消費税に関する新聞優遇政策発動

 本日20131030の官報消費税法施行令の改正に関して

 消費税法施行令の一部を改正する政令(平成二十五年政令第五十六号)の一部を次のように改正する。
 附則第5条第2項中「特定新聞等」を「特定新聞」にあらため、「又は雑誌」を削る。

というのがある。
 新聞の連中は消費税増税を推し進めると同時に新聞に対しては消費税免除しろと自分勝手なことをロビーしていたから、これが実った感じなのかな、とか思って少し調べてみた。

 まず、平成二十五年政令第五十六号の附則第5条第2項は次の通り。

2  事業者が、特定新聞等(不特定かつ多数の者に週、月その他の一定の期間を周期として定期的に発行される新聞又は雑誌で、その発行する者が発売する日を指定するもののうちその指定する日が施行日前であるものをいう。)を施行日以後に譲渡する場合には、当該特定新聞等の譲渡に係る消費税については、旧法第二十九条に規定する税率による。

 消費税のシステムが変わる前後での税率は契約時のものとする、ってなことが書いてある。
 旧法第29条ってどんなだ? と思って調べると、

第二十九条  削除

とか書いてある。旧法29条の規定とかいって現行法で使ってるんだから削除すんなよ、とか思うのだけど、別の政令かなんかで消されたのでしょう。
 電子政府の総合窓口とかいうところで探してきた。

(税率)
第二十九条  消費税の税率は、百分の四とする。

 百分の四って4%ってことですか?
 世間では消費税率を5%から8%だか10%だかに増やすとか議論しているそうだけど、4%ってどういうことなんだろ。調べてみると、消費税率は現在一般的に5%と言われているところ、実際には国税たる消費税(4%)と地方税たる地方消費税(1%)の合計だとのことで、なるほどねと納得した。

 さて、本題に戻って本日の改正の結果、平成二十五年政令第五十六号の附則第5条第2項は次のように変わる。

2  事業者が、特定新聞等(不特定かつ多数の者に週、月その他の一定の期間を周期として定期的に発行される新聞又は雑誌で、その発行する者が発売する日を指定するもののうちその指定する日が施行日前であるものをいう。)を施行日以後に譲渡する場合には、当該特定新聞等の譲渡に係る消費税については、旧法第二十九条に規定する税率による。

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2  事業者が、特定新聞(不特定かつ多数の者に週、月その他の一定の期間を周期として定期的に発行される新聞で、その発行する者が発売する日を指定するもののうちその指定する日が施行日前であるものをいう。)を施行日以後に譲渡する場合には、当該特定新聞等の譲渡に係る消費税については、旧法第二十九条に規定する税率による。

 そんなわけで、契約時の税率で販売できる物品から雑誌が除去され特定新聞だけとなった。"特定新聞"という単語の定義がないのだけど、日本新聞協会所属の新聞ということでいいのかな。
 平成二十五年政令第五十六号の附則第5条第2項から新聞以外が省かれた形となり、日刊ゲンダイとかゲーマーズフィールドとかの購買契約の消費税は税率改訂と同時に値上げするけど新聞は暫くそのままとか。大したことではないかもしれないけど明確に新聞を優遇する施策となった。

 そんなことを考えてたら産経新聞から軽減税率、自公が議論再開 新聞協会などから意見聴取なんていう記事があがってた。

産経新聞 10月31日(木)7時55分配信
 自民、公明両党は30日、生活必需品などの消費税率を低く抑える軽減税率の導入に向けた調査委員会を開いた。日本新聞協会と地方団体から意見を聴取し、制度導入の検討を再開した。調査委を開くのは約4カ月ぶり。業界団体などの聞き取り調査はこの日で終え、来週中にこれまでの聴取結果や課題を整理する。
 30日の意見聴取では、日本新聞協会の白石興二郎会長(読売新聞グループ本社社長)が「新聞は単なる消費財でなく、民主主義を支える公共財」と軽減税率の導入を要望。一方で全国知事会地方税財政常任委員会委員長を務める石井隆一富山県知事は「大きな混乱が起きかねない」と、慎重な対応を求めた。
 会合後、自民党税制調査会野田毅会長は記者会見で「具体的にどうするか(公明党と)相談したい」と説明。公明党の斉藤鉄夫税制調査会長は「12月までに大きな方向性、骨格を議論して決める」と述べた。
 自公両党は平成27年10月に予定される消費税率10%への引き上げ時に軽減税率の導入を目指すことで合意。対象品目や税率などは、年末の26年度税制改正大綱決定時までに「結論を得る」としている。

 というわけで、30日のこの意見聴取での交渉材料にするために取り敢えず新聞だけ優遇してみたとかいうことかな。