でたとこサーガ 判定の達成値と確率について

 先日予告した通り、でたとこサーガの判定の確率を計算したので説明する。
 先のエントリーでは計算過程が複雑すぎて計算間違いが避けられないというようなことを書いたけど、落ち着いて計算しなおしてみたらあっさり解けたのでちゃんとした形で公開する。

 でたとこサーガではスキルランク+1個のサイコロを振って高い2つを選ぶという判定をする。
 サイコロをn個振ったときの組み合わせはn6通りあるので、それぞれの組み合わせで得られた結果(2~12)の個数を数えて、その数をn6で割ることで各値の確率が得られる。
 例えばn=2のときは次のようになる。

出目個数確率
211/36
322/36
433/36
544/36
655/36
766/36
855/36
944/36
1033/36
1122/36
1211/36

 サイコロの数がn個のときのこの表を書くことが目的となる。
 n=2のときは上のように書き出すことができるが、nが増えることで指数関数的に組み合わせが増える。n6を数えるのは現実的ではないので、各値が幾つになるのかを論理的に求める。
 2~12の値では出目の本質が見えてこないので、2D6の出目を2つのサイコロに分離して、D66の形で表すと次のようになる。

出目サイコロの組み合わせ
211
321
431, 22
541, 32
651, 42, 33
761, 52, 43
862, 53, 44
963, 54
1064, 55
1165
1266

 この表の右側のサイコロの組み合わせの組み合わせの数を求める。
 組み合わせの形状から、ゾロ目とゾロ目意外の2種類の集合に分ける。計算手順がこの2種類で分かれるためである。

ゾロ目のとき
 ゾロ目とは言っても振ったサイコロの全ての目が同じというわけではなく、最も高い2つの出目が同じだという意味。
 1がs個、2がt個、3がu個、4がv個、5がw個出るとする。

・66
 いきなり一番大きい6から始めるのは少し不自然なのだけど、1ゾロでは一般化の話が出来ないし、かといって4を最初にすると順番に統一性がないので仕方なく66から順に説明する。ちなみに自分で計算した際は55を最初に行った。
 判定結果が66となるときは最低2個6が必要で、他のサイコロはどんな目でも構わない。各目の取れる範囲は次の表のとおりとなる。

個数取れる範囲
1s0~n-2
2t0~n-2
3u0~n-2
4v0~n-2
5w0~n-2
6n-s-t-u-v-w2~n

 s,t,u,v,wが取り得る組み合わせを網羅すれば良い。これは次の通りになる。

 最初に提示するには気が引ける長さ。一番大きいところから説明するからこうなる。
 一応説明しておく。最初のシグマは1の数つまりsが0~n-2までを取り、それぞれの組み合わせの個数をシグマの中にあるnCsで求める。2つ目のシグマはtが0~n-s-2までを取り、それぞれの組み合わせの個数をシグマの中にあるn-sCtで求める。u~wについても同様である。6が出るときの組み合わせを表記していないが、1~5を全て記述しているため残りは1通りしかないため、掛けても変わらないということで書いていない。

・55
 66で一般化は既に済んでいるので、あとは順番にシグマとコンビネーションを減らしていけば良い。

 以下同様。

・44

・33

・22

・11
 11は全ての目が1にならなければならないので1通りである。

 以上でゾロ目のときは一通り書き出したのだけど、式中にコンビネーションが入っていると気分が悪いのでこの部分だけは展開しておく。シグマの展開は難しいので放置。

・22

・33

・44

・55

・66

ゾロ目ではないとき
 2つのサイコロの目をそれぞれA,Bとする(A>B)。Aは1つだけ最も高い値、Bは残りn-1個の内で最も高い値となる。
 ゾロ目のとき同様に、1がs個、2がt個、3がu個、4がv個出るとする。

・65
 65となるには6が1個、5が1個以上、残りは1~4となる。各目の取れる範囲は次の表のとおりとなる。

個数取れる範囲
1s0~n-2
2t0~n-2
3u0~n-2
4v0~n-2
5n-s-t-u-v-11~n-1
611

 この表の右側のサイコロの組み合わせの組み合わせの数を求める。66のところでも少し説明したのだけど、1~6の内1つは、「残り1つ」ということで省くことができる。表の中で一つだけある矢鱈と複雑そうな5を省くことにする。
 この組み合わせを網羅すると次の値となる。

 以下同様に書き出していく。

・64, 54

・63, 53, 43

・62, 52, 42, 32

・61, 51, 41, 31, 21
 nC1

 以上となる。ゾロ目の時と同様に整理する。
・61, 51, 41, 31, 21
 nC1=n

・62, 52, 42, 32

・63, 53, 43

・64, 54

・65

 以上でD66による組み合わせの個数が求まった。
 次からは各D66の要素を2D6に還元して集計する。

・2 (11)
 1

・3 (21)
 n

・4 (31, 22)

・5 (41, 32)

・6 (51, 42, 33)

・7 (61, 52, 43)

・8 (62, 53, 44)

・9 (63, 54)

・10 (64, 55)

・11 (65)

・12 (66)

 以上、2~12の組み合わせ総計となる。これを6nで割ることでそれぞれの確率を得ることができる。
 これで、期待値、標準偏差も求めることができるけど、式が長くなるからやらない。
 もっと単純な形にまとまったらエクセルで具体的に計算してグラフにしたかったのだけど、こんなだからやる気にならない。先のエントリーで6Dまでのグラフは描いたし、その後の傾向も予想がつくので無理に時間を費やして作ることもないかなと思う。

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