL)には次の様に書いてある。

 教育職員免許法(昭和24年法律第147号)第10条第1項の規定により、次の免許状は執行した。
 令和元年10月11日 群馬県教育委員会
1 失効した免許状
 (1) 指名及び本籍地 町田 一男、群馬県
 (2) 免許状の種類(教科)、番号、授与年月日、授与権者

―中略―

2 失効年月日 令和元年9月17日
3 失効の事由
  教育職員免許法第10条第1項第2号該当

 失効の事由に「教育職員免許法第10条第1項第2号該当」とある。
 教育職員免許法第10条はe-GOV(最終更新: 平成二十九年五月三十一日公布(平成二十九年法律第四十一号)改正(魚拓archive.today))によると、

(失効)
第十条 免許状を有する者が、次の各号のいずれかに該当する場合には、その免許状はその効力を失う。
一 第五条第一項第三号、第四号又は第七号に該当するに至つたとき。
二 公立学校の教員であつて懲戒免職の処分を受けたとき。
三 公立学校の教員(地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十九条の二第一項各号に掲げる者に該当する者を除く。)であつて同法第二十八条第一項第一号又は第三号に該当するとして分限免職の処分を受けたとき。
2 前項の規定により免許状が失効した者は、速やかに、その免許状を免許管理者に返納しなければならない。

とある。なお、法律の「項」とか「号」とかいう区分は衆議院法制局のコラムInternetArchivearchive.today魚拓)に詳しく書いてある。
 この町田一男さんは懲戒免職処分を受けて教員免許を失効したということが分かる。ちなみに、簡単に調べたけど、町田一男さんの研究は色々出てくるけど、何をして懲戒免職になったのか、そういうニュースは見つからなかった。
 公立学校の教諭は懲戒免職になると自動的に免許失効となるのである。先日の神戸市立東須磨小学校での教員のいじめ事件というか、暴行とか障害とか器物損壊に該当する犯罪だが、この関連のコメントで懲戒免職になっても教員免許を剥奪しないとよくないという物があった(例えばここ(魚拓InternetArchive))。安心してください。懲戒免職になったらちゃんと教員免許も失効となります。

 それはそうと、教育職員免許法の第10条をもうちょい読んでみると、第1項で第5条1項にリンクしていることが分かる。第5条1項は結構多い。

第五条 普通免許状は、別表第一、別表第二若しくは別表第二の二に定める基礎資格を有し、かつ、大学若しくは文部科学大臣の指定する養護教諭養成機関において別表第一、別表第二若しくは別表第二の二に定める単位を修得した者又はその免許状を授与するため行う教育職員検定に合格した者に授与する。ただし、次の各号のいずれかに該当する者には、授与しない。
一 十八歳未満の者
二 高等学校を卒業しない者(通常の課程以外の課程におけるこれに相当するものを修了しない者を含む。)。ただし、文部科学大臣において高等学校を卒業した者と同等以上の資格を有すると認めた者を除く。
三 成年被後見人又は被保佐人
四 禁錮 以上の刑に処せられた者
五 第十条第一項第二号又は第三号に該当することにより免許状がその効力を失い、当該失効の日から三年を経過しない者
六 第十一条第一項から第三項までの規定により免許状取上げの処分を受け、当該処分の日から三年を経過しない者
七 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
2 前項本文の規定にかかわらず、別表第一から別表第二の二までに規定する普通免許状に係る所要資格を得た日の翌日から起算して十年を経過する日の属する年度の末日を経過した者に対する普通免許状の授与は、その者が免許状更新講習(第九条の三第一項に規定する免許状更新講習をいう。以下第九条の二までにおいて同じ。)の課程を修了した後文部科学省令で定める二年以上の期間内にある場合に限り、行うものとする。
3 特別免許状は、教育職員検定に合格した者に授与する。ただし、第一項各号のいずれかに該当する者には、授与しない。
4 前項の教育職員検定は、次の各号のいずれにも該当する者について、教育職員に任命し、又は雇用しようとする者が、学校教育の効果的な実施に特に必要があると認める場合において行う推薦に基づいて行うものとする。
一 担当する教科に関する専門的な知識経験又は技能を有する者
二 社会的信望があり、かつ、教員の職務を行うのに必要な熱意と識見を持つている者
5 第七項で定める授与権者は、第三項の教育職員検定において合格の決定をしようとするときは、あらかじめ、学校教育に関し学識経験を有する者その他の文部科学省令で定める者の意見を聴かなければならない。
6 臨時免許状は、普通免許状を有する者を採用することができない場合に限り、第一項各号のいずれにも該当しない者で教育職員検定に合格したものに授与する。ただし、高等学校助教諭の臨時免許状は、次の各号のいずれかに該当する者以外の者には授与しない。
一 短期大学士の学位(学校教育法第百四条第二項に規定する文部科学大臣の定める学位(専門職大学を卒業した者に対して授与されるものを除く。)又は同条第六項に規定する文部科学大臣の定める学位を含む。)又は準学士の称号を有する者
二 文部科学大臣が前号に掲げる者と同等以上の資格を有すると認めた者
7 免許状は、都道府県の教育委員会(以下「授与権者」という。)が授与する。

 教員免許失効で関係があるのは3号、4号、7号なので、他は無視しよう。
三 成年被後見人又は被保佐人
 人にモノを教えられるような立場ではない。
四 禁錮 以上の刑に処せられた者
 立派に犯罪者なので教員として不適。
七 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
 問題の7番である。政府を暴力で破壊することを主張する団体というと、極左過激派とかオウムとかは当然思い当たるけど、破防法に基づく調査団体である共産党公安調査庁)もこれに該当するはずである。
 公務員による政治活動はかなり制限されているが、教員は割と平気で政治活動をしているフシがある。あろうことか教壇に立って政治演説を始めるおかしな人さえもいる。卒業式での日の丸や君が代拒否もその一つに数えられる。そんな連中の全員が共産党に所属していないと考えるほうが不自然で、共産党員と見ればこの法律により排除できるのである。今更だけど、レッドパージできる法律があるんだからちゃんとやれよって思う。