安城の桜井神社に算額が奉納されている。
この中の「中円」と書かれた円と三角形と正方形で構成されている部分を抜き出すと次のようになっている。
図のように円に内接する正三角形と、正三角形の2辺と円に接する正方形があるとき、正方形の1辺の長さが円の半径と等しくなる。
この部分を証明しておこうと思う。
一応、二通りの証明を思いついたので両方共書いておく。1つ目は幾何学に則った数学の先生の喜びそうな証明法、2つ目は代数で無理矢理解いた僕好みの証明。どちらが正しいということはないのだけど、後者は力ずくな部分があるため数学の先生には嫌われる。
[証明1]
円Aと内接する正三角形abcがあるとする。
この円Aの半径rと同じ距離だけ上に平行移動した円Bを描く。
円Bの中心は円Aの中心の真上の正三角形との接点となる。従って、円Bと正三角形の2つの交点d,eは正三角形の頂点aから半径rの距離となる。ここで、三角形adeは三角形abcと相似であることから、正三角形であり、辺deの長さはrと等しい。
点d,eから円Aに向かって垂線を下ろして接した点をf,gとする。円Bは円Aをrだけ上に平行移動した図形であることから、線分dfおよび、egの長さはrである。
以上より正方形degfの1辺の長さはrとなる。
[証明2]
円を原点Oを中心とした単位円とし、正方形の1辺の長さをaとする。下図のようになる。また、図のように三角形と正方形の接する点をα、円と正方形の接する点をβとする。
αとβのy座標の差が正方形の1辺の長さとなるので、三角形の1辺、正方形の1辺、円を表す次の3つの方程式からこれを求める。
①αの座標を求める。
②βの座標を求める。
点βは負の値となるので、
③α、βのy座標の差は正方形の1辺の長さaと等しくなるので、
両辺を2乗する。
aは正方形の1辺の長さなので正の数である。従って、a=1となる。
というわけで、2通りの解法を上げてみた。他にも色々解き方はあるかもしれない。
作図は例によってエクセルを使った。いつも通りエクセルファイルも上げておく。
20140817 桜井神社.xls
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