キーボード買ったよ BFRIENDit1430

 先日、キーボードが壊れたので新調した。
 壊れたと言っても、エンターキーのキートップパンタグラフを固定している部分が割れて、エンターキーが凄く押しづらくなっただけなんで、使えないわけではない。ちなみにサンワサプライSKB-SL06BK。近所のエイデンで購入したのだけど、凄く良い。購入した当初は、店頭に置いてにあったのをテキトーにレジに持っていったというだけなのに、意外に良くて、今のキーボードは結構良く出来てるもんだなと思ったものである。今回、色々とキーボードについて調べるにつけ、打鍵感、キーストローク、反応どれを取っても今でも最高クラスの理想的なキーボードと思えるのだけど、どういうわけか廃番になっている。フォルクスワーゲンのビートルみたいにずっとおんなじの作ってればいいのに。
キーボードがむちゃくちゃ汚いので小さい画像だけ

 2015年の春に買ったキーボードだから、13年くらい。たったの13年程度で壊れるとは軟弱なキーボードだと思わんでもないけど、パンタグラフ式は壊れやすいそうだから、仕方ないかな。

 壊れた理由、というか、逆に13年間に渡って壊れなかった理由というのもある。実はPCラックのキーボードを置いておく抽斗のような部分にキーボードを置いていたのだけど、ずいぶん前からこの抽斗が壊れていて、時間とともに症状は進行していた。
 正確な時期はまったく覚えていないのだけど、2010年頃のことだと思う。レールのベアリングが落ちたのが一番最初だった。このときは何が起こったのかわからなかった。ただ、床に落ちたベアリングが転がっていて、「これは何だ? What's this?」となっていた。その後、幾度もベアリングが落ちたけど、やはり何のことかわからなかった。多分、抽斗の動きは悪くなっていたことだと思う。
 ある時、抽斗を引いたときに、抽斗が外れた。「ちょっと引っ張りすぎたかな? 今後は無理に引っ張らないよう気をつけよう」と言って、少し丁寧に扱うようになった。
 そんな感じで、時には抽斗が抜けるということもあったが、概ね平和に使っていた。
 ある日、派手に抽斗が外れた時があって、その際に一緒に大量のベアリングが雪崩を打ったように転げ落ちてきた。「お前だったのか!」と大造爺さんみたいなことを言いながらベアリングの意味に気づいたのである。
 その後も、より丁寧に騙し騙し使い、なおかつ抽斗にあまり衝撃を与えないようキーボードのタッチを極力弱くした。数学ガール乱択アルゴリズムでリサが音を立てずにキータッチしてたような感じである。まあ、音を立てないというのは実質不可能なので音は出るわけだが。
 そんな風に、時々抽斗を落下させつつも我慢して丁寧に使ってきたのだけど、ついに毎日のごとく落下するようになって我慢ゲージが限界を超えた。そんなわけで、キーボードを抽斗から天板のモニター前に移した。そういや、最初はここに置こうと思ったけど当時はCRTディスプレイの奥行きが結構大きくて、置けなかったんだよなとか思い出してた。
 そんなわけで、これまでのように我慢してソフトタッチする必要がなくなり、これまでに溜まったストレスを発散するように力いっぱい打鍵するようになった。とはいってもタイピングが遅くなるので、のべつ幕なしに強打するわけにはいかず、必然的にその強打はエンターキーに集中するようになったというわけである。毎回メフィストワルツの最後みたいなフォルテシモで打鍵されるエンターキーはそれから数ヶ月で壊れることになったのである。
 壊れるに至った話終わり。

