PCを新調した、ということで、以前は見ることのかなわかなったブルーレイを視聴することにした。
見るのは前回と同じ灰羽連盟。発売が2010年7月なので2年半寝かしておいたことになる。一応、人んちで見ましたがね。
それはそうと、いろいろ頑張った結果見れるようにはなったわけだけど、Windows8の糞っぷりは相変わらずで、それに加えてブルーレイを始めとする近年の著作権過保護制度の糞っぷりもどっぷり体験した。Windows8については今更言うまでもないけど、著作権については著作権者というよりその周辺業者を始めとする何も作らずに著作権によるピンはねで喰ってる連中による犯罪だと勝手に認識している。技術的に視聴のための敷居を高めまくっておいて売れないのは違法コピーの所為だとか言ってしまう厚顔無恥っぷりがその背景にあるのではないかなと思う。CCCDの失敗からなんにも学んでいない。
ブルーレイを見るためのハードルはいくらかあるのだけど、CyberLink Blue-ray Disc & 3D AdvisorによるとCPU,GPU,RAM,OS,グラボ,ドライバ、BDドライブ、ソフト、HDCPとある。
CPU,GPU,RAM,グラボ、ドライバ、BDドライブはハード的な部分だから対応してなければ話にならない。OSもまぁいいでしょう。TownsOSでBDが視聴できるとも思えないし。問題となるのがソフト、HDCPである。ソフトは再生ソフトのこと。再生するのにソフトが要るというのは当然のことだけど、恐ろしいことにBDドライブにはソフトが付いているわけではない。ちなみに僕が持っているドライブにはPOWERDVD8.0が付属していたがこれについては後述する。また、ソフトにはAACSという著作権過保護システムが働いている。テキトーに調べたら千年旅行はじめましたで簡単に説明していた。アメリカの著作権過保護協会みたいなところが独占しているシステムだそうな。
HDCPというのはモニタ側の著作権過保護機能。最近のモニタは一方通行で送りつけた画像をディスプレイに表示するのではなく、モニタからホストに何かしらリアクションをして自分が何者かを主張するらしい。だからモニタケーブルもDVI、HDMI、DisplayPortといったデジタルケーブルが出てるわけ。デジタルケーブルなんて書いてしまうと昔懐かし8色しか表示できなかったデジタルRGBを思い出すけどそんなんじゃあございませんで。10億色フルカラーとか宣伝されても65536色の違いがわからない人間としてはピンと来なかったりする。
そんなわけで種々のハードルを乗り越えてゴールまで辿りつけた一握りの勇者だけがこのブルーレイというメディアでアニメを視聴できるのだけど、僕の場合は2年半前にすでに足りないのはCPUだけという状況になっており既に全てのハードルはクリア済みなのであとはドライブにBDを入れて視聴するだけだった。
ところで次の画像を見てもらいたい。
Bule-ray Disc & 3D Advisorの画面だけど「HDCP対応ディスプレイ:なし」となっている。ちなみに現在僕が使っているモニタは画像の左下に型番が書いてあるけどヒューレット・パッカードのZR30wという機種。公式サイトとかを確認すると「DVI-D(HDCPサポート)×1、DisplayPort(HDCPサポート)×1」と、当然のようにHDCPサポートとなっている。ちなみに接続はDisplayPort。何かドライバとかソフトとかインストールしないとダメなのか?とか思って、モニタ、グラボ、マザボの付属ディスクを全てインストールしてみたけど変化なし。モニタ不良品疑惑が湧き上がる中、接続をDVIに変更してみた。すると、下画像の通り「HDCP対応ディスプレイ:対応」に変わった。不良品やん。
この件は後日HP社に文句を言うということにして、次なるハードルである再生ソフトについて。これが一番苦労した。
PCをセットアップした時にPowerDVD8.0を一緒にインストールしているのでこいつで再生するだけだ、チョロいぜとか思ってた時もありました。
まず、PowerDVD初起動。アップデートしてくれみたいなポップアップが出てきたので唯々諾々と従うと勝手にIEが起動してダウンロードを始めた。結構時間が掛かりそうなので本でも読んで待っていたら、その内終了して勝手にインストールを開始した。後で知ったのだけど、一度PowerDVDをアンインストールしてPowerDVD9.0をインストール&更新する腹づもりらしい。はいはいどうぞどうぞとマウスをクリックして進めたところ、アンインストールに妙に時間が掛かる。また本を読んでダラダラしてたんだけど、まったくもって終わらない。固まっているのか、といって窓を閉じようとするけど返事がない。仕方ないなぁ、といってタスクマネージャーから無理矢理切る。
この辺りから泥沼に突入する。PowerDVDをアンインストールもできなければ再インストールもできなくなった。途中他の再生ソフトを試みたりもしたのだけど、PowerDVDは諦めが付くまでしゃぶり尽くしたので一応報告までに。結論から言うとPowerDVDは何をしても本機体では作動しなかった。PowerDVD8.0はインストールはできるがBDにかぎらずあらゆるメディアを再生しようとすると「error」とにべもないポップアップを出して落ちる。PowerDVD9.0へのアップデートは必ずアンインストールに失敗するため不可能。よしんばアンインストールしたとしてもPowerDVD8.0からのアップデートと言う形でないとPowerDVD9.0のインストールはできないみたいで無理矢理アンインストールしても意味がない。Windows8対応済みと謳っているPowerDVD12の体験版を試みたがイントールできない。
一応、PowerDVD8.0のアンインストールの方法を紹介する。正しいかどうかは分からないけど、取り敢えずこれでPowerDVD8.0どころかCyberLinkの痕跡は消すことができる。というか、CyberLinkのソフトを全部消すことになるので他のソフトは使いたいという方はもっとエレガントな方法を見出してください。
