ソード・ワールド2.0 ルミエルレガシィ読んだよ

 ソード・ワールド2.0サプリメントルミエルレガシィを読んだので少し感想でも。アイテム&データブックとあるとおり、これまでに登場したアイテムをまとめている。とはいえ、どれどれの何ページを参照してねという書き方が多いので、結局これまでに出たサプリメントを参照しなければならない。ハイパーリンクで繋げてくれたらいいのになあとか思うのだけど、紙の書籍では無理。電子書籍でそういうのを出す気はないのかな。

p78千変万化の衣

 これ、いいなあ、と思った。と言うのは、着用者が念じるとこれまで着たことのある好きな服に変るということなので、冒険で服が汚れた際に念じると、きれいな状態の服に変わる。この辺り、どうなんだろう。汚れは取れずに変化後の服にくっついてくるのかな。りゅうたまだと「臭くてダサイ服」とか「はんなりとした頑丈な服」とかあるから出来そうだけど。
 実際のところ、ファンタジーの大雑把さできれいになって構わないとかなりそうだと思う。すると悪いプレイヤーが言うわけだ。「じゃあ臭いの元となる微生物とかカメムシはどうなる? 即死か? このマジックアイテムは即死級か?」とか。ホントにめんどくさい。
 こんなことを考えていたら、ピュリフィケーション問題を思い出した。ソード・ワールド旧版にあった問題で、ピュリフィケーションで血液を真水に変えたら即死するよねっていう指摘があって、ソード・ワールドQ&Aで出来ませんとなった。当時は抵抗とかの概念が今ほどしっかりしておらず、曖昧な表記が結構あった気がする。ソード・ワールド初版からQ&Aで少しマイナーチェンジをして、その数ヶ月後にソード・ワールド完全版が発売され、そこで抵抗をはじめ魔法の条件・属性とかを細かく書くようになったのだと記憶している。
 ちなみに、ピュリフィケーションの各ルールブックでの記述は次のようになっている。
ソード・ワールド初版

ピュリフィケーション
ウンディーネ/水の精霊) 基本消費精神力:3 距離:10メートル 効果範囲:10リットルの水
 持続時間:永続 効果:水の中の不純物を取り除き、完全な真水を作り出す
(説明)この呪文を唱えると、いかなる泥水や毒物が混ざった水であろうともたちどころに完全な真水に戻すことが出来ます。魔法のポーション(飲み薬)やホーリーウォーター(聖水)も対象にできますが、その時には成功ロールを試みねばなりません。指定がない限り、この手のポーションの目標値は15です。
ソード・ワールド完全版
[ピュリフィケーション(ウンディーネ/水の精霊)]
 基本消費精神力=3 距離=10メートル
 効果範囲=10リットルの水
 持続時間=一瞬
 効果=水の中の不純物を取り除き、完全な真水を作り出す
 種別=-
 拡大=達成値、距離、目標体積
 抵抗=なし
 この呪文を唱えると、いかなる泥水や毒物が混ざった水であろうともたちどころに完全な真水に戻すことが出来ます。魔法のポーション(液体の飲み薬)や毒なども対象にできますが、その時には成功ロールを試みねばなりません。指定がない限り、この手のポーションの目標値は15です。毒の場合、その毒性値が目標値となります。
 この呪文は生物の体液に対して行使し、その生物に損害を与えるという使い方はできません。
ソード・ワールド2.0
3 【ピュリフィケーション】 消費:MP2
対象:水100Lまで 射程/形状:接触/- 時間:一瞬 抵抗:なし
概要:不純物や溶解物を含む水を浄化し、真水とします。
効果: 術者が直接触れることが出来、かつ連続して存在する体積100Lまでの液体を、真水に変えます。
ウィザーズトゥーム
ランク1 【ピュリフィケーション】 消費:MP2
系統:妖精魔法(水・氷) 対象:水100Lまで
射程/形状:接触/- 時間:一瞬
抵抗:なし 属性:-
概要:不純物の混じった水を真水とします。
効果: 不純物や溶解物を含む水を浄化し、真水とします。対象となる水は、術者が直接触れることができ、かつ、連続して存在する体積100リットルまでのものに限られます。
 液体の毒性や薬物も対象とすることが出来ますが、その場合には、達成値の比べ合いを行う必要があります。

