2月12日の衆院予算委員会での安倍総理の「人間のくずと報道されても気にしない」という発言について

 2月12日の衆院予算委員会での安倍総理の「人間のくずと報道されても気にしない」という発言について。
 概要は以下の通り朝日新聞の記事より抜粋。

 安倍晋三首相は12日午前の衆院予算委員会で、NHK経営委員で作家の百田尚樹氏が東京都知事選の特定候補の応援演説で他候補を「人間のくず」と呼んだことについて、「ある夕刊紙は私のことをほぼ毎日のように『人間のくず』と報道しておりますが、私は別に気にしませんけどね」と笑いながら答弁した。閣僚の一部からも笑いがもれた。

 首相はその上で「経営委員が個人的に行ったものについて、政府としてコメントすべきではないと考えている」と答弁した。

 民主党大串博志氏が「任命した首相として何らかの責任を感じないのか」と質問したのに答えた。

 いくつかの記事を読むとそれぞれ微妙に違う表現をしている。
 まとめると下の表のようになる。新聞記事は新聞社の都合で記事が消されたりするのでWEB魚拓を取った。WEB魚拓もよく消えるからあんまり信用できないんだけど。また、時事通信だけは証拠を残したくないのかWEB魚拓をはじくようになっていたので記事のページにそのままリンクした。

朝日「私のことをほぼ毎日のように『人間のくず』と報道しております」
読売「私のことを、ほぼ毎日のように『人間のくず』という風に報道している」
産経「私のことを、ほぼ毎日のように『人間のくず』と報道している」
変態「私のことをほぼ毎日のように人間のくずと報道している」
時事通信「私のことをほぼ毎日『人間のくず』と報道している」
J-CAST「私のことを、ほぼ毎日のように『人間のくず』というように報道している」

 同じ発言の引用の筈なのに各社それぞれ異なった記述をしている。発言をそのまま文字に起こすだけなんだから、句読や鉤括弧の違いくらいはあってもよいが、発言がそれぞれ違うというのはどういう事だろうか。
 衆議院予算委員会だったら、議事録とか動画とかあるでしょうに。とか思ったけど、議事録はまだ上がってなかった。
 というわけで、youtubeを漁って発言を聞いてみた。
大串博志 vs 安倍晋三 衆議院予算委員会 2014年2月12日 (水)
 34分30秒頃から見ることができるので、書き起こしてみた。
 人間のくず発言、私、直接確認したわけではございません。まあ、報道が、あー、えー、一部報道があったとは承知をしておりますが、まあ、ある夕刊紙は私のことをほぼ毎日のように人間のくず(という風に)、まあ、報道しておりますが、私は別に気にしませんけどね。
 括弧でくくった部分(という風に)は周囲の笑い声と同時に本人が吹き出しているため明確に発音されていない。となると括弧の部分は消されても仕方ないし、発音が明確ではない以上、読売やJ-CASTみたいに文脈を踏まえて空白部分を埋めるのは仕方がないかと思う。ただ、時事通信は「毎日」と「人間のくず」の間に「のように」が入っていないのでこれだけは明確に発言と違っている。
 全ての記事で語尾が違っているのはどうだろう。発言中にちりばめられている「あー」とか「えー」とかを除去してるんだから、これくらいの書き換えはたいしたことないだろう、とかいう認識なのかな。
 取り敢えず、動画で確認して謎が解けた。