先日、アップした革命のエチュードは今回の演奏解説に際しての副生成物となる。普段と逆になるのだけど、革命のエチュードは是非演奏解説を書きたいというのが第一にあり、次いで古い録音が聞くに堪えないので録音もついでにし直したかった。
録音すればイヤでも拙い点に気が行き、再録に際して練習することとなり、また演奏解説にもその点を反映させることができる。つまり、気が済むまでリテイクを繰り返すことで演奏そのものも解説もより高レベルのものになるわけ。
録音について
ショパンの大人気曲ということで世の中無数の録音が存在する。お薦めの録音はホロビッツ。ホロビッツの演奏するショパンは轟音をとどろかせるのではなく、あくまで高貴で美しい。ユニゾンは古今東西のピアニストの中で最も粒が揃っている。というか本当にユニゾンで弾いてるのか、実は右手しか弾いてないのではないか、とさえ思う。それに加えてペダルワークが神がかっている。以上の2点がずば抜けていることでホロビッツ(1972)を一押しとする。
2番目は演奏者の個性で好き嫌いがでると思うところなのでどれとは決めない。候補を上げるとすると、コルトー、シフラ、ポリーニ、ティボーデあたりかなと思う。
楽譜について
普段、ショパンのエチュードはナショナルエディションをメインに使っている。まさか、アマゾンに出品しているとは思わんかった。それにしても4935円は高い。自分の楽譜を調べてみたら3700円と値札が貼ってあった。たしか安城のツルタ楽器で買ったと思う。
今回、演奏解説に当たって全音版、コルトー版も参考にした。全音ピアノ名曲100選 上級編は全音版とちょっと違うところもあるんだけど大差はなさそうなので参考にはしてない。あと、僕が最初に譜読みしたピアノ名曲アルバムも参考にしようとしたけど、改めて読むのが面倒だったのでこれはスルーした。
全音版のアマゾンレビューでの叩かれ方は笑えるけど、僕は結構好きだよ。印刷はきれいだし解説は日本語だし作曲者の指示とかあんまり見ないしペダルも運指も好き勝手やるから。そして何よりも値段が安い。それなら春秋社版でもいいやんか、となるのだけど、春秋社版はね、函が邪魔なのよ。棚から楽譜を出すのも億劫で練習中の楽譜はピアノの上に置きっぱという不精者には中々ツライです。
具体的に各譜の特徴ですが、次の通り。
ナショナルエディション:演奏解釈が長い研究に裏打ちされている。小節番号が書いてある。権威主義者がへーこらする。アクセント記号をデクレッシェンドと見間違えるのは自筆譜をリスペクトしているからなのかも知れないが、そんなことよりも見やすい楽譜を作ってくれよ。
ナショナルエディションには「Perfomance Commentary Source Commentary(abridged)」という冊子が付いているのだけど、10-12についてだけ読んだところあんまり役に立ちそうなことは書いてないので参考にはしない。ナショナルエディションを作る上で底本がどうのとか、どうでもいいでしょ。
全音版:値段が安い。解説が日本語。日本人向けの運指で書かれているらしい。
コルトー版:細かい解説、練習方法が付いている。ペダルの指示がある。
ナショナルエディションと全音版は曲によってペダルの指示があったりなかったりする。10-12に関してはペダルの指示はない。一方コルトー版では細かくペダル指示がある。とは言っても、通常の記譜法ではペダルを踏む深さを表記することはできない。頑張ったところでせいぜいハーフペダル止まり。ペダル記号を濃淡で表現したり、ペダル記号の横にC.C.64の値を併記したりとかいった表記法は確立していないし、今後も進展があるようには思えない。何を言っているかというと、コルトー版の細かいペダル指示でも全然足りてないって言うこと。ならばいっそ、なくてもいいじゃん、というのが他の版。
ペダルの扱いについてはピアノペダルの使い方という古い本に書いてあることが参考になる。
このペダルを研究するに先立ってわれわれはまず、低い音よりも高い音の方をより重要なものと感じ、又より明瞭に聞きうるものであるという人間の耳の特性を思い出さなければならない。音の列がメロディーを構成している場合には、ことにこの現象が顕著となってくる。 |
