ショパン ワルツ20番 演奏解説

     ショパンのワルツは公式には19曲ということになっているけど、20番というショパン作かどうか疑われているナンバーがある。"Valse mélancolique"というタイトルが付けられている。日本語では「憂鬱なワルツ」となる。左手分散和音の音域の広さはショパンらしいと思うけど、その分散和音の時々現れる非対称性はショパンらしくないなあと思う。本人が作ったとかいうのはどうでもよくって、結局そこに曲があるから弾くというだけ。Piano Trio Op. 8/Variations for Flute & Pianoというショパンのレアナンバーを集めたCDに収録されていて、悪くないなと思って弾くことにした。楽譜はIMSLPにアップされていたのだけど、あんまりにも画質が悪くて読む気にならなかったので改めて浄書しなおした。楽譜のページにおいてある。指使いは僕のオリジナルとなっている。
     技術的に困難な部分があるわけでもないので、軽く解説を済ませようと思う。

    テンポについて
     この曲はテンポがすごく揺れるので74小節の再現部で最初のテンポに戻そうにもどれくらいの速さだったかすっかり忘れていて困る。しかも"Tempo I"とか書いてないので最初のテンポに戻すのが正しいかもわからない。ともかく、最初から最後まで常に加速か減速をしながら演奏することにした。でないと、曲の表情の変化が唐突になってしまう。

    53〜55小節

     各小節左手の最上音を右手で取る。左手を動かさずに済ませることができる。

    84小節

     マイナー曲を紹介する意味もあるのだから、できるだけ楽譜通りに弾くべきだと思ったんだけど、どうも我慢できずにアレンジしてしまった。1箇所くらい勘弁してね、って感じで。

    97小節

     "marcato"とあるので、はっきりと演奏する。はっきり弾くにはペダルを緩めるのが一番わかり易い。ペダルを踏むと強いリバーブで音の輪郭がぼやけるから。
     楽譜には特にペダルの指示とか書いてないのだけど、98〜112小節のうち105小節を除いた部分は右手が長い主旋律と8分音符の合いの手で構成される。それで、合いの手の部分をペダルなしで弾く。
     具体的には拍頭でペダルオフにして、右手で合いの手を入れる。そして小節後半で左手の8分音符3音を引き始めたら、合いの手を離鍵していることを確認してペダルを踏む。