沖縄県の人口動態

 選挙とかの際に他地域から移住して特定の候補者を支援するという話をときどき聞く。本当のところ、これはどうなんだろうと思って、実際の人口動態について調べてみた。政治的な行動は年齢によっていくらか傾向がありそうなので、年齢で切り分けて見た。
 調査の対象は政治活動が盛んで中国の工作員がたくさんいると見られる沖縄県。人口については沖縄県の公式サイトからデータを落として算出した。
 データが分散していて分かりづらい。折角だから、DLしたデータをまとめておいておく。
沖縄の人口動態
 まとめると次の通り。なお、単位は千人となっている。

平成 総数 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80以上
12 1318 83 88 95 96 87 99 90 89 94 101 83 62 68 60 46 32 46
13 1329 84 87 91 97 87 100 94 86 93 99 95 55 67 63 48 33 49
14 1339 84 86 89 97 87 100 96 87 92 97 99 58 67 64 51 34 52
15 1349 84 85 87 94 91 97 98 88 91 95 100 64 66 65 53 36 55
16 1359 83 84 86 90 94 94 101 89 89 94 101 70 64 66 55 39 58
17 1362 82 85 88 90 84 93 104 92 89 93 100 82 61 65 56 41 56
18 1368 81 85 86 89 86 91 104 96 86 92 99 94 55 65 59 43 59
19 1373 81 84 83 86 87 89 103 97 87 91 96 98 57 65 60 45 62
20 1376 81 83 82 81 89 88 100 100 88 90 95 99 63 63 61 47 66
21 1382 82 82 81 79 91 88 97 102 89 88 93 100 69 62 61 49 69
22 1393 81 81 84 84 77 87 95 106 92 89 93 99 82 59 62 51 70
23 1401 83 81 84 85 74 86 93 106 97 87 92 98 94 54 62 54 73
24 1409 84 81 84 84 74 85 91 105 99 88 91 95 98 56 62 55 77
25 1415 85 81 83 82 75 83 90 103 102 89 90 94 98 62 61 56 81
26 1421 85 81 82 80 77 80 89 99 104 91 89 93 99 69 60 56 85

 平成12年から平成26年までを5歳刻みの人口となっている。5歳刻みと分解能が悪いことと、年齢、人口、年度と3軸あることからデータが読みづらくなっている。横軸:年齢、縦軸:人口、奥行き:年度として3次元でグラフを描くと次のようになる。

 これを見て分かるのは特定の世代に山と谷があること。平成12年の25、45歳が山で、35、55歳が谷となっていて、経時によりシフトしていることから、この世代特有の動きだということがわかる。また、75歳で谷になって80歳で高くなっているが、これは80歳ではなく80歳以上を表しているためである。
 表のxyを逆にすると年代毎の一覧を見ることが出来る。因みに、HTMLで表を書くのが面倒なのでこれ以降は表は出さずにグラフだけ出す。

 ここまで数が多いとどれとどれが対応しているのか分からなくなる。
 顕著に増えている年代が55、60、75、80歳。これらの直前の年代で同様の減少が見られないことから、県外からの流入と判断できる。
 年代毎の基準で見てしまうと、経年で枠が変わってくるので、同一人物が同一枠に居続けるという前提での議論が出来ない。そこで、出生年度を基準にした世代別のグラフを描いてみた。

 1985年から1995年くらいの世代が最も大きく変化しているが、後述するように進学や就職のためなのか本土に移住するためである。1940年から1950年に生まれた世代の変化が大きいことがわかる。
 移住者については前年度との差に加えて、加齢による変動を補正することで推定できる。加齢による補正は、その5歳分の人口が均等に分布していると仮定し、その年代の1/5が次の年代に行き、一つ下の年代の1/5が入ってくるとして求めた。


 同じ軸でグラフを描くとぐちゃぐちゃになって読めないので、年度毎に5ずつ上げて描いた。
 13年で50歳の山と55歳の谷が経年で右にシフトしていくのが特徴的であり、同じ世代が一緒に動いているという印象である。

 取り敢えず、データを見える形にしてみたのだが、あまり劇的な結果は得られなかった。元データの分解能が低い(千人単位では投票行動には多すぎる)、僕自身があまり真面目に考察するつもりがない、選挙のための動員なら同じ選挙区に引っ越さなければならないので沖縄全体を見るのでは広すぎる、といった理由のためである。
 市町村ごと、あるいは選挙区ごとのもっと細かいデータがあれば、もしかしたらなにか見えるかもしれないけど、そうなると逆にデータ量が多すぎて手が回らなくなってくる。 まぁ、その場合でもやりようはあるのだけど、金を貰ってやっているわけでもないのでそんなに没頭する気にもなれない。それよりも、やる気があるのなら有志を募って人海戦術で片付けたほうが手っ取り早いと思う。
 今回の分析は選挙の動員がどうこうというよりもこういう手続きで人口動態を少し詳しく分析できるという試みであり、結果としてイマイチ信頼性に疑問をおぼえるという程度のデータが得られますよということが分かった。

 例によって今回作図に使ったエクセルファイルを上げておく。
沖縄の人口動態.xlsx