 エンターキーが反応したりしなかったりだと、当然ながら自分の体が自由に動かないような不快感がある。2週間位我慢したけど、もう無理と言って新たに買った。
 購入に際して、世の中にどんなキーボードがあって、自分には何が合ってるのかを調べてみた。
 打鍵方式としてはメンブレンパンタグラフ、メカニカル、静電容量無接点の4種類が主に出回っているということがわかった。それらの特徴をいろいろと調べていく内に、これまで使っていたパンタグラフ式の打鍵感覚は購入当初より気に入っており、説明文を色々読んでもパンタグラフ式が良いということになった。キーを押したときに加えた力と沈み込みの関係で、ある一定以上の力を加えないとキーはあまり沈み込まないけど、一定以上の力を加えたときに一気に最後まで沈み込んで打鍵を終了するのが良いキーである。パンタグラフ式はそれを実現しているという点でとても評価している。
 次に、キーボードのサイズだけど、これまで使っていたものを物差しで測ると、大体15cm×45cmなので、これ以下なら置く場所には困らない。今回調べた中では大抵のキーボードはこのサイズに入っているのであんまり気にすることはなかった。
 最近だと、無線のキーボードが多くあるらしい。無線って設定が面倒くさそう。そもそも、設定がいるって何なのよ? 僕が最初に家で使ったCompaqのPCには無線マウスが付いていて、時々電池が切れて単4電池2本を交換しなければならないのが地味に面倒だった。そういや、あれの設定ってどうなってたんだろう、と思ったけど、PC付属のマウスだからプリインストールで設定してあったんだろうな。とにかく、無線は避けることにした。多分、問題なく使えるんだと思うけど、僕自身マシントラブルには頻繁に遭遇するので、そういった検討材料を増やしたくない。
 キーボードの種類。キーの数とか配置とかに種類がある。もちろん、これまで使っていたフルサイズのものと同じが良い。
 最近流行りの隣接するキー同士が離れているアイソレーションキーボード。
 そんなわけで、キーボード選定において基準になるのは以下の5つ。
パンタグラフ
・15cm×45cm以下
・有線
・フルサイズ
アイソレーション
 この5つの基準で絞り込んで、その中からキーボードを選ぼうと思った。のだが、試しに価格.comで検索したところ該当機種0件。まさかの存在しないとなった。供給がないってことは、僕と同じ需要もないのか。残念すぎる。
 いろいろと探したのだけど、そもそもアイソレーションの殆どがメンブレン式なので殆どの製品が弾かれる。そのうえ、時代に逆行するような有線&フルサイズ。有線はともかくとして、テンキーとSpecial Keysを備えたフルサイズは需要があると思うんだけどなあ。
 色々と検索したけど、上記の基準に合うものは出てこず、諦めて無線にするかなと思っていたところ、最後にamazonで調べてみたところ、このKB1430というのが出てきた。BFRIENDitという見たこともないメーカー。どうせ中国製だろう。調べてみるとFashionstoreというサイトで同じ製品を扱っている(魚拓)のを発見した。また、中国の通販サイト24h購物(魚拓)でも取り扱っている。このロゴを見るにBFRIENDitというのは"B.Friend it"ということらしい。ということで、そっくりさんのRF1430Kという製品を見つけた(魚拓)。NT$と書いてあるので、台湾の会社だった。
 解説文には次のように書いてある。

BFRIENDit KB1430 USB有線キーボード:
人間工学に基づいたデザイン、シザー構造、スリムなキー、マルチメディア機能のホットキーにより、長時間の利用でも疲れが出ません。 「チクレット型」キーボード:
このチクレット型キーボード、つまり92%フルサイズキーボードの標準に基づき、チクレット仕様の自立式キーキャップを採用しているため、キーが一つずつに水面に浮いているチョコレートのようにキーボードベースに置かれています。さらに、指とキーキャップが接触する面積を増加することで、快適な使い心地になり、静かなタイピング体験を楽しめられます。人間工学的なデザインにより、特徴のある凹まれた円筒状のキーが仕上げられています。同時に、非固着性の設計により、キーを間違ってタッピングする確率を低減することで、キーストロークとキーピッチの両方が大幅に改善されることができ、より快適なタイピング体験を楽しめることができます。ここでは、誰でも簡単に覚えて理解できるように、チクレット型キーボードと名づけました。日常生活をより簡単に

お持ち帰りの日から、伝統的なフルサイズの105キー配列の有線キーボードを通じて、簡単で快適にタイピングすることを楽しめられます。

 見た感じ、僕の求める部分は満たしているようにみえる。気になったのは「チクレット型キーボード」という初めて見る言葉。調べてみると、遥か昔に使っていたキーボードの形式でゴム製で非常に打ちにくいみたいな説明がある。何このトラップ? というか、今どきそんなキーボードが市場に存在するわけ無いやん。と、Wikipediaの記述の方を疑うのだけど、こういうときに役に立つのがamazonのレビュー。そんなに打鍵しづらいキーボードであれば誰もが低評価でその部分を書くだろうけど、そんなことはないので、「チクレット型」という言葉に別の意味を当てているんだろうなという結論に至った。まあ、結局のところ、アイソレーションキーボードのことをチクレットキーボードと呼ぶというのが正しい解釈のようである。
 まあ、問題はなさそうなので、こいつを購入することにした。