①普通にコントロールパネルのプログラムと機能から、あるいはソフト付属のアンインストーラでCyberLinkのソフトを全てアンインストール。PowerDVDはアンインストールの途中で止まる。
②Windowsを再起動
③PowerDVDがインストールしてあるフォルダ(C:\Program Files (x86):CyberLink\)を削除。使用中なので削除できませんとか言われる場合は、使用中らしきプロセスをタスクマネージャーから切ると消せるようになる。
④レジストリからCyberLink関連をすべて消去。"ファイル名を指定して実行"とか"Windowsキー+R"とかでregeditと入力し、レジストリエディタを起動。CyberLink、PowerDVDと名の付くものをすべて消す。
⑤プログラムファイルのフォルダ(C:\Program Files(x86)\InstallShield Installation Information\)からCyberLink関連をすべて消去。
以上の手順で一応アンインストールできた、気がする。上の手順のうち④⑤が肝になる。出来ればレジストリなんか弄りたくないのだけど、あれこれ試行錯誤しているうちに色々なものが糞すぎてどうでもよくなってきて半ば投げ遣りな気分でレジストリを消しまくる凶行に至った。
一応、参考までに消した部分を以下に挙げる。ただし、これは何回も消すうちに探すのが面倒になってメモるようにした部分であり、これ以外も色々とあると思うので、参考にするのは結構だけど頼り切りにしないほうがいいと思う。
ファイルは次の通り。
C:\Program Files(x86)\InstallShield Installation Information\
{2BF2E31F-B8BB-40A7-B650-98D28E0F7D47}
{2D2D8FE2-605C-4D3C-B706-36E981E7EEF0}
{5DB1DF0C-AABC-4362-8A6D-CEFDFB036E41}
レジストリを削除する上で見るべきポイントはPDVD, CyberLink, Microsoft, Windows, Wow6432Node, Install, Uninstallといったワード。
\HKEY_CLASSES_ROOT\PDVD8file
\HKEY_CLASSES_ROOT\PDVD8IFOfile
\HKEY_CLASSES_ROOT\PDVD8RMXfile
\HKEY_CLASSES_ROOT\PDVD8VOBfile
\HKEY_CLASSES_ROOT\PDVD8XDLfile
\HKEY_CURRENT_USER\Software\CyberLink
\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\CyberLink
\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Uninstall\{2BF2E31F-B8BB-40A7-B650-98D28E0F7D47}
\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Uninstall\{ADD5DB49-72CF-11D8-9D75-000129760D75}
\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\PowerDVD80_SETTING
\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\PowerDVD8_Upgrade
あと、当然ながらレジストリとかを弄るのは自己責任でお願いします。文句とか言われても対応しませんので、悪しからず。
さて、上記の通りCyberLink製品に付いては諦めが付いたわけだけど、ブルーレイが見れるわけになったわけでもなく何も解決していないし、それどころか普通のDVDさえも視聴できるか不明な状況。そこで何種類か再生ソフトを漁ってきて再生状況を調べてみた。
調べたのはWinDVD11Pro体験版、TotalMediaTheatre、MPC-HC、DAPlayer、VLC meda playerの5種類。WinDVD11Pro体験版とTotalMediaTheatreは市販の再生ソフト。VLC meda playerはフリーでリージョンコードをスルーしてくれる優れもの。後2つはフリーでBDを再生できると宣伝しているソフト。
折角なのでブルーレイ以外のメディアの対応状況も調べてみた。再生を試みたのはスーパーピアノレッスン(DVD)、灰羽連盟(BD)、NHKプレミアムシアター(ダビング10)の3種類。NHKプレミアムシアターは近所のおっさんにダビングしてもらったもの。
対応状況は以下の通り。
スーパーピアノレッスン(DVD) | 灰羽連盟(BD) | プレミアムシアター(C10) | |
POWERDVD8.0 | × | × | × |
WinDVD11Pro体験版 | ○ | ○ | × |
TotalMediaTheatre | 音だけ | × | ○ |
MPC-HC | ○ | × | × |
DAPlayer | ○ | × | × |
VLC media player | ○ | × | ○ |
惨憺たる結果となった。これが著作権を過保護にしてデメリットを全て視聴者に押し付けた結果である。
一度著作権保護団体を排除して新しくユーザビリティの高いメディアを作りなおした方がコンテンツ業界にとっていいのではないかと思ったけど、DVDくらいのバランスなら別にいいかなと思った。リージョンコードがうざいこともあるけど、とっくに引っこ抜かれてるセキュリティだから、大した害にはならない。テレビの方は色々と救いようのない状況だから、しがみついている連中ともども一度滅んで、ゼロからやり直すのがいいと思う。
ちなみに結局ブルーレイが見れるようになるまでにかかった時間は20時間ほど。これだけあったらコンビニでバイトしてPS3が買えるんじゃあないかな。