コンサートレポート

Samstag 15. Juli 2006.
 そんなわけでコンサートレポート。
 河合優子さんのショパンオンリーイベント河合優子さんは岡崎出身のピアニストで、ヤン・エキエルの元で学び、1995年ショパンコンクール出場という輝かしいプロフィールを持っております。日本人のショパン弾きとしては若い世代を代表するらしい。
 実はコンサートでショパンを聞くのは初めてだったりする。
 ピアノはベーゼンドルファーのフルコン。"Bösendorfer"のドイツ文字が輝いていました。
 では、プログラムの順番に。

3つのノクターンOp.9
 このサイトでも2番のOp.9-2をアップしてあるわけですけど、ノクターン1番~3番です。 
 その前に練習と称してバッハさんの平均率(だと思う)を弾きました。ショパンの真似っこですね。で、終わると直ちにノクターンにはいり、1番、2番を弾いたところで3番に入らずに演奏をやめました。もしかして、と思ったのですが、もしかしました。2番を装飾音を入れまくった別バージョンで弾いたのです。本人いわく、この演奏をしているCDはこの世に3枚しかない、そのうちの1枚は自分だ、と。じゃあ、僕が演奏してCDを出してしまえば4枚目になるわけだ。この前聞いたCDのノクターンがそんな感じだったけど少し違ってた、というところを鑑みるに部分的に取り入れているディスクっていうのはそれなりにあるのかなぁとか思ったりする。
 で、終わるとすぐに3番に入る。気が向いたら3番も弾くといってたので弾いてくれてほっとしたり。

コントルダンス 変ト長調
 マズルカかと思ったのですけど、遺作のコントルダンスでした。もらったプログラムの要旨には世界初録音をしたって書いてあるんだけど、手元にニキタ・マガロフとイディル・ビレットの録音がある。ビレットの録音は1991年となっているけど、この年は河合さんがエキエルのところに学びに行った年、これ以前に録音しているということなのだろうか? っていうか、このときまだ学生だって言ってたけど本当?

レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ 嬰ハ短調
 ノクターン20番です。戦場のピアニストとかで有名になった曲ですね。ルービンシュタインのディスクに入っておらず、とても残念な気がする曲です。
 ショパンが姉にピアノ協奏曲2番の練習にどうぞ、とかいって送ったとか。

4つのマズルカ Op.7
 マズルカです。マズルカはほとんどノータッチなのでよくわかりません。なんかリズムが取れなさそうな気がするのとあまりにも数が多いため手を出すのを躊躇ってしまうものです。

3つのエコセーズ
 これも遺作っぽい曲ですけど、作品番号がついています。Op.72-3だったとおもう。
 違う順番で弾いていた。なにか意図してのことかなぁ。学識のない僕にはそういった意図は通用しないぜぃ。

幻想曲
 「雪の降る町に」の元となった曲です。こいつはすごい。熱演でした。鍵盤を端から端まで使うため、手が届かないのか半分立ち上がっていすの上を移動したりします。ベーゼンドルファーは低音がとても強く響き、圧倒されます。
 実はこのコンサート一番前の席に小学校低学年くらいの子供が二人いたんだけど、こいつらが騒がしくて絶えずごそごそとしていたり、しゃべくりあってたりしていました。河合さんはそいつらの悪行に耐えかねて、演奏中に余裕ができるとそちらを注視するわけです。幾度となくそれを続けたけっか、ようやくそいつらの親とおぼしき者がそれに気づいて後ろのほうからこそこそとやってきて子供たちを静かにさせました。その後、河合さんは左手があいた瞬間に人差し指を口の前に持ってきて「しー」とやるのでした。
 この迷惑な子供たちですが、実は子供は悪くないのです。なぜならばそんな小さな子供が一所にじっとして演奏を聴いていられるわけがないからです。隣に同じ境遇の子供がいるならなおさら。騒ぎ出すに決まっている。そして、近くに親はいない。圧倒的に親が悪いと考えられます。ということで、子連れでコンサートに行くときは気をつけましょう。というかコンサートに子供をつれてくるな。ちなみにこの連中は後半にはいなくなっていました。

 ここで15分間の休憩に入ります。
 この隙に読みかけだった土曜ワイド殺人事件を読みきってしまいます。

プレリュード 嬰ハ短調 作品45
 ショパンは24のプレリュードのほかに2曲のプレリュードを作っています。この作品45はショパンのプレリュードでももっとも長大なもので一部で大人気の曲です。一般にはマイナーですがショパン好きにとっては常識といっていいでしょう。
 この次に来るソナタが気になってあまり集中して聞けなかった。

ソナタ3番 ロ短調 作品58
 衝撃的な単旋律のアウフタクトで始まり、1小節目からの旋律はポリフォニックに進行します。ショパン後期の大作です。ショパンは作品番号にして50代後半から60代前半にかけて大作を作りまくっています。57番子守歌、58番ピアノソナタ3番、60番舟歌、61番幻想ポロネーズ、といった感じです。
 で、演奏ですが音量がすごい。これがフルコンか、とうならされる音量で演奏する。ピアニッシモもはっきり聞き取れる弱い音、とどろき渡るような低音。
 やっぱり生はCDとは違うね、と思いました。

 この後、河合さんに直接聞いたのですが、ノクターンの楽譜は出版されているとのこと。ナショナルエディションなのかなぁ。探してみよう。