血液型

 血液型と性格の関連を信じている人というのが思いの外世の中、というか日本には多く存在するらしい。どういう訳か女の人に多いように思う。あんまり大声で非科学的な妄想を垂れ流されるのは非常に迷惑なわけで。そんでもって、根拠のない妄想だと指摘するとものすごい勢いで噛み付かれる。ホント勘弁してほしい。

 ABO式の血液型は、ABO3つの因子から重複ありの2つの因子で表現型が決まる。日本人なら中学校で必ずメンデルの法則を習うためそこら辺を説明しても仕方ないので少し端折るが、AとBは優生でOが劣性。優生の因子が2種類あるのでこういうのを共優性という。
 それはそうと、両親の血液型から子供の血液型は確率的に決まってくる。ABO型の血液型は表現型としては4種類だけど実際はAA AO BB BO AB OOの6種類の遺伝型が存在する。OO:29% AA:8% AO:31% BB:3% BO:19% AB:10%を代入して、6×6のマトリックスを作れば図のように割合が見えてくる。

 この表を使って後世の血液型分布の変化を調べることができる。勿論数学的モデルなのであまり現実には即していないが、試行回数が増えれば現実の方が計算モデルに近づいてくる。
 エクセルで足し算するだけなので、入力する手間さえクリアできれば完了する。
 そんなわけで作ったのがこのファイル。試しに20世代後まで計算してみたのだけど、一瞬で収束してしまったのか下図の通り2世代目から全く変化がない。

 いくら数値を極端に弄ってみても2世代目からは変化がない。これは数学的に証明できそうだけど、何せ計算が複雑になってくるのでやる気が起きない。
 困ったときはネットに頼るに限る。あっさり見つかりました。後は任せた。
http://homepage3.nifty.com/Nowral/47_Math/mendelmachine.html

 証明という手法を取ってはいないけど、数学的に見事に説明しきっている。因数分解とか漸化式の解決テクニックは羨ましいほど。
 そんなわけで、最初の交配で分布に変化はなくなる。収束という表現は適切じゃあない。では何て呼ぶんだろう。
 ともかく、余計なことで悩んで時間を費やさずに済みました。