実際に使ってみた
 届いた実物はこんなかんじ。


 なんと、昔懐かしのキーボードカバーが付いてる。これがあればキーボードが汚れずに済むぜ! とか言ってる場合ではない。実は、このキーボードカバーは大分曲者である。キーボードの上に1枚膜をかぶせるのだからその分抵抗が増えて当然キーの反応は悪くなる。折角打鍵しやすさを求めたパンタグラフ式でこんなのを点けるとは愚かな限りである。
 更に、キーとキーの隙間にも当然カバーはあるわけで、その分隣接キーとの隙間が小さくなる。敢えてキーとキーの間を広げたアイソレーションだというのに、キーボードカバーとか頭おかしいんじゃないかと。
 あと、これは僕だけかもしれないんだけど、キーの上で指が滑らない。僕は打鍵するときによくグリッサンドみたいに指を打鍵した状態から横に滑らせて隣のキーを押すことがあるんだけど、シリコンゴムのキーボードカバーはこれを許さない。そういや、ZWEI IIをプレイするためにコントローラーを買ったときも指が滑らんくて困るって言ってた気がする。
 それから、下の写真を見てもらいたいのだけど、

 エンターから下のキーを覆う部分が2つのキーを一緒に覆ったり、エンターキーが別れてたりしていたりする。なぜこうなるかと言うと、上のB.Friend itのサイトで見つけたRF1430Kという製品がこのキーボードカバーがぴったり合う形をしているのである。

 つまり、このRF1430K専用のキーボードカバーがあって、それに合う形になるようKB1430を設計したのである。すると、日本で標準的に出回っているキーボードとキーの配置が微妙に異なってくるのである。

 一番下のキーの並びが特徴的。CtrlとWindowsキーがShiftの下に、AltがZの下にある。そして、無変換、長いスペースバー、無変換、かな。使途不明なFnがあって、Alt、Ctrlとなっている。マウスの右クリックと同じ働きをするアプリケーションキーは存在しない。よく使うのに。
 新旧のキーボードを並べると下のようになる。

 おわかりだろうか。これだけ位置がずれてるとホント使いにくい。
 とにかく、左の無変換とAltとWindowsキーがだいたいキー1個分くらい左にあるのが困る。さらに言えば、Altはもう少し大きいほうがいい。
 文字を入力する以外はマウスを使うというユーザーも多いと思うが、僕は逆でできるだけマウスを使わずにキーボードだけで済ませたいので、AltやCtrlあるはWindowsキーというのは割と頻繁に使う。そこで、Altの位置が違い、その上あるべき場所に無変換があるというのは凄く困る。無変換というキーは押すとキーの入力設定が変わるため、その後に叩くキーは思いもしなかったものが出てくる。Altキーを押し間違える度に不愉快な思いをしなければならないのである。そして、文章を入力するさいに、平仮名にしようとするときは無変換を押す。しかし、無変換と思って押したキーの位置にはスペースバーがあるのである。アプリケーションキーがないのは購入前に製品写真を見て知っていたけど、Altの周辺の様子までは目が行っていなかった。Alt+F4とか凄く押しづらい。
 打鍵感については全く問題なく、パンタグラフ式ならこうなるなという文句のない感じだが、キーストロークが短い。アイソレーション型のキーボードは多分全てキーが浅いタイプなんだと思う。デスクトップ向けのキーボードで薄く作る必然性はまったくないのだけど、メーカー側の薄く作りたいという欲求によるものだと思う。
 アイソレーションキーボードなのでミスタッチは減ってると思うんだけど、これはよくわからない。確かに、間違って隣のキーに触るということは減った気がする。でも、普通にそれ以外のミスタッチはあるんで感覚としては相変わらずミスタッチするなあという感じである。
 極端に使いにくということもなく、そのうち慣れていくものと思うので、当分はこのキーボードを使うことになった。

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