宵待草

 「宵待草」 以前、唐澤まゆこの歌にいたく感動したようで、これはいつか作ってやろう、と思っていた曲。
 今回、MikuMikuVoiceを使ってズルをしようと思い少しだけ使ってみた。
 まず、このソフトの性質として、単旋律のWAVEデータである必要がある。ボーカロイドのツールだから当然だ。そこで、単旋律のWAVEデータを準備しなければならない。
 以前からこの構想は整っていたので実行に移すだけだが、なかなか難儀した。
 現時点で、「声だけを抜き出す」というツールの存在を僕は知らない。でも、逆に「声を消す」というツールはいくつかある。そこで①声を消す、②声を消したデータの位相を逆にする、③②のデータを最初のデータと重ねる。こうすることによって、声だけを取り出せる。数学っぽく表現すると①(歌+伴奏)-(歌)=伴奏、②伴奏×(-1)=-伴奏、③(歌+伴奏)+(-伴奏)=歌、となる。とにかくこうして声だけを取り出すことを試みる。
 まず、最初の誤算というか障害として、「声を消す」ツールが見つからない。どのツールか分からなくなってしまった。インストールしてあるオーディオ編集系のソフトはあらかた調べてみたのだが、それっぽい機能は見つからない。ということは、圧縮した状態で保存してある膨大な量のツールを一つ一つ虱潰しに見て回るのか、と迂遠な気分になるわけだが、面倒でやってられない。早々に諦めてググってみました。僕が以前確認した思われるツールは見つからなかったんだけど、代わりにSoundEngineという普段僕が使用しているフリーソフトの最新版ではその機能が付いているとのこと。早速インストールして使ってみました。どう使うかよく分からなかったのだけど、何となく気分的に出来てしまった。
 そんなわけで、①声を消すというポイントはクリア。そのまま勢いで位相を逆転します。これもSoundEngineにそんな機能が付いていたのでついでにやってしまいました。というわけで、②までできた。
 最後③の「伴奏を消す」というマジックはなかなか難しい。SoundEngineではトラックが1つしかないみたいで別のソフトで編集することになる。MMPでミックスする。このソフト、あんまり肌に合わなくて、いつも苦戦する。CakeWalk使っておけば良かったなぁと今更ながらに思うんだけど、オーディオデータを扱う場合にはMMPの方が機能として多彩であるっていうことで、最近はMMPを使うことが多い。そのくせMIDI録音はCakeWalkだ。それで、ミックスしたわけなんだけど、あまりきれいに伴奏は消えていない。というか、かなり残っている。原因は明らかで、SoundEngineで声を消したときに完全には消えない。いくらか歌声が残る。また、声を消すと同時に声以外の部分も消しているためである。こうしてミックスして出てくる音は最初に消した部分なので、伴奏部分まで聞こえてしまうということ。
 こればかりは仕方ない。これは当初から予測していたことなので、諦めて次の段階へ移行する。
 とにかくWAVEデータの準備が出来たのでいよいよMikuMikuVoiceを試してみる。作者は戯れに作ったみたいなことを言っていたが、結構分かり易い作りをしている。音程と音量だけを認識しており、発音についてはユーザーが入力するということらしい。一音一音ちまちまと範囲をマウスで指定して、発音を入力する。一瞬で飽きて、取り敢えず、ボーカロイドエディタに書きだして、実際に歌わせてみた。最初の数音節だけだが、結構いい。発音とか範囲を入力するのが面倒だから、そういったところは慣れたボーカロイドエディタで行うことにしよう。ということで、発音を一切入力せずに音程、音量のデータだけボーカロイドエディタに移行。すると、この世のものとは思えないような歌が・・・・。これはこれで味があっていいのだが、とても真面目なデータとして通用する類のものではない。敢えて喩えるのなら、モデムがピーガーとかわめいているような音が近い。とにかくやたらと倍音とかがすごい速さで入り交じるのだ。
 あぁ、これはもうやっとれんな・・・・。そういって、MikuMikuVoiceを使うことは諦めたのでした。普通に入力したらよほど速かった。
 今回、人間が歌ってるのを参考にして入力したため、結構いい出来となった。ちょっと嬉しい。