 それはそうと、ピュリフィケーションの本来の仕様法である水をきれいにするという使用法について。これ、水中にいるバイキンとか微生物を即死というか消滅させるよね。完全版とウィザーズトゥームの表記では物によっては目標値が設定されるからこの辺りの言い訳は効くかもしれない。まあ、ファンタジーなんで細かいことは考えるなということなんだけど。どの程度まで消滅させることができるのかな。単細胞生物くらいは消せそうな気がする。となると、ミドリムシは消える。ミジンコはどうだろう。大きいのだと1mmを超えるから消せるかどうか怪しい。でもミジンコがいたら真水とはいえないなあ。オキアミくらいだとどうだろう。金魚とか鯉は無理かな。トリチウムの汚染水とかも気になるけどそっちは世界観の根本的な問題に立ち入らねばならないから考えないほうが良さそうだ。
 あと、影響範囲がどの程度かが気になる。泥水を真水に変えると謳っているけど、泥水を静置しておくと泥が沈殿する。この沈殿した泥も消せるのだろうか。これを消せるとなると消滅させる対象は分散している必要がないということで、洗濯にピュリフィケーションを使うことができる。
 あと、ソード・ワールド2.0ルールブックI→ウィザーズトゥーム→ルールブックI改訂版という順で出版されているのだけど、ウィザーズトゥームだけには「液体の毒物や薬物も対象とすることができますが、その場合には、達成値の比べ合いを行う必要があります。」という記述がある。ウィザーズトゥームで書き足して改訂版で削除したというのでは説得力に欠ける。ウィザーズトゥームで書き足したのだけど、改訂版を作るときに改定前をそのままコピペして書き足したことを忘れていたと考えるのが説得力があると思う。

p141エルダーマンティコア

○飛翔
空を飛んで移動できます.戦閣時、騎手と同乗者、騎獣の近接攻撃の命中力回避力に+1のボーナス修正を得ます。いずれかの[部位:翼]のHPが0以下になれば、この能力は失われます。

 マンティコアの分際で空中浮遊するんだぜ。尊師かよ。しかも[部位:翼]なんてないから無敵やん。
 そんなことを思ったんだけど、やっぱりエラッタだった。
 [部位:翼]ではなく[部位:後半身]とのこと。そういえば、マティコアってコウモリの羽が生えてたっけ。一方、レッサーマンティコアは羽生えてるくせに飛べない。レビテーションでもかけろってことかと思ったけど、レビテーション真語魔法6レベルだ、使えねえやん。

ヴァルキリー
 ヴァルキリーの種族特徴に[戦乙女の光羽]というものがある。落下するときに落下速度を自由に調整できるというもの。ルールブックには次のように記述されている。

ルールブックIII改訂版:自らが落下する場合、その落下速度を通常の速度から羽が舞い散る程度の速度までの間で、自由に操れます。空中で自在に行動できるわけではありませんが、意識があるならいかなる状況でも落下ダメージを受けず、転倒しません。同時に、重さ200kg程度までの他のキャラクターや荷物を運ぶこともできます。
ルミエルレガシィ:自らが落下する場合、その落下速度を通常の速度から羽が舞い落ちる程度の速度までの間で、自由に操れます。空中で自在に行動できるわけではありませんが、いかなる状況でも落下ダメージを受けず、転倒しません。同時に、重さ200kg程度までの他のキャラクターや荷物を運ぶこともできます。

 ルールブックIIIでは意識がないと駄目って書いてあるけど、ルミエルレガシィだと意識の有無は関係なく「いかなる状況でも」有効となっている。ソード・ワールド2.0では基本的に新しく出版されたものの記述を優先するとどっかで見た記憶があるので、出版時期を比較するとルールブックIIIが平成26年7月25日、ルミエルレガシィが平成26年8月25日となっておりルミエルレガシィの方が新しい。ということは、意識の有無は関係なく戦乙女の光羽は有効であると解釈できる。
 それから、転倒しないという効果について。落下による転倒なのか、通常の転倒も含むのかはっきりしない。普通に読めば落下による転倒のみに有効となるのだが、だからといってこの書き方だと通常の転倒を除外するような書き方をしていないので明確に判別できない。また、p157に「落下ダメージや転倒効果を防ぐため」とあるので、通常の転倒に対しても有効だと考えられる。
 この件についてはSNEのQ&Aで答えが書かれている。

QIII改-02 種族特徴[戦乙女の光羽]は「いかなる状況でも落下ダメージを受けず、転倒しません」とありますが、これは落下時のみですか?
AIII改-02 はい、落下時のみ、落下ダメージを受けずに転倒しません。《投げ攻撃》などの転倒効果を受けた場合は、通常どおり転倒します。

ということで、落下以外による転倒には効果が無いという判断が正しい。