英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄

 祥伝社から出ているヘンリー・S・ストークスの英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄という本を読んだ。
 書店で見つけて何気なく買ったのだけど、偶然同じタイミングで共同通信からこの本に関する記事が出た。一応魚拓を取っておいた。ナチュラルに捏造が含まれているのだけど、次いで報道各社が追随している。
 この辺りの動きについては日本報道検証機構がまとめている。長いので引用はしないのだけど、コメント欄で簡潔に纏めている方がいるのでその部分だけ引用する。

トークス:一般に言われるような「南京大虐殺」はなかった。
藤田裕行:南京大虐殺は中国による捏造。
共同通信:ストークス氏は、中国による捏造なんて言ってない。藤田のウソ。
トークス:確かにそこまでは言ってない。でも趣旨は合ってるから、藤田のウソではない。

 と、こんな感じで、相変わらずマスコミは酷い偏向報道をする。どっちが捏造なのだか。
 ところで、ストークス氏は日本語ができないから、日本語に翻訳してもらったという書き方がされているが、本書の中でストークス氏は日本語について次のように語っている。
 p54 日本語を完全に身につけなかったことだけが、心残りだ。
 p82 インタビューは、私が日本語で行い、時折、大蔵官僚が通訳の労をとってくれた。
というわけで、ストークス氏は日本語が全くできないわけではなく、英語でのフォローを得つつ日本語でインタビューを行う程度には日本語ができることがわかる。
 では、ストークス氏はこの本のゲラを読まなかったのかという疑問を覚える。かなり平易な文章で書かれているので読めないこともないんじゃあないかと思うんだが、どうなんだろ。読んだけど、自分の文章を一字一句覚えているわけでもないし、内容に問題があるように感じなかったからそのままスルーした、とかいう辺りが真相だったりするんじゃなかろうかと思う。

 話はずれるのだけど、この本の中でボコールの薔薇という映画に関する記述がある。カンボジアから亡命したシアヌーク平壌で撮った映画なのだけど、youtubeに上がってた。リンク先を見てもらえばわかるが、「この動画に関連付けられていた YouTube アカウントは、著作権侵害に関する第三者通報が複数寄せられたため削除されました。」といって削除されている。この動画をアップしたjun05858というアカウントも「YouTube アカウント jun05858 を停止しました。これは、著作権侵害に関する第三者通報が、以下の申立人を含む複数のユーザーから寄せられたためです:創価学会」といって消されている。いつもの創価学会による言論弾圧&嫌がらせにあったらしい。
 消されたときのスナップショットを撮っておいたのだけど、このJun05858のアイコンを見ると「日台友好」と書いてある。なるほど、中国共産党とべったりの創価学会には日台友好は非常に都合の悪い話というわけだ。
 ちなみに、ポコールの薔薇はカンボジア国父ノロドム・シアヌーク国王公式サイトで見ることができると台灣建國應援團のサイトに書かれてるんだけど、実物が見あたらん。
 というか、日台友好を標榜するJun05858は台灣建國應援團の関係者ではないかと思うのだが、どうなんだろ。



20201018追記

 事前予想が辺り、無事元記事が削除されて次のように表示されている。


翻訳者、南京虐殺否定を無断加筆

2014年5月9日 10時9分
ざっくり言うと

ベストセラーの翻訳者が「日本軍による南京大虐殺はなかった」と無断加筆した
英国人の著者が「後から付け加えられた。修正の必要がある」と述べた
翻訳者は加筆を認め「誤解が生じたとすれば私に責任がある」と語った

提供社の都合により、削除されました。
概要のみ掲載しております。

 こんな事もあろうかと魚拓を取っといたので事なきを得たが、魚拓も普通に消されるので、内容を転載する。


南京虐殺否定を無断加筆 ベストセラーの翻訳者

 米ニューヨーク・タイムズ紙の元東京支局長が、ベストセラーの自著「英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄」(祥伝社新書)で、日本軍による「『南京大虐殺』はなかった」と主張した部分は、著者に無断で翻訳者が書き加えていたことが8日明らかになった。

 英国人の著者ヘンリー・ストークス氏は共同通信に「後から付け加えられた。修正する必要がある」と述べた。翻訳者の藤田裕行氏は加筆を認め「2人の間で解釈に違いがあると思う。誤解が生じたとすれば私に責任がある」と語った。

 同書はストークス氏が、第2次大戦アジア諸国を欧米の植民地支配から解放する戦争だったと主張する内容。「歴史の事実として『南京大虐殺』は、なかった。それは、中華民国政府が捏造したプロパガンダだった」と記述している。

 だがストークス氏は「そうは言えない。(この文章は)私のものでない」と言明。「大虐殺」より「事件」という表現が的確とした上で「非常に恐ろしい事件が起きたかと問われればイエスだ」と述べた。

 藤田氏は「『南京大虐殺』とかぎ括弧付きで表記したのは、30万人が殺害され2万人がレイプされたという、いわゆる『大虐殺』はなかったという趣旨だ」と説明した。

 だが同書中にその説明はなく、ストークス氏は「わけの分からない釈明だ」と批判した。

 同書は昨年12月に発売、約10万部が売れた。ストークス氏単独の著書という体裁だが、大部分は同氏とのインタビューを基に藤田氏が日本語で書き下ろしたという。藤田氏は、日本の戦争責任を否定する立場。ストークス氏に同書の詳細な内容を説明しておらず、日本語を十分に読めないストークス氏は、取材を受けるまで問題の部分を承知していなかった。

 関係者によると、インタビューの録音テープを文書化したスタッフの1人は、南京大虐殺従軍慰安婦に関するストークス氏の発言が「文脈と異なる形で引用され故意に無視された」として辞職した。(共同=ベン・ドゥーリー、木村一浩)

折角なので魚拓ごとarchive.todayで保存しておく。