演奏解説のタグが入っているけど、演奏解説ではありません。今後、録音した際に演奏解説は別に書きたいと思います。
随分前にショパンのノクターンのナショナルエディションが近所の楽器屋に置いてありまして、調子に乗って買ったのですが、困ったことに解説などが全てポーランド語で書いてあるのです。英語版を買えばいいのにと今では思うのだけど、当時ナショナルエディションの存在自体がレアだったもので、ここぞとばかりに買いました。最近では英語版が簡単に手にはいるのだから完全に判断ミスでして、解説だけでもいいから誰か英語版のコピーとか貰えないかなと思う次第です。
最近、ノクターン15番Op.55-1を練習していまして、そろそろ録音してもいいかなという感じです。そこで、折角だからナショナルエディション準拠の録音をしようと思い、頑張って解説を和訳しました。元々ポーランド語なんて全然分からないので杉田玄白ごっこみたいな状態なのと、直訳だと意味がしっくり来ない部分が多々あったので完全に意訳です。一部全く理解できないパラグラフがありましたが、折角訳したので公開します。
ちなみにこの訳を作るのに20時間くらいかかりました。時給750円のバイトすれば15000円稼げます。英語版が3冊買えます。
ノクターン15番Op.55-1
P.93 6小節右手
ショパンのレッスン中の楽譜への書き込みでは14,30,46小節と同様にトリルの前にA音を付け加えるというものがある。しかしながら、この曲を素直に解釈するのなら、ここ6小節はまだ最初の主題付近であり、A音がない方がしっくりくる。
ノクターンOp.15-2の7,15,55小節の解説と比較すること。
14, 30, 46小節 右手
トリル開始のタイミングについて、トリル開始のA音を左手のB音と同時になるように弾く。
P.95 56小節
左手のB音について正しい弾き方というものを文献から見いだすことはできなかった。以下の4つの弾き方が考えられる。
3.および4.はペダルに頼ることなく簡単にきれいに弾けるため人気のある奏法である。
P.96 73~74小節 左手
ショパンのレッスンではベースの4音F, G, As, Eを低音のオクターブにすることがあったが現代のピアノでは響きが強すぎるためにそうするべきではない。また、76小節のAs、77小節のFのどちらでオクターブを止めるかはっきりしない。
ノクターンOp.9-2バリアント11~12小節、Op.27-2の49,59~60小節、Op.32-2の50~51小節、Op.37-1の1小節の解説と比較すること。
77小節およびその先 右手
molto legatoは「和声的レガート」を意味する。つまり、この2声の各声部をそれぞれ独立した旋律としてレガートにする。
77-79小節は次の運指でも良い。
81~83小節も同様である。
83~84小節
83小節の真ん中および84小節の始めにあるデクレッシェンドはナポリの六度を強調する。
P97 99~101小節
アルペジオの記号が左右の手に分けられているが、繋げた形のアルペジオにしても良いと思う。特に最後の和音。
ノクターンOp.32-2の1~2小節、Op.62-2の81小節の解説と比較すること。
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