すなわちある一つの音の次にそれより高い音が来るときには、このあとの音は前の音よりも明瞭に耳に入ってくるという事実を指すのである。したがって上行の形をとる和音に属する音は、同じペダルを用いて弾いても差し支えない。 |
和音の音が下降して続いている場合には決して同じペダルで弾いてはならない。なぜならば、高い音は後に出てくる低い音に寄って印象を消し去られることがなく、すなわち低い音が出てきてもなお重要な音として我々の耳に残っており、なおその上に第二の音は最初の音と一緒になってしまい、旋律としてではなく和音としての印象に変えられて聞こえてしまう。 |
この練習曲を演奏する上でとても重要なことをである。下降の音列ではできるだけペダルを踏むのを避けるべきであり、コルトー版はどうしてもペダルが必要なところでは細かく踏み変えることで実現している。
革命のエチュードはショパンの練習曲の中では割と容易な方だと言われている。実際の所、オタマジャクシを追っかけるだけなら実はそんなに難しくなくて、楽譜に書き込まれている指示を1つ1つ守ろうとするたびに(つまり、きれいに演奏しようとすると)難易度は上がっていく。結局、ピアノ曲としては難しい部類に入る。
それでは最初から順に解説していこう。
1~2小節
全音読みずれー。上段に書けよ。
1~8小節を前奏と見るか、第1主題と見るか。偉い人のアナリーゼ本とかに書いてあるかも知れないのだけど、そういうのは読んだことがないので何とも分からない。取り敢えず、第1主題と表記しておく。
まず登場するレガーティシモ。レガートに「シモ」をつけて強調している。ショパンのエチュードはこういうところが難しい。基礎的な練習を怠っているとレガートが弾けず、所々飛び跳ねてしまうから。
6小節まで共通しているのが左手の各拍頭がアクセントとなっていること。また、これらの音は全て2指で弾くことになっている。全音版では2指をこの拍頭のアクセント以外には使わないという徹底ぶり。全音版、コルトー版では2小節3,4拍ではCGCGを2515で取っている。全音版では出だしのAsにもアクセントが付いており、結果2指には全てアクセントが付いている。ナショナルエディションでは譜例の通りにしか書かれていないけど、2525で取るように読める。そんなわけで、このアクセントの都合上、2小節の2拍目まではこれ以外の運指は推奨できない。
実際の鍵盤上での指の動きについてナショナルエディションに書き込んでいるのだけど、左手始めから2小節の2拍目までは4音で区切ったA,B2種類の音型で1オクターブ下がり、ABを繰り替えす構造になっている。このA、Bの第2音と第3音の距離がAだと2度、Bだと3度となっている。この違いを認識しながら弾くとあんまりミスタッチしなくなる。
2、4小節目後半のトレモロは回数をちゃんと数えるように。
5~8小節
1,3,5小節とそれぞれの出だしのG7の音が1段階ずつ上がり、5小節目で出だし最高潮となる。この、FGDFの和音を1245で掴むのは中々しんどい。FGを1指だけで押さえてしまおうというのが全音版の方針。
各版のアクセントの違いは右手だけ、両手とも、始めのAsもなのかという違いがある。
7~8小節の強弱も各版バラバラなので、僕の演奏法を紹介する。全音版に書き込んでるのだけど、音が高くなったところにアクセントを付けてシンコペーションにしている。従ってアクセントを付ける音は3音となる。この部分、コルトー版ではペダルを踏むということで示してある。このアクセントを付ける3音は順番に強くしていく。また、全体にわたってクレッシェンドするようにしている。指使いは譜例のナショナルエディションに書いている通りなのだけど、このアクセントの部分は右手が5指、左手が1指になるようにしている。
指使いについて、1指が黒鍵に来るため不自然な指使いにならざるを得ない。黒鍵はできるだけ手前を押す。白鍵は黒鍵の隙間ではなくて前の黒鍵のない部分を押さえる。従って手を手前に引きながら弾くことになる。
9小節
何となく、右手最初のCを力一杯叩いてる。
