圧電体

 以前紹介したかどうかは記憶にないが、圧電体というものがある。圧力を受けて変形するとそのエネルギーを電力に変換したり、逆に電力を与えられて縮まったりする物質のこと。
こいつを利用すれば道路の照明なんかの電力を浮かせることができるんじゃないかな、と思ったりした。でも、普通道路の照明なんていうモノは誰もいないときでも点いていないと防犯上問題がありそうだ。では、自動車しか通らない高速道路ならどうだろうか、と考える。なるほど、車が通った時だけその周辺の明かりを点ける。一見理に適っていそうだけど、発電すると行っている以上どこかでそれだけのエネルギーを消費しているわけだ。この場合だと道路に圧電体を敷き詰めてその上を車が通ることによってかかる圧力が電力に変わるとしよう。このとき発電するということは圧電体は圧力を受けて縮むということだ、すなわち車は圧電体が縮んだ分だけ例えほんの数ミクロンであろうと地球の方向に落ちることになる。そうして次の圧電体の上に乗り上げるという行為を連続的に行うことになる。するとどうだろう、見かけ上はまっすぐ進んでいるようでも車は一生懸命坂道を登っているようなものだ。あるいは泥濘を走っているのかもしれない。すなわち燃費は悪くなる。高い高速料金を払わされたあげく、道路の維持費まで一部負担せよとは車の運転手も納得しがたいだろう。そんなところに思い至り、これはダメっぽいなと考えるようになった。
 さて、本当にダメか? というところを検証しよう。結論としてはダメと限ったことではない。必然的にエネルギーを消費する場面に使ってみてはどうか。カーブに入る手前なんかに、危険性を助長させるとしか思えない減速帯があったりすることがある。アイツを圧電体絨毯に変更して発電を試みるとか。これなら有効なんじゃあないかな。
 なに? 高速道路にブレーキ踏まないと曲がりきれないカーブがないと、そうですか。


 さて、前置きが長くなったがこの発電方式、「音力発電」というらしいのだが、NECがリモコンに付けて発売するらしい。日刊工業新聞の元のリンクが切れてるみたいで探すのに手間取った。
 リモコンに使うなら悪くないと思う。ただし、電池不要でなければ意味がない。電池が長持ちするなんてことはどうでもよろしい。取説に単4電池二本入れてくださいとか書いてあったらこのリモコンはゴミみたいなもの。不買運動をしましょう。技術が埋もれてしまうのは哀しいがこれは企業の責任だやむをえん。

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