タイマーの修理

 先日、タイマーに大アサリの汁がかかって壊れてしまった。
 通常は磁石で冷蔵庫にくっつけてる状態。それで、冷蔵庫から大アサリの入ったパックを出して冷蔵庫の上で封を開け、大アサリはグリルへ、パックは残った汁を流しに捨ててゴミ箱へ、と行く予定だったんだけどパックの中の汁がこぼれた。汁をこぼすなんてよくあることなので、しょうがないなぁと言って汁を拭き取ろうとするが、冷蔵庫にはっついたタイマーの様子が変。表示が消えかけてる。そう思ったら消えてしまった。
 一応5年モノのタイマーなので、偶然電池が死んだのとタイミングが一致したという可能性も考えて換えの単四電池を入れてみたけどうんともすんとも言わない。やっぱり壊れたみたい。色々頑張って直すよりも買い換えた方が安いだろうことは想像に難くないんだけど、できれば修理して使いたいな、と思う。電子工作技能が全くないので科学力でどうにか補って修理できないかなと試みた。

 まず、タイマーを開ける。裏側からちっこいネジ4つで留められている。そして燦然と輝く"MADE IN CHINA"の文字。これくらい単純な機械なら支那製でも問題なく働いてくれる。
 さて、精密ドライバーはどこにあったかな。・・・・なくなった。仕方がないからダイソーの100円で買った十徳ナイフ付属のプラスドライバーで開ける。ネジの頭が錆びてるのは何でかな。中はこんな感じ

 写真はネジを外した状態だけど、7つくらいのネジで基盤が固定されている。所々大アサリの汁で汚染されている。基盤を外すと液晶に通じるラインとボタンが出てくる。液晶は一番表側が薄いアクリルのシートで、液晶自体はガラスに挟まれた形になっている。液晶を挟んでいるガラスは基本的に人が触ることがないのでよく切れそうな鋭いままになってる。液晶に続くラインはゴムみたいな柔らかい素材だけど、黒鉛っぽい色をしており柔らかい伝導材料。初めて見るけど、普通に使われてるモノなんだろうな。基盤と接触させるだけで柔らかいから密着するようになってる。
 故障の原因は大アサリの汁と分かっているので、これをきれいに拭き取ることで直るかなと予想。色々観察するうちに誤作動を起こす部品がこのコンデンサーっぽい何からしいことが分かる。というのは、この部品の2本の配線の根本に汚れがすっかり固着して短絡したようになってる。というか、この2本の配線、写真からは分からんけど根本が近すぎるよ。少し離して設計するべきじゃあないかな。
 というわけで、頑張って汚れをこそぎ落とそうとするけど、上手く取れない。こうなったら、丸洗いするしかない。電子機器を水洗いというのはあまりよい印象を受けないかも知れないけど、気をつける点は錆びないようにすることと漏電。電源を除去してコンデンサを放電させれば特に問題なさそう。とはいえ、これが単純な構造だからであって、もっと複雑なモノを水洗いとかは止めたほうがよい。
 水洗いに際し、余計なモノは外しておく。基盤だけ洗えたらよかったんだけど、どうも電極が本体にくっついており取れない。仕方がないから、液晶パネル、電池、ボタンを外しボディと基盤だけの状態にした。それで、しっかり水洗い。汚れが完全に取れているのを確認し、干しておく。ここで電池を入れようものなら本当に壊れてしまうだろうことは予想に難くないので、翌日まで放置。
 翌日、完全に乾いていることを確認。本体の隙間に溜まった水が残っているけど、テキトーに拭き取ってやる。さて、動作確認だと思ったところ、+極の導線が電極部分で切れている。一応、電池を入れて無理矢理電極部分を接触させるとタイマー自体は正常に動くことを確認した。
 やたー、直った。と素直に喜べない。
 半田でくっつけてやるべきなんだけど、そんなモノはない。仕方ないので、導線のカバーを少し引っぺがして自然に接触している状態を作った。一切固定していないので衝撃で簡単に離れてしまう。今後慎重に使うことにしよう。
 そんなわけで、ネジをつけ直して修理完了。
 今回の教訓。壊れた電子機器は水で洗って干せば直る。