左手のパッセージは音階の上昇に合わせてクレッシェンド、下降に合わせてでクレッシェンドする。1小節の中で1回、あるいは2回このように上下するタイプのパッセージは殆どがこのようになっている。このクレッシェンド、デクレッシェンドの解釈について、クレッシェンドは音を強くすると同時に速度を速くし、デクレッシェンドはその逆というのがある。そうやって演奏してみると確かにフィットする感がある。あんまりやりすぎるとキモくなるけど。
10~12小節
10小節からオクターブで第2主題が入る。オクターブは上の音を主張して弾いたほうがよい。
上段と下段の間に書かれている強弱記号は右手用のもの。
右手は高い音をフォルテで弾いた後、ピアノで低い音を弾く。この2種類の音は別の声部と認識して弾くとよいかも知れない。また、1音1音に強弱の設定があることを認識してしまうと意識することが膨大になり演奏するのが結構大変になる。
13~15小節
右手13小節4拍目はピアノだが、14小節頭のフォルツァンドに向けてクレッシェンドする。
次いで14小節頭はフォルツァンドと同時にテヌートとなっている。オクターブで旋律を歌うのにテヌートということはペダルでそう聞こえるよう誤魔化すより他はない。とは言っても、ペダルをべた踏みしてると音が濁ってダメダメになるのでべた踏みするのは14小節最後と15小節最初のみ。後は優雅に薄いペダルで引き延ばすように弾く。
ナショナルエディションでは上のAsを15小節にタイで繋げている。
15小節以降、更に激しくなる関係上、コルトー版では14小節後半左手をクレッシェンドするようになっている。
20~24小節
2回目に登場の第2主題はsotto voceの指示がある。「そっと囁くように」という意味。1回目とは対照的に弱音で弾く。ちなみに、sotto voceはナショナルエディションにしかない。
ナショナルエディション、全音版はクレッシェンドした後に毎回ピアノと表記してあり、あまり音量は上がらない仕様となっている。個人的には全音版を採用したい。
25~27小節
25から26小節にわたってクレッシェンドしていき、27小節の半ばで前半最後の山場となる。
全音版、コルトー版ではクレッシェンドの範囲が不明だが、ナショナルエディションでは25小節半ばからクレッシェンドしていき、26小節最後でストレット、つまり緊張感を高めて段々速くした後、27小節頭でフォルツァンドとなる。その後もまだ左手がクレッシェンドする。結局27小節半ばの左手最高音Gで最も盛り上がり、後は沈んでいく。
26小節のstrettoについて。辞書上の意味では「緊張感を高めて、段々速く」となっているが、「段々速く」と捕えた場合これより先に速度を戻す指示が最後の最後まで存在しない。この点を鑑みるにこのstrettoは「緊張感を高めて」だけの意味と捕えるか、あるいは「段々速く」はこのstrettoの部分のみと考えるべき。最低限、27小節は元の速度で演奏する。
左手のアクセントについて、全音版にはベース音と上のB音にアクセントを書き込んでいるが、コルトー版はベース音だけにアクセントが付いており恐らくこれが推奨される演奏となる。ナショナルエディションには何にも書いていない。
27小節の左手の一番高くなる音について、全音版では付点がついて溜めるように表記している。山場に達して少し浸りたい気分の現れとも思えるが、コルトー版に「恐らくショパンの演奏に一致させたものであろう。」と注記してある。
27小節左手後半の2拍は拍頭にアクセントが付いているのだが、1つめのアクセントが右手に付いているものかどうか判別ができない。左手についているんだと思うんだけど、どうなんだろ。
28小節
右手はBFDの和音として書かれているが、27小節の最後との繋がりを見るにBだけは主旋律の声部であり、FDとは別物として扱う。
左手は1234で半音下降を弾く。手は割と奥の方に位置することになるが、そうなると黒鍵と白鍵での距離の違いが際立つ。その上で均質な音を出すように努めなければならない。
左手の16分音符4つごとに上昇しながら下降していく動きはこの曲の出だしの左手を意識している。この動きは29小節以降の中間部に引き継がれ、41小節で第1主題の再現に繋がる。
取り敢えずこれで前半部は終了。次いで中間部に入る。
