以前、ブックスキャナーPlustek OpticBook3800の説明をしたのだけど、その際に微妙に焦点があっておらず使えねーというようなことを書いた。
この件について、ピントが合わないのなら読み取り面とCCDの距離を前後させてスキャンしたらぴったり焦点の合うポイントがあるのではないかと思った。とはいえ、読み取り面を近付けるのは始めから付いているアクリル板をどうにかしないといけないのでちょっと難しい。そんなわけで、読み取り面を離して焦点の合うポイントがないかを探った。
結論を言ってしまうと、より綺麗に読み取れるポイントはなかった。
大したことではないが、調べた方法を書いておく。
最終的には正確に距離を測るためには固くて撓りの少ない板状の素材を使ってスキャンするのがよいと考えた。それよりもまず、読み取り面とカメラの距離を近づけたら良いのか離したら良いのかという点を明らかにする必要があるので、テキトーに距離の近い部分と遠い部分が連続的に変わるような読み取り方をする。
実際にやることは簡単で、下の写真のように本を伏せて押さえつけないようにしてスキャンする。ノドの部分はどうしても浮いてしまうので、自動的に読み取り面が離れることになる。
Role&Roll154のコード:レイヤードの記事タイトル部分をスキャンした。コード:レイヤードは別に好きなルールというわけではないけど、イラストは結構好きである。孔明ちゃんかわいい。スキャンの解像度は300dpiとした。
読み取った結果は次のような感じになるのだけど、フルサイズはファイルサイズが大きくなって邪魔くさいのでアップしない。
カラーとグレースケールでそれぞれスキャンしたときに品質が変わる可能性を考えて、それぞれスキャンしてみたけど、下に示すように特に違いはなかった。
・グレー
・カラー
この通り、ほとんど違いがわからない。カラーのほうが少し色が薄いなあという気がするけど、焦点が合わないという問題に対しては何の影響もなさそうである。
そんなわけで、これ以降はグレースケールを使って記述することにする。
スキャンしたページの一部を端からノドまで切り抜くと次のようになっている。
右が端側で左がノド側となっている。普通のコピー機やスキャナと同様、ノドの方がピントがズレた上に黒くなっている。
これを見て分かるように右のほうがピントが合っており、左に行くほどピントがズレている。途中でより綺麗に撮れている部分というのは存在しないことからこの試みは上手くいかないという判断ができる。
これで結論は出たわけだけど、もうちょっと掘り進めてみようと思う。
上の試みでは読み取り面を離すという方向で調査したが、それなら近付けると上手くいくかということだが、残念ながら上手くは行かないことが予想される。
というのは、比較のためにEP-806ABで同様にスキャンしたところ、そういう結論に行き着いた。
上と同様サイズの小さい画像を表示しているのだけど、OpticBook3800と比較してノド周辺のピントのズレがより激しくなっている。上と同じ部分を切り抜くと次のようになっている。
端の方はよりはっきりとピントが合っており、ノドはピントがより外れている。つまり、EP-806ABではOpticBook3800よりも綺麗にスキャンできる代わりに、距離がずれると途端に読めなくなってしまうという設定になっている。読み取れる距離をシビアにすることで綺麗に読めるようにしているのである。一方OpticBook3800では少しくらい距離がズレていてもそれなりのものが撮れるが全体的にぼやけたものになるという性質がある事がわかる。
つまり、OpticBook3800は読み取り面と焦点距離があっていないのではなく、そもそもそれほど綺麗にスキャンできる機械ではないということである。結局、小細工を弄してきれいに撮れないかと頑張っても無駄ということ。スキャナとしての本質的な性質が明らかに劣っているので、どうしようもない。なんか色々と残念なスキャナである。
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