おおぞらをとぶ

 ドラクエ3の曲の中では人気ナンバーワンだと思われる名曲。以前、ニコ動かつべで、すぎやまこういちが徹子に紹介しているTV番組が上げられていたのだけど、現在は削除されていて見ることが出来ない。「ゲーム音楽はこんなに美しいんですよ、ドヤァ」っていうような内容だったと思う。
 苦労してオーブをすべて集めてラーミアを復活させると、この曲が流れるのだから感動ひとしおである。FF3の果てしなき大海原とにた雰囲気がある。果てしなき大海原のときもそうだったけど、初めてこの曲が流れるときはコントローラーを置いて聞き入ってしまう。
 随分前にダウンロードしたMIDIファイルを楽譜に印刷したまま放置してあったのが出てきたので、折角なのでピアノ用に書き直して弾いてみた。
 いくら練習してもミスタッチがなくならなくて苦労した。ミスタッチがなくならないのはなにかの病気なのかと思った。まあ、精神的な部分は多分に関わっているのだけど、病気とかじゃなくて、ミスタッチするほうが普通で、ノーミスで弾くほうがおかしいんだろうと思うようになった。ピアノの発表会とか行けば分かるけど、みんな結構ミスタッチしてるもん。発表会で1曲弾くだけなのだから、その曲を相当弾き込んでいるはずなのに、それでも猶ミスタッチする人が多いんだから、それが普通なんだろう。ショパンコンクールの動画なんか見てもミスタッチは散見されるので、プロなりかけの人でもミスタッチするんだと安心できる。なんか嫌な考え方かもしれないけど、この業界の頂点を目指すわけでもなく楽しくダラダラやりたいだけなので、ハードルは低くしたほうが人生に良いと思う。

 普段、ゲーム音楽の演奏解説とかあんまりしない。自分でアレンジしたのを説明するのはなんだかこっ恥ずかしいからである。今回はアレンジもないし、作曲技法の確認とかもあって解説しておこうと思う。

 主旋律は全体を通して高音から低音へと移行し、最初と最後では1オクターブ以上の開きがある。最高音と最低音ではぴったり2オクターブ開いている。例えば、歌謡曲でこの音階の変化を考えると結構凄いことで、普通の歌手だったらこの距離を開けると声質が変わるんじゃないかと思う。
 最後の音程が下がりきったところから繰り返しで1小節目に戻ると、曙光が差してくるように1オクターブ以上高い音が再び始まる。まるで、ラーミアで飛んでいるて夜が明けるような光景である。繰り返すたびに現れるE音が毎回新鮮に聞こえるのは、この音程の差があっててこそである。
 繰り返しとD.C.があるせいで、合計4回ほとんど同じ部分を演奏するけど、飽きないのはこの構造のためだと思う。

 以下のことを認識していると譜読みや暗譜が捗ると思う。
 左手の分散和音はめんどくさいからスラーを掛けていないけど、基本的に2拍ごとの一連の上昇の塊を一つのフレーズとしてスラーを掛けたような認識としている。
 分散和音の特徴として、3和音の部分(1小節)と4和音の部分(2小節)がある。4和音の部分は指くぐりせずに手の形を固定してポジション移動する。
・1~3小節前半はベースが1音ずつ下がっていく。

・5~7小節前半はベースが半音ずつ下がっていく。


 コーダは楽譜の書法がいい加減で、自分でわかればいいやという気分で書いた。一番下の段の左上に"to coda"とか書くべきなのかもしれないけど、この"Coda"は繰り返しを止めて曲を終了したいときはこれを使ってね、という程度の意味で書いたに過ぎない。

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