29小節
ここから中間部。
28小節の最後の消え入る感じに続いてピアニシモで入る人が多いが、フォルテが正しい。ただし、後半の出だしである41小節のフォルテシモに向かって徐々に盛り上がっていかなければならない。すると、f→ffよりもpp→ffとした方がダイナミックレンジが広くなり演奏効果が高い。
28小節から35小節までは第1音と第2音が離れており、インテンポで弾くのは不可能。なので、中間部全体を通して情緒豊かに歌うようにして誤魔化すことが必須となる。
29~32小節目
左手の4音ごとの連なりは慣れないと上手く指が動かない。逆に慣れすぎると指が勝手に動くのにまかせて漫然と脱力して弾いてたりする。漫然と弾いていると打鍵のタイミングが酷く疎かになるので、気持ちよく演奏している分にはよいが聴いている人はあまりよい気分にはならない。
35~36小節
35~36小節は手元にある3冊とも強弱の表記がかなり異なっている。ナショナルエディションは強弱の表記は一切ない。全音版は34小節の2拍目に始まるクレッシェンドが37小節頭のフォルテシモまで続いている。コルトー版では譜例の通り35小節フォルテシモで始まり35小節終わりでデクレッシェンドした後36小節ではクレッシェンドし、37小節頭で再びフォルテシモになる。
4拍目の4音。コルトー版のペダルワークは既に人間業ではないが、ペダルを連打できる程度まで速度を落とすと考えると納得できる。この4音は速度を落とすことに加えて、完全にペダルを離してしまうことにしている。というのは、このあたりの音域ではフォルテで弾くとペダルを踏まなくてもダンパーが弦の振動に負けて弦を押さえきれず少し音が響いてしまうため、ペダルを踏む必要がない。それに、37小節に向けて1音1音濁らせずにはっきりと聴かせたい。
37小節
左手4拍目、2313で取ろうとすると、3指が忙しいことになる。漫然と弾いていると、変だなぁと思っても意識に残らずにスルーしてしまう。
40小節
☆で示した部分。C→Asを3→4で取るには、指をしっかりと伸ばさないと届かない。
41~44小節
ここから後半部に入る。
1小節目とは微妙に違う。右手の音が1段階上がってより劇的になっていたり、フォルテシモになってたり、レガーティシモじゃなくなってたりする。
45~48小節
各社とも表現が違ってて、最早何が何だか。
ナショナルエディション:フォルテで始まる。最初の音にスタッカートが付いている以外はスラーが付いているだけ。スラーは次のように切ってある。
|45小節の第2音~46小節最後|47小節1,2拍|47小節3,4拍|48小節|
46小節のスラーの繋げ方が好かない。
全音版:譜例。音量の指示はない。第2音にアクセントがある以外47~48小節はコルトー版と同じ。47小節2音目から47小節始めまでスラーが続き、次いで48小節始めまでアクセントの位置でスラーが切れるようになっている。48小節は右手高くなる音にアクセントが付いている。
コルトー版:全体的に全音版と似ている。スラーは完全に全音版と一致している。第1音にスフォルツァンドとスタッカートがあり、続く第2音からはフォルテシモとなっている。45小節2泊目から47小節最初までスラーが続く。46小節までは譜例と同様に拍を刻むようにして両手共にアクセントが付いている。47小節は右手スラーの開始音にアクセントがある。48小節は右手の高くなった音4箇所のアクセントがある。47~48小節のアクセントは7~8小節ではペダル表示指定あるポイントとなる。
49~64小節
第2主題の再現となる。
基本的に左手は前半部と同じで右手を変奏させる。この際、右手の打鍵のタイミングはあまり正確である必要はない。
一方左手は一定のリズムを保って弾く。テンポを揺らさないということではなく、寧ろ小節内に於いてテンポは揺らすが各小節にかかる時間を一定に保つよう心がけて弾く。
変奏はちょ~っとずつ複雑になりつつ65小節の後半山場フォルテシモに向かってピアノとかを交えつつクレッシェンドする。
54~55小節
55小節頭のアルペジオの弾き方はコルトー版に脚注で次のように示してある。コルトーの録音と違うやん、っていうのは言いっこなしだ。
主旋律に当たる上のDだけ音符の位置で弾きそれよりしたは前打音としてアルペジオを作る。
また、ナショナルエディションでは54小節の一番上のAから55小節のAにタイで繋がっている。
全音版はこの部分、指使いの指定が酷いので参考にしない方がいいです。
65~68小節
この当りが後半部の山場。
66~68小節の左手は黒鍵と白鍵が半端に入り乱れて凄く弾きにくい。各譜共に指使いを工夫し合ってるんだけど、結局全音版の指使いが最も弾きやすかった。とはいえ、完璧にレガートで弾こうとするには人間離れした柔軟性と敏捷性を要求されるので、効果的にペダルを使って誤魔化すところ。幸いにして弾きにくい部分はペダルを踏み始めてから間もない部分なので誤魔化しやすい。
69~80小節
そろそろコーダかな、という辺り。
68小節のデクレッシェンドをここのピアノまで引っ張ってきている。最初にフォルツァンドは右手にかかってくる。
ここから音量の細かい増減はあるが、次第に抑えられていく。69小節のピアノで始まり、73小節ではウナコルダで左のペダルを踏んで叩く元を減らし音を柔らかくする、75小節では消え入るようなスモルツァンド、77小節ではsoto voce、78小節でピアニシモ、80小節ではpoco rallentとちょっとゆっくりになる。80小節は全音版だけは左手がピアニシモで右手がピアノという指示になっている。以上のように手を変え品を変え様々な表現で静かに静かにと指示が入っている。
81~84小節
最後。
まず、a tempoで80小節のpoco rallentをキャンセルする。
81小節のフォルテシモの位置が最初の譜と2音目の譜が存在する。CDの演奏を聴くと圧倒的に2音目の方が多い。多数決、とういうわけでもないが僕は2音目からフォルテシモとしている。
appassionatoは「情熱的に」という意味。edはandと同じような意味、"ff ed appassionato"で「激強で情熱的」というような意味合いになる。
81~82小節はこれまでに2回出てきた似た音型のユニゾンとは音が違うことに注意。どこがどう違うかしっかり頭に入れておくこと。また、拍を示すアクセントが存在しない。譜例に示した指使いで弾くと、右手3指で叩く音が鍵の位置的に弱くなりやすいので意識して強く叩くと音が均質になる。
ナショナルエディション:譜例。スラーが付いていない、ということはノンレガートでも構わないということかな。最後の4音は括弧付きで(fff)となっている。ショパンには割と珍しいフォルテシシモ。グランドピアノだとなるんだけど、最後の4音を力一杯叩くと予想外にデカイ音がでてびっくりすることがある。最後の最後で羽目を外さないように。
コルトー版:相変わらずご丁寧にペダルの指示がある。あまり参考にしないが、最後の2小節だけはこの通りにペダルを踏む。べた踏みです。フォルテシモは81小節の最初にある。a tempoではなく"Tempo"とだけ書いてある。意味が通らない。"Tempo I"とでも書いてくれればいいのに。83小節は"ff pesante"となっている。ペザンテは「重厚に」という意味。
全音版:まぁいいや。
革命のエチュードは僕の中でもそれなりに歴史をもっている曲だから、こだわりというか注意すべき点を多く見いだしている。それらを書き出していったところ結構な量となってしまった。
実際に演奏する際はこれらの注意点を逐一注意しているわけではなく、半分以上は日々の練習により脊髄反射的にクリアできるようになっている。そこから漏れる注意点を演奏中「次はココがポイントだ」みたいに気をつけながら弾いている。
ときどき、演奏中に曲の背景とか、昨日見たアニメのこととかに思いを巡らせて感涙にむせびつつも演奏する、とか言う話を聞く。あるいは、「何を考えながら演奏してますか?」とか訊かれたりする。でも、演奏中に演奏以外のことを考えると往々にしてトチって止まったりする。なので、そういった感傷的な部分は練習中にでも考えておいて、演奏中には演奏だけに集中するようにしている。
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